MENU

いわゆる下請けの仕事も 最先端の技術に接するには絶好の機会

東京
株式会社さるちん 代表取締役 伊勢田誠治氏

imgae

CGアニメ「サルチン」って知ってる?動物だけが暮らす島、アニマランドを舞台に、主人公のサルチンが呑気に暮らす日々を描いた作品。その「サルチン」で2005年東京コンテンツマーケットの動画部門賞を受賞したのが、同じ名前を社名にしている株式会社さるちん(当時は、有限会社)です。代表取締役の伊勢田さんは、その「サルチン」の生みの親。そして、もとは大手電機メーカーのプログラマーというユニークな経歴を持った方です。独特のCGクリエイター感と経営方針などを、とても誠実な語り口でお話してくださいました。

 

世の中に広く届くのは、エンターテインメント。フィールドをそこに絞り込み、商業コンテンツとオリジナルコンテンツの2本の柱を育てていく。

CGアニメ「サルチン」のイメージが強いので、オリジナルコンテンツをメインに手がけていると思ってしまいがちなのですが、御社は商業コンテンツの案件も多いのですね。

オリジナルコンテンツと商業コンテンツを2本の柱と考えています。どちらに偏っても、面白くない。私がそう考えているので、この方針は今後も変わることはないと思います。

image2image3

その2つの柱を堅持することの意味と、意義は?

商業コンテンツは、いわゆる下請けになることが多く、そういう意味でのイメージが良くないのはわかります。が、最先端の技術に接するには、絶好の機会でもあるのです。そこで、常に最先端の研鑚をしつつ、そのフィードバックを活かしながらオリジナルコンテンツを手がけることができる。2つの柱を持つ意義はそこにあると思います。

柱が2つあることで、制作方針にブレが生まれたりはしませんか?

それは、ありません。私たちが手がけるものは、エンターテインメント。その、フィールドの絞り込みは明確になっていますから。私は、世の中に広く届くものはエンターテインメントだと信じています。

参加している全員にとって、CGデザイナーとして作りたい作品、 面白いと思える作品を作れる会社にしていきたい。

伊勢田さんは、電機メーカーのプログラマーという異色の経歴をお持ちですね。

1971年、愛媛県生まれ。地元の工業高校を卒業し、電機メーカーに就職しました。学校ではプログラムを勉強していたので、配属はコンピュータ開発かと思っていたら、いきなり、当時注目され始めていたインターネットの部署に配属されました(笑)。同時にCGの技術も動き始めた頃で、そちらは個人的に、自宅でコツコツやっていました。

趣味が高じて、CGを本格的にやるようになったわけですね。それで、8年間務めた会社を退職し、独立した。

本当は、転職を考えていました。事実、家庭用ゲーム機プラットフォームを持つメーカーさんの最終面接まで行っていたのですが、友人のゲームクリエイターから「大きな企画が通ったので、手伝って」と誘われ、それに応じたことで、転職ではなくフリーのCGクリエイターの道を進むことになったのです。

有限会社さるちんを設立したのが2003年。2006年には株式会社デジタルフロンティアの出資を受けて、株式会社になりました。

8年間のサラリーマン生活を経験したせいか、私には、他のCGクリエイターたちとは少し違う感覚があるようです。フリーで活動しながらも、もう少し安定した活動方法はないかとか、ひとりでは手に余る仕事を誰かと組んでやるなら会社組織がいいのではないかとか、いろいろ考え、実行した結果が会社の設立です。デジタルフロンティアさんからの出資のお話は、会社経営者として、資金繰りや組織運営にブレイクスルーを求めていた矢先だったので、とても幸運な出来事だと思っています。

株式会社さるちんを、どんな制作会社にしていくおつもりですか?

参加している全員にとって、CGデザイナーとして作りたい作品、面白いと思える作品を作れる会社にしていきたいですね。今は、そのために実力を蓄積している時期だと考えています。

ちゃんとした絵の描ける人は、いつの時代もちゃんと 評価されるのだと考えています。

独学で、創世記からCGを学んだ伊勢田さんの目に、現状のCG技術の進展はどう映っていますか?

まず、パソコンの進化の速度が凄いですね。私が始めた頃に、10の手順を踏んで行っていた作業が、今ではアプリケーションのボタンひとつになっている。この進化は、今後も止まることはないでしょう。ただ、技術がどれほど進んでも、CGデザイナーに求められることの根っこは変わりません。ちゃんとした絵の描ける人は、いつの時代もちゃんと評価されるのだと考えています。

CGアニメ「サルチン」からは、強い作家性を感じます。今後は、そこも伸ばしていくことになりますよね。

image4

そうですね。そうありたいです。ただ、「サルチン」はあくまで私の個人的な作品です。正直、コンテンツとしても、まだ大きな収益があがっているわけではない。会社として制作の実力をもっとつけ、「サルチン」を育てつつ、「サルチン」を越えるようなオリジナル作りもしていきたいですね。現状、ひとつだけ、あきらかに「サルチン」のおかげということがあります。それは、社員募集への効果。当社を選んで応募してくれる方の多くが、「『サルチン』のクオリティに興味を持った」と言ってくれるのが嬉しいですね。

社員は常時募集しているのですか?

はい。HPの募集要項をご覧になって、応募していただければ私が面接します。

伊勢田さんの考える採用基準は?

大切なのは、「前向きなこと」です。経験より姿勢を重視しています。当社の新入社員は、未経験者が多いですよ。私は、技術があっても制作現場の雰囲気を壊してしまう人より、チームの雰囲気を盛り上げながら技術やノウハウを吸収できるような人に可能性を感じます。

取材日:2007年1月11日

株式会社さるちん

  • 代表取締役:伊勢田誠治
  • 業務内容:
    • オリジナルキャラクターの企画・研究・開発・販売
    • 各種映像関連のCG製作
    • 広告・書籍などのCGイラスト製作
    • Flash・Web3Dも含めたWebページ製作
    • 書籍および雑誌記事の企画・執筆
  • 設立:2003年5月(2006年6月に株式会社に)
  • 資本金:1000万円
  • 所在地:<東京>〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-26-15 アルコーブKビル3階
  • TEL:03-3467-5505
  • FAX:03-3467-5642
  • E-mail:info@saruchin.co.jp
  • URL:http://www.saruchin.co.jp/
続きを読む