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地元、北海道企業のパートナーとして、地域の魅力を一緒に発信し続けるマーケティングプランナー

札幌
パターンプランニング / マーケティングプランナー 赤坂 若菜 氏
Profile
札幌市出身。自動車部品メーカー、地元出版社での営業を経てマーケティングプランナーとして独立。2014年からはNPO法人北海道アグリキャラバンの活動も始め、食材をはじめとした北海道の魅力を発信する活動にも精力的に取り組んでいる。
食材や土地など豊かな自然の恵みがあふれる北海道で、北海道企業のパートナーとしてその魅力を一緒に発信し続けているマーケティングプランナーの赤坂若菜さん。地元の人が自ら北海道の魅力を発見し、高めていけるような企画や、個人事業主という小さな組織だからこそできる企業やコミュニティを超えた取り組みについてお話を伺いました。

「始めの一歩」を踏み出すための設計図を描く

赤坂さんはどのようなお仕事をされているのですか?

企業の商品開発や販促企画の部分をマーケティングプランナーとして請け負っています。 企業の中で「新しい商品を売りたい」「新しいプロジェクトをはじめたい」という時に、何から始めていいのかわからない、社内にできる人がいない、誰に頼めばいいのかわからないといった理由で最初の一歩が踏み出せないという話をよく耳にします。
でも手段手法の道筋さえ付けられればできることは意外に多い。私はその一歩を踏み出すための企画設計をする役割を担っています。

イベントプロデュースをされているのをよくお見掛けしますが、広告代理店やイベントプロダクション的なイメージですか?

少し違います。もっと身軽な状態で私自身が企業の中に入り込んで、社員の方と一緒に仕事を進めています。複数の企業の社員を掛け持ちしているようなイメージにも近いです。広告代理店だと、外部に頼んで外部の人が企画したことをやると言った形に近くなってしまい、どうしてもスポットになりがちです。広報や販促活動は本来、企業が力をつけて自社で動かしていけるようになることが理想的だと思うので、私はパートナーとして継続的に仕事を受けて会社のビジョンや計画に則って企画設計を行い、社内に専門の人がいなくても販促企画を実行していける仕組みづくりをすることが多いです。守秘義務がある業務が多いので周りから見ると告知可能なイベントばかり目につくかもしれませんが、イベントは業務の中の一部です。企業のやるべきことの優先順位を整理していく中にイベントや制作物、Webがあり、計画を立てながらディレクションしています。

イベントには広告効果を狙う部分も、もちろんありますが、実施に向けて皆でミーティングをしたり、リーダーを立てて役割分担をしたりと、会社としてやらなくてはいけないことが凝縮されています。イベントを行う過程で、達成感を得ながら弱いところをてこ入れし、スピード感を上げて会社を成長させていくことができます。実際、お尻が決まっているイベントに対してどういった企画設計をしていくか……という業務は多いです。特に北海道の夏は野外のイベントが集中する時期ですから。でも決してイベント屋さんではないんですよ。

クライアントの夢や希望、志を叶えたい。そのために仕事の幅を広げたくて独立。

これまでのキャリアと独立の経緯について教えてください。

学校卒業後は自動車部品メーカーの営業で、ワイパーやプラグを売っていました。その後は出版社に転職して情報誌の広告営業に。でも現在も含めて業種や職種が変わっても、自分の考え方は変わっていない気がします。
こちらの商品をどう売るかというよりも、相手が何をして欲しいのかが重要だと思っていて、この人の助けになるためには私は何ができるだろう?どうしたらクライアントの求めていることを形にできるだろう?と常に考えながらやってきました。
前職の広告営業では企業やお店の販促に関わることが多く、広告の営業をしながらも「広告だけじゃ難しそう。むしろ広告より先にやるべき事があるのでは。」と感じる事も多くありました。限られたお金と人材をどう動かすかをもっと緻密に計算しないと生き残っていけない。そのお手伝いができないかな?と思ったのです。

何か独立のきっかけになる出来事があったのですか?

きっかけって特にないんです。独立したいと考えたこともなかったですし。
でもクライアントのために自分ができる事の幅をもっともっと増やしたいと思ってはいました。クライアントの想いや志をできる限り叶えてあげたくて、でも営業として数字も作らなくちゃいけなくて。会社員としての目標を達成したいという思いと、クライアントが永続的に必要であることを柔軟に提案したいという気持ちから、もう両立は難しいなというところまで来て、自然と独立という形になりました。

イベントは手段の一つ。一過性の“楽しい”“すごい”では終わらない、その先を見据えた企画を提案

具体的にはどんな仕事を手掛けていますか?

特に今の季節だとイベント系は多いです。先日は十勝の観光庭園「十勝ヒルズ」さんで「ガーデンピクニック※1」というイベントを行いました。ガーデンは、お客様の年齢層が高い傾向にあるのですが、もっと若い人たちにもガーデンに足を運んでもらいたくて、“公園に行くよりもちょっと上質で、キャンプよりもハードルが低い”というガーデンの楽しみ方を提案しようと3年前から取り組んでいる企画です。ガーデンでピクニックを楽しむという価値を北海道の新しい文化として定着したらいいですね。ガーデンピクニックは実際に若いカップルやファミリー層がガーデンに足を運ぶきっかけになり、20~40歳代の札幌圏からの観光客がぐっと増えました。

※十勝ヒルズ ガーデンピクニック2017:http://www.tokachi-hills.jp/garden-picnic-2017/

北海道の夏はイベントには本当に気持ちのいい季節ですものね。

これから実施予定のものでは、小樽市の天狗山で期間限定の「ノスタルジック夜景カフェ※2」などもあります。ロープウェイで上がった天狗山の山頂は美しい夜景が見られる観光施設なのですが、あまり認知度が高くありません。近郊の人でも見に行った事がないという人が多いそうです。もっと天狗山の夜景の魅力を知ってもらおうと、夜景と小樽のスイーツやコーヒーを楽しめる1週間限定の夜景カフェを実施しました。
この企画には小樽市の魅力もつめ込んで、小樽の観光資源の再発見にもつなげていきたいという想いもあります。観光資源を磨きながら、自分たちには当たり前になっていた環境や良さを見直して、次は何ができるのかを考えていくきっかけにできたらいいなと思っています。

※2 ノスタルジック夜景カフェ 2017年8月21日(月)~26日(土) 小樽天狗山ロープウェイ http://tenguyama.ckk.chuo-bus.co.jp/

関わっている業種は様々なのですね。

現在、お受けしている案件は、食品や飲料メーカー、観光施設、飲食店、美容室、スキンケアメーカー、老人ホームなど業種はバラバラです。食べることが好きなので食に関わる業種も多いですが、あえて業種を絞っていないことで広い視野で捉える事ができていると思っています。

北海道食材の背景にあるストーリーを伝えていくことで、食に関わる仕事をもっと盛り上げたい

農業系の活動もされているとお聞きしました。

最初は飲食店のシェフやスタッフと一緒に生産者さんや畑を周って勉強をするという活動だったのですが、今後も北海道の食を磨き続けていくためには生産者に新しいステージを作っていかなくてはいけないという事で、2015、2016年には「北海道ウィンターグルメフェスタ」というイベントを星野リゾートトマムで行いました。
北海道の素晴らしい食材を生産している生産者さんたちにトマムまで食材を持って来てもらい、自分たちの食材の価値を直接伝えてもらう。札幌と十勝とトマムの料理人がトマムに集合して、その食材を使ってブッフェ料理をその場で調理して一般のお客さんに食べてもらうという企画です。
その食材の背景にあるストーリーと生産者の想い、そして料理人の想い。生産者から料理人を通じて消費者につながる一連のストーリーを一つの現場で直に体験してもらいたかったのです。イベント自体は一過性のものですが、消費者には北海道食材の背景にあるストーリーを伝えていき、こういった体験を通して生産者や料理人はモチベーションの向上につながっていったらいいなと思うんです。

この様な学びの要素がある仕事は自分自身にとっても大きな財産になると実感しています。食に対する深く正しい知識を学んだことで、食に関わる仕事についての質も意識も大きく向上しましたし、食の仕事も沢山声をかけていただけるようになりました。

同じ志を持つ仲間と一緒に北海道の魅力を発信していく

仕事をする上で心がけていることはありますか?

クライアントと、その先にいるお客様が感動できるものを作っていきたいと常に思っています。頼まれた事に対して100%の成果を出すのは当たり前で、クライアントが想像していなかったものやこれまでになかったものを作っていきたいです。
長い目で見るとやった方が良いのだろうけど、手間がかかるから取り組めていない事はいっぱいあると思うんです。そういった事に柔軟に取り組むことができるのが、信頼するクリエイティブチームのメンバーと案件ごとにユニットを組んで仕事をする形の最大のメリットです。感動があるからこそクライアントも「もっと先へ!」と夢を見られますし、感動によって企業が常に輝いていないと、これだけ情報にあふれた世の中でその企業を見つけてもらえません。だから面倒なことでもあえて取り組んで、感動レベルを上げて行かないといけないと思っています。

今後はどのような取り組みを考えていますか?

食の活動では、今年の10月に自主企画として「北海道のごはん展」というごはんのイベントを行おうと準備中です。お米を作っている複数の生産者さんに全道から集まってもらい、お米を介して納豆や卵といったご飯のお供、味噌汁、お茶などを全部繋げていこうという企画です。
うちは飲食店や商品を持っているわけでもないので、「それはあなたになんの利益があるの?」とよく言われますが、普段の業務だけではない学びの場、表現の場は不必要に見えて知識や経験の循環としてとても必要なものだと感じています。節目節目で自分の今の実力を表現して、それを見てもらった上でこちらのやりたいことを間接的に伝えていく活動はこれからも何らかの形で続けていきたいです。

私は生まれも育ちも札幌で、北海道の自然はわりと見慣れているタイプでしたし、元々は食にもそこまで興味はありませんでした。大人になってから仕事を通じて良いものに出会い、北海道の魅力を気づかせてもらえる機会が多かったので、自分が感じた感動を今度は私が仕事を通じて一般消費者に伝えていきたいと思っています。私一人でできることは限られますが、人や企業とのつながりを大切に、同じ志を持つ人たちと協力しながら北海道の魅力を発信していく活動に取り組んでいきたいと思っています。

取材日:2017年8月9日 ライター:小山佐知子

赤坂若菜(あかさか わかな)

札幌市出身。自動車部品メーカー、地元出版社での営業を経て2013年にマーケティングプランナーとして独立。北海道企業のパートナー的な立ち位置で販促・PR活動の企画・制作を請け負う。2014年からはNPO法人北海道アグリキャラバンの活動も始め、食材をはじめとした北海道の魅力を発信する活動に精力的に取り組んでいる。

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