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アンダー・ザ・シルバー・レイク~今年ベスト!~

 本日は、2018年個人的ベスト映画をご紹介いたします。今年はまだ1カ月ありますが、もう決まりました。その名も「アンダー・ザ・シルバーレイク」という作品でございます。

 あらすじとしては、ハリウッドに住む青年サム(アンドリュー・ガーフィールド)が、デートするはずだった近所の美少女が失踪したことで、独自の捜索を始めるのだが徐々に、ハリウッドに潜む闇に触れることになる...というお話です。

 タイトルになっている「シルバーレイク」とはロサンゼルス東北部に位置する貯水池、及び近郊の住宅街の名前です。かつては、ハリウッドに近く、かつ家賃も安かったので、成功を追いかける夢追い人がこぞって集まり、暮らしていた街であります。しかし、ここ10数年で、おしゃれな街として人気が出始めたために、家賃は高騰。夢追い人たちは、徐々に住めなくなっていると言われています。

 サムもハリウッドでの成功を夢見る若者なのですが、おそらくは夢破れ、劇中ではほとんど無職状態。家賃の支払いもままならず、強制退去寸前です。にも関わらず、彼がしていることと言えば、ベランダで寝っ転がりながら昼間から酒を飲み、アパートの向かいの部屋や中庭のプールをぼんやり眺めていたり、映画を流し見してみたり、女優志望の女の子を部屋に呼んでイチャついたりと極めて怠惰な生活を送っています。

 そんな折に出会った、近所の美少女サラ。何となくデートの約束を取り付けるも、翌日になっていきなり失踪!時を同じくして、ハリウッドで起こる、大富豪の失踪事件、真夜中の犬殺しの噂。これらの出来事に関連性を感じたサムは調査を開始するが…

 ケネス・アンガーという映画監督が1965年に出版した「ハリウッド・バビロン」という本があります。20~50年代ハリウッドの三文ゴシップの寄せ集めであり、スキャンダルで辿るハリウッドの闇の歴史の数々が記された本です。この「ハリウッド・バビロン」的な「ハリウッドの闇」が陰謀論としてポップカルチャーの中に仕組まれている!というのが本作の非常に重要な点です。サムは元々、陰謀論者的な部分があり、この事件をきっかけにより一層陰謀論にのめりこんでいくのです。陰謀論というのは、基本的にはないです。所詮は、「世界を理解したい」という欲望に、無駄な勉強なしで、手っ取り早い答えを与え、「分かった気にさせてくれる」程度のものでしかありません。サムは、仕事もなく、あと数日で家からも追い出されてしまうのに、陰謀論に現を抜かしているのです。

 そして、この映画自体も様々な映画のオマージュの連打で成り立っており、特にヒッチコック作品の色が非常に強いと言えます。中でも、「裏窓」「めまい」あたりの影響が強く、劇伴もヒッチコック映画そっくりです。また、サムが至る所でハリウッドの奇人・変人に会うという地獄巡り感は、ロバート・アルトマンの「ロング・グッドバイ」におけるフィリップ・マーロウを彷彿とさせます。しかし、映画の中に張り巡らされた暗喩がそれぞれ明確には結びついてないという、この「空虚さ」こそが本作最大の魅力だと思います。だから、サムが「こんな暗号が隠されていて、全部繋がっていたんだ!」と言っても、観てる我々からすると「ううん...そうかな...?」といった感じなのですが、それはそれで何となく事の核心には迫っていくというのも面白いところです。

 とにかく、先がどうなるか分からない迷宮を主人公とブラブラふらつく作品であり、揺蕩うような気持ちよさが堪りません。中毒性がとっても高い映画なのでハマる人は大変だと思います。ちなみに私は一週間で三回観ました。今年ベスト決定です!是非ご覧になってみてください!

画像:アマゾンより引用

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                                               クリステ編集部 渡邊正人

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