職種その他2017.05.10

ミッション2 人気の動物カフェの秘密を探れ!

ミッション2
電通第5CRプランニング局 クリエーティヴ・ディレクター/コピーライター 門田 陽

こんにちにゃん!
ヘンな冒頭でスミマセン。それにこれなら「にゃん」じゃなくて「わん」ですよね(苦笑)。クリエイティブ探検隊の隊長門田です。今回もよろしくお願いいたします。

世の中(日本)は空前のペットブームだそうです。昨年の段階で、日本全国でペットとして飼われている犬猫の数は合わせて約2000万頭(頭ではなく匹かな?)。犬と猫だけでこの数ですから、鳥だ魚だ虫だ蛇だと数えたらエラいことになるはずです。日本の世帯数はいま約5000万ですから、2軒に1軒くらいは何らかの動物を飼っています。そんな動物ラブな国民性なので動物カフェが流行るのは当然といえばそれまでですが、実は僕、動物カフェにはまるで無縁。それどころか人生早半世紀の間に一度もペットを飼ったことがありません。と、そういうわけでアニマルバージンを卒業する探検にいざ出発です。

猫カフェ
最初のお店をどこにするかはまるで迷いませんでした。一番敷居の低そうなところから。それはもう猫カフェですね。都内の駅前ではよくこんな人達を見かけます(※写真①)がふだんは素通りしてました。ただその服装のイメージで秋葉原に行けば何とかなるだろうと向かいすぐに見つけたMoCHAというお店に入ることにしたのです。まず驚いたのは行列です(※写真②)。4月頭の日曜の昼下がり、お花見真っ最中なので閑古鳥かなという予想は甘かったです。そこに並ぶ人達のテンションはあの巨大なネズミの国にも負けないほどです。入口で手を消毒してロッカーのキーも兼ねたリストバンドを付けてから入店です。カフェという名前からテーブルにつくものだと思っていたのですが、違いました。ほかで例えるのが難しい。何というか健全な秘密の花園。ドリンクバー方式はファミレスに近いけど気持ちの高揚感はキャバクラに近いかな。いやそれも違うか。料金システム(10分200円で後払い)はキャバクラっぽいです。店員は皆さん親切でマメに猫たちの毛をコロコロで取っていました。

猫たちはルナちゃん、マーブルちゃん、もみじちゃんに小次郎くん、銀杏くん、五右衛門くん等々沢山の種類があちこちでゴロニャンしています(※写真③)。しかし何よりも印象に残ったのは猫以上にキャラクターの強いお客さんたちの生態です。

※写真③

気のせいではなくキレイな女性が目立ちます。美人たちが猫たちにすっかり心を許しています。超接近して写真を撮ったり、話しかけたり、頭を撫でたり幸せな時間が流れています。リピーターも多いようで、名前を呼んで自分の好みの猫を探している人もいます。
場所柄でしょうか、外国人も多く彼らの大半は猫耳を付けて自らも猫の一員かのようです。初心者の僕はこの光景に圧倒され(※写真④)、緊張して何もできませんでした。店を出ると夕暮れの秋葉原の街が初体験でうまくいかず打ちひしがれた僕をやさしく包んでくれました(※写真⑤)。

小動物カフェ
猫カフェ初体験から1週間後、2軒目は池袋の小動物カフェにしました。テレビのニュースで今ハリネズミが大人気というのを見たからです(※写真⑥)。休日午後のひとときをハリネズミはもちろん、ウサギやチンチラやプレリードッグたちに癒されるのも悪くないと出かけました。そこはまたしても長蛇の列で猫カフェを凌ぐ勢い(※写真⑦)。

やや待ってから入店。ここは前払いの時間交替制でした。中に入ると所狭しとお客さんだらけ。その足元をフェネックが駆け抜け(※写真⑧)回し車ではネズミたちが走り続け、子どももいて、ちょっと落ち着かない空気でしたが勇気を出してハリネズミを触れさせてもらいました!すると人に慣れているせいなのか、先方には警戒心がなくその針はフワッと気持ちよかったのです。そして無意識に「かわいい!」と思ってしまい、お店の人にアレコレ質問をしたら動物たちの料金表を見せてくれました(※写真⑨)。これで少し気分が萎えて(水族館のレストランでシーフードサラダを食べる感覚)店をあとにしたのです。

爬虫類カフェ
ハリネズミに心奪われたせいか、すぐにもう一軒行きたくなって同じ日にハシゴしたのは吉祥寺の「はちゅカフェ」というその名の通りの爬虫類カフェです。このお店は一見ふつうのカフェ(※写真⑩)です。テーブルチャージ(500円)とワンドリンク(僕はコロナを頼みました)を注文すれば店内を自由に見て回れます。また見るだけでなく、一人一匹(お店の人はキャストと呼んでました)触れ合うこともできます。基本飲食店なので、手洗い消毒はきびしく店内は清潔。テキパキ感じのよい店員さんが、「もし噛まれた場合、応急処置はしますが、病院とクリーニングはご自身でお願いします」とか、「噛まれたらかなりの流血ですね」とかの、とてもわかりやすい説明が事前にありました。店員さんの腕に傷が多いのが気になりましたが「どのコにしますか?」と促されエイヤ!と指名したのがフトアゴヒゲトカゲのバニラちゃん(※写真⑪)。頑丈な背中とは対照的な柔らかくてフニャフニャのお腹の触り心地がたまりません!!僕の中の一体どこに爬虫類を受け入れる扉があったのでしょうか。メロメロになっちゃいました。人間は初体験から三度目くらいで開花するものなのかもしれません。

フクロウカフェ
もうここまでくれば、僕の日常目線は動物カフェまっしぐらです。家の近所や会社のそばでも動物カフェの看板がやたらと目に留まります。丁度、歯が痛いと歯医者の看板ばかりが気になるのと同じ現象です。仕事途中、ランチの帰り道に銀座で見つけたフクロウカフェに何のためらいもなくフラッと入れる新しい僕がいました。こじんまりとした店内に客は僕だけの貸切り状態。かわいい店員さんに勧められて手や肩にフクロウを乗せて写真を撮っていただき大満足。ただただフクロウをボーッと眺めているだけであっという間に1時間経っていました。あ~、気もちいい。

金魚カフェ
と、ここまでの原稿を今、本郷にある金魚カフェで書いています(※写真⑫)。ここはお店の中に金魚はいません。品の良い喫茶店です。ただ外には沢山の種類と量の金魚たちが泳いでいて、販売もされているようです(※写真⑬)。金魚も見続けると飽きないですね。一匹一匹動きが違って面白いのです。

さて、今回のミッション、正直最初は一部のマニアックなファンの間でのブームだろうと思っていましたが誤解でした。人気の秘密はカンタン明瞭。難しい理論や詳細なマーケティングデータなどは不要です。たった一言で済みます。「だって、かわいいんだもん!」 この気もちがすべての答えだとノートに書き留めたところで金魚カフェを出て、いい気分で丸の内線に乗り込みました。

〇おまけ
フクロウカフェにてアフリカオオコノハズクのグッチくんと2ショットの門田隊長(※写真⑭)

※写真⑭

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