職種その他2009.04.20

ダイレクトマーケティングにおいて 感性や感情は重要なファクター

東京
ドルチェ・マーケティング株式会社 代表取締役 佐藤靖子氏
 
“感動体験ダイレクトマーケティング”の、ドルチェ・マーケティング株式会社(以下、ドルチェ・マーケティング)。コーポレートサイトにおける「ミッション」の項目には、「世の中の優れたモノやサービスをコミュニケーションの力により、それを必要とする顧客とつなぐことを使命とします」、「ビジネスシーンにおける上質なコミュニケーションづくりを通して、世の中の全てのコミュニケーションを上質なものにするという正の循環の創出を目指します」とある。 とは、つまり?という疑問に、見事に答えているのが「小ロットからの感動体験DM(ダイレクト・メール)制作」と銘打った『めるドルチェ』(www.mer-dolce.com)だろう。小規模事業者を想定して企画された、小ロットからでもさまざまなデザインバリエーションを選択できる画期的なオーダーメイドDMサービス。実は今、そのリーズナブルなスペックに目をつけたフリーのクリエイターたちから大人気を博しているとのことだ。 『めるドルチェ』の発案者であり、ドルチェ・マーケティングの代表取締役である佐藤靖子さんにお話をうかがった。
めるドルチェ

※『めるドルチェ』は全国3か所のコクヨグループ・郵便局のショップ&印刷工房ポスタルスクウェアでも販売してます。
【ポスタルスクウェアサイト内 めるドルチェ紹介ページ】
http://www.postalsquare.com/service/dolce/

クライアントさんに向けてのエントリーサービスとして企画した『めるドルチェ』

通常、ダイレクトマーケティングの会社はBtoBのビジネスを展開するもの。『めるドルチェ』は、実質的に多くの個人ユーザーを取り込んでいるという意味で、かなり異色のビジネスと思えます。

フリーのクリエイターの方々に人気を博している点は、正直、想定を超えたことです(笑)。この企画は、クライアントさんに向けてのエントリーサービスになればと思って立ち上げたもの。その後の大きなビジネスの端緒になることを期待しての、サービスです。 ですが、想定外の現象は、それはそれでとても興味深いし、嬉しいことに変わりはありません。さすがクリエイターの方々は、「良いもの」に気づくセンサーが敏感だなと感心してもいます。

こういう商品企画は、どんな着想から生まれるのですか?

ユーザーさん、つまりクライアントさんが、ちょっとしたことを、大きな負担なしで行えるサービス。これまで、ダイレクトマーケティングの世界にはそれがあまりに少なかったと思います。 類似のサービスは既存しますが、定型から選ぶだけ、あるいはオンデマンド印刷にデータを上げる方式のものなどでした。 『めるドルチェ』は、ユーザー発想で、もっと選択肢が多く、自由なもの。つまり、「あったらないいな」を形にしたのです。

つまり、低予算で高付加価値なダイレクトメールを実現したわけですね。

当社がサービスの基盤とするのは、まさに、高付加価値なダイレクトマーケティングですから。当社の提供するダイレクトマーケティングサービスを通して、クライアントさんのブランドの付加価値が高まっていくことを願っています。

ニッチとも言えますが、 「この業界にある格差を是正する」と言い換えることもできます。

佐藤さんがダイレクトマーケティングに携わったのは、前職(世界的な物流サービス提供企業)からとうかがっています。

当初は顧客データを整理するデータベース構築を担当していたのですが、その業務の延長線上で、データの有効活用の業務も担当させていただきました。その折に、ダイレクトマーケティングのおもしろさに目覚めてしまったのです(笑)。

どんな、面白さに目覚めたのですか?

まず、顧客の反応がダイレクトに実感できる点に感動しました。 そして、いわゆる“マス”で展開され、統計やデータ優先で運営されるダイレクトマーケティングとは別に、DM1通あたりの単価は少し膨らむとしても、少しリッチなDMで顧客に丁寧にコミュニケーションを投げかけるタイプのダイレクトマーケティングがあることに気づきました。実際にそういったコミュニケーションを展開すると、ROI 1000%以上ということも多々あり、とてつもなく効果が高かったのです。しかもその効果を生み出す原動力は、お客様の満足でした。ですので、そういった丁寧に気持ちを伝えるダイレクトコミュニケーションの可能性に、大きな魅力を感じました。

ということはつまり、ダイレクトマーケティングビジネスにおいて、ニッチなニーズを掘り起こすことになる?

そう思っています。 私が想定している活動のフィールドは、ニッチとも言えますが、「この業界にある格差を是正する」と言い換えることもできます。ダイレクトマーケティングのサプライヤーは、どうしても大予算、大規模なプロジェクトを持つクライアントさんに傾注してしまう。その狭間で、本当にダイレクトマーケティングを必要としていながら、適当な規模のサービスを探せずに困っている小中規模のクライアントさんは多くいらっしゃいますし、埋もれています。その格差を埋めるサプライヤーは絶対に必要ですし、存在意義があると思うのです。

それは、ボランティアをするという意味ではないですよね?

もちろん、ビジネスチャンスを探し当てたと思っています(笑)。

そこに関わる人がHAPPYになることが重要だと考えています。

では、具体的にはどのようなクライアントさんと、どのようなプロジェクトを実施するのですか?

例をあげるなら、歴史のある、でも企業体としては零細な旅館などがわかりやすいでしょうね。伝統もあり、サービスにも自信のある旅館の経営者さんにとっては、時には新規顧客の開拓はする必要はなく、むしろお馴染みのお客様、リピーターさんに来訪の回数を増やしていただけることの方が有意義だったりします。 しかも、高級旅館で、宿泊代が1泊2万円とするなら、リピートを促すためのダイレクトメールに単価1000円を要しても惜しくはない。 そんな時、当社の提供するダイレクトマーケティングサービスは、きわめて有効と思います。

そのようなクライアントさんとプロジェクトを遂行するにあたって、重要なことは?

ひとつ、あります。プロジェクトの主体は、あくまでクライアントさんであるという点です。一歩間違えば、「代金は払っているのだから、マーケティングの成功は保証するのだろうな」という話になりますが、ダイレクトマーケティングとはそういうものではありません。売るべき商品が魅力的でなければどんなマーケティングも成功しませんし、クライアントさんが心から成功を望んで行動されることが重要です。そのような点を理解していただく作業も、サービスの一環と思って取り組んでいます。

佐藤さんの提唱する“感動体験ダイレクトマーケティング”の意味が、少しわかった気がします。クライアントさんと顧客の間にも、御社とクライアントさんの間にも、密度の濃い、血の通ったコミュニケーションがあるダイレクトマーケティングサービスなのですね。

私自身、短期的なタスク達成だけが最優先の仕事には興味がないですし(笑)、ビジネスシーンであっても結局はそこの関わる人がHAPPYになることが重要だと考えています。 私は、ダイレクトマーケティングにおいても、というかだからこそなお、感性や感情は重要なファクターだと感じています。そして、お客様と真摯に向き合い長期的な関係構築を望まれているクライアントさんと、じっくりと良い仕事ができれば幸せだと思うのです。

取材日:2009年4月

ドルチェ・マーケティング株式会社(Dolce Marketing, inc.)

  • 代表取締役:佐藤靖子
  • 資本金:8,600,000円
  • 提供サービス:
    • 1.ダイレクトメールも活用した感動体験ダイレクトマーケティング総合プロデュース(戦略立案・企画・制作)
    • 2.小ロットからの感動体験DM(ダイレクトメール)『めるドルチェ』の制作・販売
    • 3.こだわりプリントコム(www.kodawari-print.com)の運営
  • 設立:2007年11月6日
  • 所在地:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-33-7-403
  • TEL:03-5939-7581
  • FAX:03-5939-7582
  • URL:www.dolce-marketing.com
  • 問い合わせメール:上記HPより
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