WEB・モバイル2007.06.20

「それはハッピーかい」と問いかけて 検証することを忘れたくない

東京
株式会社Newhands 代表取締役社長 木原誠太郎氏
 
Newhands(ニューハンズ)――新興勢力という意味を込めて名づけられた社名。株式会社Newhandsは、若干28歳の木原誠太郎さんが大学在学中に作った起業家集団を母体としています。大学卒業後、株式会社電通リサーチに入社し、マーケティングビジネスの経験を積んだ後、同社を退社。2007年1月1日から株式会社Newhandsを本格始動しました。クリエイティブ事業、マーケティング事業、画楽事業を3本柱に、ゆるやかなつながりを持った多くのクリエイターたちと先鋭的なコンテンツ創造活動を展開。中でも、もっともユニークなのが画楽(がらく)事業。「映像がらくた。画楽。」と、かなり尖ったキャッチのもと、これまでになかった映像ビジネスの可能性を提示しています。

「クリエイティブを売る」に力を発揮する会社だと 思ってください。

社名が「Newhands――新興勢力」。キャラクターが鮮明な会社だと思います。

「新米だけどよろしくね」という気持ちを込めました(笑)。新しいことを作っていく、常にフレッシュな気持ちでいたいという私たちの姿勢を表してもいます。もうひとつ、企業理念と言っては大袈裟ですが、大切にしているのが「Happy Creative」です。企画書を書くにも、プレゼンテーションするにも、映像作品をマネジメントするにも、常に「それはハッピーかい」と問いかけて検証することを忘れたくないですね。

Newhandsという名前とコンセプトは、大学在学中にできあがっていた?

そうです。2000年には企業化集団「Newhands」が立ち上がっていました。その後マーケティング専門会社に入社し、私自身のドメイン――マーケティング、ビジネスプランニング、ビジネスコンサルティングの足場を築きました。そこを基盤に制作ビジネス、映像ビジネスに参入していったというプロセスになりますね。

Newhandsは制作会社ですか?

制作に携わりますが、「作る」そのものよりもクリエイティブのブランディング、マネジメント、ディレクションに軸足があります。「クリエイティブを売る」に力を発揮する会社だと思っていただければいいと思う。 現代社会を見渡すと、人それぞれにクリエイティビティはあるけど、それを表現できるのは一部の人。つまり、クリエイティブの市場そのものにまだまだ秘められた可能性があるのです。その市場を広げていこうと考えています。

画楽には、ふとしたときに撮った映像から劇場公開映画までが 含まれます。

画楽事業構想図

画楽事業構想図

画楽事業の「画楽」とは?

コンセプトは、「映像のがらくた」です。ふとした時に撮った映像から劇場公開用映画までが、画楽に含まれます。言い方を変えると、映像作品を作って公開するハードルを低くして、これまでになかったビジネスに仕立てようということ。コンテンツ流通の企画です。 今、コンテンツ流通のチャネルは2つある。ひとつは、映画館。そしてもうひとつはネット。その間が足りないと感じるし、そこにビジネスチャンスがあると思うのです。

ハードルの下がったコンテンツ流通が実現すると、何がどうなる?

たとえば今、映画には賭け事のような側面がありますね。費用をかければかけるほど返ってくるはずだという考え方。でも、映像作品には、広告のワンコピーが感動を生み出すような可能性だってある。なぜそこにもっと多くの人が注目しないのか。もちろん理由は明快です。そういう作品の価値に対価を払える仕組みがないからです。画楽は、それを作っていこうという事業なのです。

具体的には、どうやってその仕組みを作るのですか?

画楽C&Cモデルがそれにあたります。C&Cはクリエイターtoコンシューマの意味。クリエイターがコンシューマとなり、コンシューマがクリエイターとなる仕組みを作っていこうと考えています。

画楽館は、その仕組みのひとつ?

クリエイターも一般の人も、作ったものをデータベースにアップして、見る側はその中から選んで楽しんで、料金を支払う。見る側は何万人である必要はありません。何十人、何百人でいい。結局、売れるものは売れる。そうなるはずです。そういう市場を作っていきたい。

関わった人全員の、ひいては社会のHappyにつながっていく。 そんな連鎖反応を目指しています。

雑誌CLASSY.に掲載された住宅ブランドのシリーズ広告

雑誌CLASSY.に掲載された住宅ブランドのシリーズ広告

画楽事業は、将来構想ですね。現状、Newhandsの基幹事業はクリエイティブ事業とマーケティング事業ですか?

主に広告の分野で売り上げを伸ばしています。全事業に一貫している「Happy Creative――世界中の人をクリエイティブで幸せにする」を軸に、CMC(クリエイティブをマーケティングし、クリエイトする)、MCC(マーケティングをクリエイティブと捉えてクリエイトする)を展開しています。

最新の仕事は、東新住建株式会社の一連の広告ですね。

同社が首都圏事業に進出するにあたっての事業戦略、企業ブランディング、商品ブランディングを広告クリエイティブも含めてトータルに手がけました。2007年3月31日には、同社プロモーションの一環として画楽のβ版とも言えるイベント「Moving! DUP」も実施しています。

 
雑誌Penに掲載された住宅ブランドのシリーズ広告

雑誌Penに掲載された住宅ブランドのシリーズ広告

「Moving! DUP」とは、どんなイベント?

「用賀地区でのくらし」をテーマに、若手クリエイターたちの映像作品6作品を上映。60名を超える観客を集め、非公式ながらアンケートをとって、どの作品にどんな評価が集まったかも集計しました。デジタルハリウッドから講師を招き、寸評、論評をいただいて、映像イベントとしての厚みも持たせることができました。

かなり低予算で仕上がったようですね。

そうですね。「発表の場が持てるなら、お金は関係ない」というクリエイターと、「他では見られないユニークな作品が見たい」という観客が、本当に幸福な出会いをしたのだと思います。

 

株式会社Newhands 木原誠太郎氏

今後の見通しは?

Newhandsは、やりたいことがあったら責任を持ってやりなさいという会社に育てたい。画楽をはじめ、誰も考えつかないようなことを真剣に形にしていき、事業に育てていきたい。そしてそれが、関わってくれた人全員のHappyにつながっていき、ひいては社会に広がっていく。そんな連鎖反応を目指してがんばっていきたいと思います。

取材日:2007年6月21日

株式会社Newhands

  • 代表取締役社長:木原誠太郎
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:
    • クリエイティブ事業
    • マーケティング事業
    • 画楽事業
  • 設立:2000年6月
  • 所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-8-10 セイコー虎ノ門ビル5F
  • TEL:03-3502-8885
  • FAX:03-3502-8886
  • E-mail:info@newhands.co.jp
  • URL:http://www.newhands.co.jp/
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