針の振り切れたことば

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 43
コジマカツヒコ

いつだったか、あるベテランのコピーライターさんが

コラムにこんな話を載せていました。

 

美味しいものを食べたとき『死ぬほど美味い』って

言う人が増えたけど、美味しいことを表現するのに

なにも「生き死に」まで持ち出さなくても。

 

みたいな内容。

 

「すぐに針の振り切れたことばになっちゃうってどうなんだろ」

 

とも書かれていました。

 

まあ確かに。美味いもの食って死ぬってどんな体質なんだ。

 

気持ちはわかります。自分は子供の頃はそれが楽しかった。

横断歩道の白いところを踏み外したら死ぬとか、

次の電信柱まで息を止められなかったら死ぬとか、

1日10回くらい死んでいる日もザラにありました。

 

もう大人なのでそれほどは死なないですけど。

 

で、前出のコラムを読んだのはたしか10年以上前。

見回してみると増えましたよね。SNS、あとネットの見出し。

 

「死ぬほど美味い」はすっかり普通で、

「美人過ぎる市議会議員」

「超有名ラーメン店主の末路」

「この保温性、ありえないダウンジャケット」

 

なんか、、例を挙げるのが嫌になってきたのでやめます。

 

アクセス数欲しさなのは見る側ももう知っている。けれど文字で

お金をもらっている人は、ぼちぼち平熱のことばに戻ってきてほしいです。

「針の中間くらい」で“気を引くいい表現をするな”と感心したいから。

 

ところでトップの画像。なんだか美味しそうでしょう?

東京だけのお店です。私のイチオシ。出張でいらっしゃったらぜひ!

 

支那麺はしご』というお店で、写真は「ぱいこうだんだんめん」。

醤油ベースの辛めのつゆそばにカラッと揚げた豚のあばら肉が乗っていて

かすかに柚子が香ります。

小さな飯椀にごはんをもらって「龍馬たくあん」を合わせるともう、、

 

あーたまらん。 クソ?食いたいわ! (←これ本当にやめてほしいよね)

 

プロフィール
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コジマカツヒコ
「阿寒湖」って大阪にあれば良かったのに。

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