グラフィック2014.11.19

医療系広告のことなら何でも応える メディカル アド コンシェルジュの制作会社

東京
株式会社東京アドメディカ 代表取締役 梁原官弘氏
今回ご紹介する株式会社東京アドメディカは、医療系の広告・クリエイティブ専門の制作会社です。設立2年の新しい会社ですが、医療系広告代理店と組み、今では薬の商品企画や広告戦略、ブランディングまで幅広く手掛けています。一見、難しそうな医療系の仕事ですが、代表取締役の梁原官弘氏は面白みを感じています。その理由はどこにあるでのしょうか。設立のきっかけから、今の仕事の魅力、将来の抱負など、さまざまなお話を伺いました。

医療系の広告に出会い 手掛ける内容の幅広さに面白みを感じて設立へ

東京アドメディカを設立されたきっかけをお教えください。

以前は大手広告制作会社にディレクターとして7年ほど在籍していたのですが、5年位前から医療系の仕事を手掛ける機会が多くなってきたんですね。 一般的な広告制作では、ひとつの商品でも、グラフィックは代理店のアートディレクターが、CMは監督が中心になって別々に作られますが、医療系の仕事は結構特殊で、グラフィックも映像も一緒に進み、流れが一本になっています。また、エンドユーザー向けの広告と違って、処方される薬を専門医向けにアピールする広告があったりして、すごく面白いジャンルだと感じました。それが一番最初のきっかけですね。 その後、映像制作を僕が、グラフィックを別宮(スタッフの別宮千裕さん)が手掛ける形で組んで起業しました。

いずれは自分で会社を作りたいという思いはあったのですか?

20歳を過ぎた頃から映像に興味を持ち始めたのですが、当時は全く考えていませんでしたね。実際に映像の仕事を始めてからも、独立しようという気持ちはそれほど強くなかったのですが、自分の仕事の成果によって、徐々に自信がついたという感じです。

医療系に特化した制作会社は少ないのですか?

医療関係の仕事を専門にしている会社は多くあります。しかし専門知識はあっても、クリエイティブに強い会社は非常に少ないと感じています。医療系の専門知識を持っていながらカッコいいものを作る、そんな会社にしたいと考えています。実際医療系のADの方とお仕事すると特にそのニーズを感じますね。

境界を超えて仕事をするという気持ちを込めた 「コンシェルジュ」というスタンス

logo

レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』をモチーフに、社名のT・A・Mをデザイン。医療系の会社だということが一目で伝わるロゴマーク。

社名とロゴマークの由来をお教えください。ロゴマークはレオナルド・ダ・ヴィンチの人体図を思わせますね。

まさにその通りです。ダ・ヴィンチの人体図がモチーフになっています。ロゴマークは知り合いのデザイナーにお願いしまして、数十案も提案してくれた中で「医療系」を押し出そうと思ってこれに決めました。 社名は別宮と一緒に考えました。「完全に医療系の制作会社」と決めていたので、意味が分かりづらい洒落たものや自分の好きな言葉より、ちゃんと落ち着きがあって、分かりやすいダイレクトな社名にしたのです。「東京」を付けたのは、メジャー感と老舗感を出したかったからです(笑)。僕が東京出身ということも入っています。

名刺の肩書きに「メディカル アド コンシェルジュ」とありますが、どういった理由で付けられたのですか?

僕達がやりたいことは、デザイナーでも監督でもプロデューサーでもない、一体なんだろう?と考えた時に、やはり「医療系の広告のことで何でも応えられる・お手伝いする」という役割でありたいと思ったのです。そんな気持ちを込めて「メディカル アド コンシェルジュ」という名前を付けました。

仕事の幅が広いので、「コンシェルジュ」というフレーズを使うことで「何でもお聞きください」という姿勢が伝わりますね。

そういったスタンスでいるので、手掛けたことのない仕事もいっぱい来ます(笑)。そんなお題に体当たりしていくうちに、キャラクターや製品グッズのデザインの仕事なんかもくるようになりました。

独自のネットワークが強みとなって 医療に特化したクリエイティブを次々と実現

設立して大変だったこと、良かったことをお教えください。

立ち上げたばかりの頃は、やはり大変でした。ゼロべースからのスタートでしたので、最初は集中して新規営業にまわりましたね。 良かったことは、独立することで仕事の幅がずいぶん広がったことです。

仕事の幅とは?

以前所属していた会社は規模は大きかったのですが、グラフィック、ムービー、Webそれぞれチームが決まっていたので、自分が手がけられる箇所が限られていたと思います。この会社を始めて、デザイン、Web、ムービーといろいろな分野を担当できるので、本当に仕事の幅と知識が広がりました。 今では代理店と一緒に薬の商品企画戦略から関わって、ブランディングやマーケティングも一緒に考えています。

ホームページの「ご提案」の項目で紹介されている「医療専門クリエイティブネットワーク」についてお教えください。

医療系のグラフィックやCGを制作する際には、専門的な知識が必要になります。たとえば、作用機序と言って、薬を飲んだ時に身体の中でどう効いているか、痛みならシナプスからこういう信号が伝わっていく、といったことを細胞レベルで詰めていく知識が必要なんです。 「医療専門クリエイティブネットワーク」は、そういった専門知識をお持ちの方々で構成されていて、その方々と協力して制作を進めています。

医療系クリエイティブの代名詞となる会社を目指して

今後、手掛けていきたいことをお教えください。

海外での活動ですね。今、僕達が手掛けている3D制作の中には、日本でなく中国のクリエイティブと組んでいるものもあります。中国のクリエイティブのレベルは結構高いのですが、スケジュール感は日本と違うなと感じているので、もしかしたら、中国のクリエイティブ企業に当社のディレクション力やマネジメント力が加われば、中国でも活動できるのではと思っています。 将来的には中国を舞台として、この医療系制作会社を発信できたらいいなと思っています。日本とは人口・規模が全然違いますから。どう展開すればいいかを考えているところです。

その他に抱負などはありますか?

医療専門の制作会社としてのポジションを確立していきたいですね。 『医療系と言えば東京アドメディカ』と言われるくらいになりたいと思います。

会社として、一緒に働く人にはどのようなことを求めていますか?医療系の知識はどのくらい必要なのでしょうか?

納期などのスケジュール感をしっかり意識できることですね。たとえば、お客様との面会では遅刻は厳禁ですし、そういったことを守れることが重要です。クリエイティブ力は、ある程度できる人なら僕達の方でディレクションすれば上手くいくと思っています。 医療系の知識は、最初はなくても大丈夫です。僕達も以前の会社ではそんなに詳しくありませんでしたし、今一緒に仕事をしているデザイナーも、以前は普通の広告の仕事をしていましたが、半年くらいで自然と医療用語が出てきています。仕事をしていく中で自然と、当たり前のように身に付きますので、あまり気にしなくて大丈夫ですよ。 やはりなにより、知識や技術よりも「向上心」ですね。この会社を立ち上げてまだ2年ですから、守りに入らずにできることにどんどん挑戦していきたいとう気持ちがあります。なので、同じ気持ちでモチベーション高く仕事ができる人とご一緒できたらと思っています。

取材日:2014年11月5日

株式会社東京アドメディカ(英名 Tokyo Admedica inc.)

  • 代表取締役: 梁原官弘(やなはら つかひろ)
  • 設立年月: 2012年11月15日
  • 事業内容: 医療専門クリエイティブ
  • 所在地: 東京都渋谷区神宮前3-27-15 FLAG 3M
  • URL: http://www.tokyoadmedica.jp/
  • お問い合わせ先: info@tokyoadmedica.jp
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