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ヘレディタリー/継承~ここ10年で最恐~

 先週の投稿で「アンダー・ザ・シルバーレイク」が今年ベストである!と高らかに宣言したものの、僅か1週間で前言を撤回せねばならない事態になってしまいました。なぜこんなことになってしまったのか...それは「ヘレディタリー/継承」というホラー映画が公開されてしまったからであります!この作品は「今年ベスト」どころか個人的には、ここ10年で一番怖い映画でした。観た直後は、本当に気持ちの整理がつかなくなってしまったと言いますか、正直取り乱しました。自分の家とか怖いです。

 なぜそんなに怖いのかガッツリ書きたいのはやまやまなのですが、本作は展開を知らないで観に行ったほうが100%怖くて面白いのでここでは書けないのです!とにかく今すぐに劇場に走って下さい!と言うほかないのですが、それはそれであんまりなので、今回はネタバレを巧みに回避しつつ「ヘレディタリー/継承」の何が怖いのか?書いていきたいと思います!

①”音”が怖い!

 ホラー映画で音が怖いというと、突然でっかい音がバンッ!って鳴ってビックリする!みたいなのを想像すると思うんですが、この作品、そうじゃないんです。おく~の方で小さく鳴っている重低音のようなものが怖いんです。ひたすらに神経を削り取られるような感覚に襲われます。しかも、その音は我々が普段聞いている生活音の延長だったりするので余計に怖い!この音は多分、家のテレビとかで観ても聴き取れなかったり、かき消されてしまったりする類の音なので、鑑賞する際は絶対に劇場をお勧めします。

②独特の”間”が怖い!

 この映画は、非常に間が長いです。それこそホラー映画の間と言いますと、次にビックリするようなことが起きる「前振り」として機能していることが多いのですが、そういうことでもないんですね、この映画は。もう「間」そのものがキッチリ怖いのです。前述した「音」も相まって、極度の緊張状態と不安感にかられること間違いなしです。

③もちろんストーリーが怖い!

 正直言って序盤はどこに向かっていく作品かよく分かりません。そして中盤以降、「ああ、こういう話ね」と思っているとそれが全部ひっくり返されていきます。前情報を入れてほしくないというのはそういう事です。この展開自体も非常に見事で、「そういう話か!ん?違うの?あ!そっち!?あれ?違う...ああ!そういうことか!」と確信に迫ったときには既に「手遅れ」というあまりに恐ろしい結末が待っています。また、作品全編を通して不快なことばっかり起きます。思い出しただけでも不快極まりないです!ヒントとしては、「家庭」における最低最悪な出来事が続々と起こります。

 最近のホラー映画の潮流として、「ジャンプスケアのワンアイデアもの」が多いように思われます。「ジャンプスケア」とは、突然の大きな音や、急激な映像の変化で怖がらせる手法です。ビックリ箱のようなものだと思って頂いていいでしょう。そこにプラス面白い設定一つで90分持たせようというホラー映画が昨今のトレンドになっています。しかし、本作はその潮流の真逆を行く作品だと言えるでしょう。作品全体としては、クラシカルで王道な印象を受けます。しかし、同時に今まで誰も見たことのない「新しさ」や「意外性」、「アイデア」が大量に投入されています。特にオープニングに関しては、「なんだこれは…」という驚きの始まり方をします。しかし、映画が終わったときにそのオープニングが示していた意味の禍々しさに心底ぞっとしました...その他の、違和感を感じるような演出にもすべて意味があります。そういう意味では、周到かつ緻密に計算されつくされた、フェアな作品とも言えるでしょう。

 そして、なんとメガホンを取ったアリ・アスター監督は本作が長編デビュー作!どういう人生を送ってきたらこんな怖い映画が撮れるのでしょうか…とにかく「ここ10年で最恐」であることは全く大げさではありません!是非ご覧ください!めちゃくちゃ怖いですよ!

画像:公式Twitterから引用

   https://twitter.com/hereditaryjp/media

  公式サイト

   http://hereditary-movie.jp/

                                               クリステ編集部 渡邊正人

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