WEB・モバイル2021.01.19

ハーバルセラピストの推しハーブ 花粉症や貧血に「ネトル」

Vol.10
編集者・シニアハーバルセラピスト
メディカルハーブライフ
二橋彩乃

 

第9回で取り上げた、免疫力アップのハーブ「エキナセア」に続いて、
今回は、そろそろ気になる花粉症対策にもおすすめの、「ネトル」をご紹介したい。

ネトルは「体質改善のハーブ」として有名だ。

ネトル(和名「西洋イラクサ」)

古くから、「浄血」と「造血(体内で血をつくる)」目的で、よく使われてきた。

汚れた血液を浄化する成分を含み、体質の改善を促すため、
アレルギー症状やリウマチなどによく用いられている。

ドイツでは春先に、蕁麻疹の予防、ニキビ、アレルギーに、
ネトルティーを集中的に飲む「春季療法」という解毒の治療法もある。

また、ネトルは、鉄分やビタミンC、葉酸、ミネラルのほか、
血液の「ヘモグロビン」に構造が似た「クロロフィル(葉緑素)」も豊富に含むため、
血をつくる作用もある。

貧血になりやすい女性や、妊娠中の方には、特に嬉しい作用だ。
(鉄はビタミンCと一緒に摂ると体に取り込みやすいが、
1種類のハーブの中に同時に含まれているのもポイント)

利尿作用も強く、体内の老廃物を外へ出してくれるため、
痛風や尿道炎などにも使用される。

余談だが、ハーバルセラピストの試験の際、
個人的にネトルは含有成分がとても多いので、覚えるのが大変だった。

しかし、当時、例年のひどい花粉症で薬が手放せなかったに私だが、
春先に向けて数か月ほどコツコツとネトルティーを飲み続けた結果、
アレルギー症状が大きく改善された。

血液をきれいに保つことでアレルギーをケアでき、
ミネラルもビタミンも豊富なため栄養が摂れて、さらに老廃物を流してくれる。
「なんて使えるハーブなんだ!」と、すっかりネトル信奉者になってしまった。

しかし、ハーバルセラピストの授業中にクラスの仲間とネトルを飲んだ際、味は賛否両論だった。

好き派
「抹茶みたい。牛乳と合いそう」
「緑茶とほとんど同じ印象で飲みやすい」

嫌い派
「まずい。癖のあるワカメスープみたい」
「なんか、苦い。草を飲んでるみたい」
「海藻くさい」

私はというと、他の西洋ハーブがシングルでは和食に合わせにくい中、
「ネトルは和食に合いそうだ!」と、おいしく頂けた。

しかし、欧米ではネトルは「苦くてまずい」という評価が一般的だそう。

もし、ネトルの味が苦手だと感じた人は、
「はちみつ」でまろやかにしたり、
「牛乳」で抹茶ミルクのようにしたり、
「レモングラス」や「ペパーミント」でブレンドしてスッキリした味に変化させたりして、
ぜひ楽しんでみてほしい。

 

他のハーブとのブレンドのご紹介もしたい。

<ネトル+デビルズクロウ>
「デビルズクロウ」は消炎や鎮痛の作用があるアフリカ原産のハーブ。
通称「悪魔の爪」と、なんだか怖そうな名前だが、
リウマチや関節炎など痛みを緩和したり血液をきれいにする目的で使われてきた。
ネトルとブレンドして、さらに血液浄化や、体質の改善を促す。

デビルズクロウ (和名「ライオンゴロシ」)

<ネトル+ダンディライオン>
「ダンディライオン」は肝臓に働きかけて、体内の老廃物を出すハーブ。
ネトルとブレンドして、花粉症とデトックスの両方を狙える。

ダンディライオン(和名「西洋タンポポ」)。根を使う

<ネトル+ローズヒップ>
ビタミンCの爆弾と呼ばれる「ローズヒップ」と合わせて、さらに鉄分の体内吸収を高めてくれるブレンド。
貧血と花粉症予防の両方を狙える。

ローズヒップ

植物は、人間の身体を穏やかに癒してくれる。

ネトルによる自然治癒力で、花粉症や貧血悩む方のつらい症状が少しでも緩和されますように……。

 

プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト
二橋彩乃
2つの出版社でデザイン、アート、生活実用など多ジャンルの編集経験を経て独立。独立後の仕事に『使える禅』(編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集/ぴあ)、雑誌「セラピスト」(取材・執筆/BAB)など。現在は主に占い系メディアで執筆中。植物の魅力を広めるべく、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト、メディカルハーブコーディネーターと3つの資格を取得して活動中(すべて日本メディカルハーブ協会認定)。

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