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ブレードランナー~2019年がやってきた!~

 あけましておめでとうございます。今年は何と2019年です...これはどういうことか...ブレードランナーの世界の到来です!人類の大半はまだ火星にあるオフワールドに移住してはいないものの何と感慨深いことでしょうか。本日はブレードランナーが描いた未来感について書いていきたいと思います。

 1982年公開のブレードランナーはその後のポップカルチャーの未来感に決定的な影響を与えました。30年以上経った現在でもブレードランナーを更新する未来感は現れていないと言っていいでしょう。では、ブレードランナーの未来感はなぜそこまで多大な影響を与えたのでしょうか?

 ブレードランナーは「朽ち果てた未来」を描きました。都市は完全に停滞し、地球にいる時点で負け組というディストピア世界。「朽ち果てた未来」を描いた映画はブレードランナー以前にもありました(ソイレント・グリーン、少年と犬etc)。しかし、それらの世界観は「未来」と言われると説得力に欠けるものであったきらいは否めません。ブレードランナーが描いた未来世界は、それまでの作品と違い「朽ち果てていながらどこからどうみても未来である」という説得力がありました。その説得力が、オープニングの1カット目から全開で発揮されている点が素晴らしいです。

 そして、ブレードランナーが後のポップカルチャーに大きな影響を与えた最大の要因は、その世界観が同時に進行していた、建築分野でのポストモダン運動と完全に合致したことです。「ポストモダン」の定義は、哲学、文学、社会学、法学、デザインなど分野ごとに微妙に違うのですが、建築分野に関しては「様々な建築様式の折衷」と言えます。近代建築は、シャープな様式美や、機能性を重視していました。そこから脱却し、様々な要素・様式が混ざり合った多様な姿の方が「楽しい」という思想がポストモダン建築の根底にはあります。

 監督のリドリー・スコットはブレードランナーの世界観を作り上げるにおいて「レトロフィットをした」と語っています。レトロフィットとは「リノベーション」に近い概念で、古くからある建物を、骨格はそのままに改装や改築をしたり、新たな要素を付け加えることです。だからブレードランナーの世界には、20年代のアールデコ調の建物に未来的なモニターがくっついていたりするわけです。ありとあらゆるものがどんどん付け足されていった結果、建物の壁は送電線や送風管で覆い尽くされている...路上には元々電力源であった発電機が何年にもわたって放置されている...そうしたレトロフィットによる「朽ち果てた未来世界」は、建築分野におけるポストモダン運動が指し示す姿と合致していたのです。

 まだまだ書きたいことは大量にあるのですが今週はここまで。来週は「なぜブレードランナーはカルト化したのか?」という事について書いていきたいと思います。ブレードランナー最高!

画像:Amazonより引用

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                                           クリステ編集部 渡邊正人

 

 

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