「おしゃれ」な福祉

もうすぐオリンピック・パラリンピックが開催されます。
パラリンピックでは、義足をつけた選手や車いすに乗って競技をする選手がいます。そういった、障がいを持つ方々や高齢の方々が使用する「福祉機器」、どうしても「ダサい」というイメージがちらつくと思いますが、最近は「おしゃれ」で「かっこいい」デザインの福祉機器が増えてきているようです。
こちらは「WHILL(ウィル)株式会社」が販売する電動車椅子「WHILL Model C」です。一般的な車椅子よりも丸みを帯びたデザインで、タイヤも小さく背もたれも低いつくりになっています。いかにも車椅子、という印象がなく、近未来的なデザインです。アーム部分はホワイト、ピンク、ゴールド、ブルー、ブラック、グレーの6色からカスタマイズすることができます。
また、デザイン性が優れている代表的な福祉機器と言えば、義足や義手があります。
おしゃれな義手・義足カバーを作っている、カナダの「ALLELES Design Studio」による製品です。多くの柄があり、色の展開も多いブランドです。洋服とカバーの色味を合わせたり、と義手・義足の人もおしゃれが楽しめそうですね。
その他にも、東京大学の山中俊治氏教授が開発している義足も魅力的です。
シルバー一色の機械的なデザインがSF映画のようで素敵です。こちらは義足カバーではなく、義足そのものになります。「義足そのものを美しく」見せよう、というアプローチで作ったそうです。
高齢の方や障がいを持つ方の中には、周囲の目を気にしてしまい、自分に自信がない人もいます。しかしこういった「かっこいい」デザインは、使う人に自信を与えてくれるはずです。
また、周囲の人にとっても影響があるかもしれません。高齢者や障がい者の方々への理解は進みつつありますが、ネガティブなイメージは根強く残っています。今回紹介したようなデザイン性に優れた福祉機器には、素直に「かっこいい」「かわいい」と思えるもの、「自分も使ってみたい」と思えるようなものもあると思います。デザイン性の向上は、社会的弱者と言われている人たちへのネガティブなイメージを払拭することにつながるのではないでしょうか。
クリステ編集部 西村英子