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ダークナイト・リターンズ~アメコミルネッサンスの始まり~

 振り返ってみましたら過去三回の投稿は映画の紹介しかしていなかったので、ここらへんでアメコミについてご紹介していこうかなと思います。今回紹介しますのは「ダークナイト・リターンズ」(1986)というバットマンが主役のコミックです。

 皆様の記憶にまだ新しいかと思われる「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」(2016)の原作と言ってほぼ間違いない作品です。作中にも「ダークナイト・リターンズ」のコマをまんま真似たような箇所が連発しています。(ちなみに「ジャスティスの誕生」のザックスナイダーという監督は原作コミックのカッコいい画をそのまま映像に置き換えたい!ということに命を懸けていると言ってもいい人物です)しかし大まかな設定はかなり違っています。

 本作はバットマンがヒーローを引退してから10年後のゴッサムシティが舞台です。バットマンことブルース・ウェインはなんと55歳!ゴッサムシティ市警本部長ジム・ゴードンは70歳、執事のアルフレッドに至っては95歳になっています。ブルースはゴードンと酒を酌み交わしながらヒーロー時代の思い出に浸る隠居生活を送っているのですが、内なる獣性を抑えきることが出来ません。そんなある日、アーカム(ゴッサムにある犯罪者を収容するための精神病院です)からかつての強敵、トゥーフェイスことハ―ベイ・デントが釈放されるとのニュースを聞き、ブルースはヒーローとして復帰することを決意する…というのが大まかなあらすじです。アンチエイジング魂で復活してみたはいいものの、バットマンは根本的に「大金持ちのただのおじさん」なうえに、「55歳、10年ぶりの復帰」ということで体力はすっかり衰え、終始「息がもたない…腰が痛い…明日は上腕二頭筋が筋肉痛で千切れるかもしれない…」とか言ってるうちに、危うく返り討ちに遭いそうになるという何とも言えない体たらくに時の流れの残酷さを感じずにはいられません。そうこうしているうちに、ジョーカーまでもアーカムを脱走したり、スーパーマンと喧嘩をするハメになったりととにかくバットマンが散々な目に遭い続けるハードボイルドな作品になっています。

 本作が発表された1986年という年はアメコミの歴史的には「アメコミルネッサンスが始まった年」とされており、大変重要な位置づけとなっています。アメコミルネッサンスは本作と本作の直後に発表された「ウォッチメン」(こちらも大変に面白い作品ですのでいずれご紹介したいと思います)により幕を開けました。アメコミルネッサンス最大の意義は「それまで子供向けのものであったアメコミが大人の鑑賞に堪えうるものになった」ということに尽きます。「ダークナイト・リターンズ」も「ウォッチメン」も当時の世相や社会問題を大胆に取り込んだハードな内容の作品であり、「ヒーローそのものを相対化する視点」が取り入れられているという点で非常に革新的であると同時に「大人な作品」であります。本作では、復活したバットマンの自警活動の賛否が真っ二つに割れるという状況を話の本筋と並行して描くことで彼自身を相対化していきます。

 ちなみになぜバットマンが「ダークナイト」と称されるのか?ということについても「なるほど!」と納得すること必至の場面が出てきたりもします。何はともあれ大変面白いことは間違いがないので猛烈におススメでございます!

画像:Amazonから

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映画「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」公式サイト

http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/

                                         クリステ編集部 渡邊正人

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