映像とリアル(立体造型) 両方の3Dを熟知しているのが強み

東京
株式会社イクリエ 代表取締役 濱島広平氏
秋葉原に社屋を構える株式会社イクリエは、映像・ムービーの制作の他、最近は3Dデータを使ったフィギュアの企画・制作にも力を入れ、デジタルコンテンツ業界で羽ばたこうとしている新進気鋭の企業です。代表取締役の濱島広平さんに、ご自身のキャリアや現在の事業内容、そして3Dデータの未来まで、興味深いお話を伺いました!

「株式会社イクリエ」の社名の由来は 「いいクリエーション」

「株式会社イクリエ」の事業内容を教えてください。

社名は「いいクリエーション」からの造語で、映像制作をメインに手がけています。最近では3Dデータでの立体物制作にも力を入れていて、プロダクションEXPOにも出展しました。

濱島さんが起業されたのはいつですか?

28歳で起業して、現在は6年目です。もともとは3Dデザイナーでした。

3Dデザイナーになった経緯は?

私は愛知県出身で、愛知の大学で情報工学を学んでいたのですが、すぐにプログラミングは自分に合わないな、とわかりました(笑)。勉強が楽しくないので学校もあまり行かなかったのですが、何となくゲームが好きなのでゲーム業界に入りたいと思っていて、そのために当時出始めだったCGツールを20万ほど出して買ったんですね。そしてCGを学ぶスクールに入ったんですが、そこも友だちと遊ぶのが楽しくて行かなくなってしまって(笑)。このままでは何もできないままだ、と追い込まれていることに気づき、20万の元を取ろうと引きこもって独学で頑張っているうちに何とか使えるようになりました。一生懸命やり過ぎて、大学は留年してしまいましたが(笑)。

誘われて上京し、3Dデザイナーに 独立後のピンチも助けてもらいながら乗り越える!

大学卒業後に、3Dデザイナーとして就職したのですか?

最初はゲームの開発会社でアルバイトをしながら、自分で作ったCGの作品をネットに発表していました。そのうちにネットで知り合った人から「うちの会社で働かないか?」と誘いがあったんです。その会社が東京にあり、もともと東京に出たかったこともあって、ホイホイと誘いに乗って上京しました。

誘われたのは、どんな会社だったんですか?

ゲームのオープニングムービーを中心に作っている制作会社でした。誘ってくれた人が3D担当で、3Dの仕事が自分だけでは手が回らなくなったので、声をかけてもらえたんです。その会社で2年半ほど働いてから独立しました。

独立すると、社員クリエイターにはない責任や難しさがありますよね。

仲間と独立したのですが、最初は営業兼デザイナーのような形で動いていて、仕事をもらって形にして納品し、その結果を評価してもらって何とか次の仕事につないでいました。今から思うとピンチはたくさんあったのですが、基本的に楽観的な性格なので、何とかなるさと頑張っているうちに何とかなりましたね(笑)。もちろん、1人ではどうにもならないので、周りにたくさん助けてもらいました。

独立後、映像制作から立体物制作も! 自社キャラクターはプロダクションEXPOでも大好評

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現在は当初の映像制作から3Dの立体物制作に守備範囲を広げていますね。

もともと3Dデザイナーなので、3Dプリンターが出てきて純粋に興味を引かれたんです。3Dデータに関わる人にいろいろと出会い、最初は3Dプリント出力サービスの人たちとお試しで作ったりしているうちに、フィギュアの仕事として可能性があるのではないか?と思い始めました。

3Dフィギュアの仕事は、どのようにしてスタートしたのですか?

小物のモデリングなど、簡単な受け仕事からスタートしました。3Dデザイナーとはいえ、映像とリアルな制作物の3Dとは違いがあって、なぜフィギュアの頭部は前後に分けて作るの?ダボ付けの「ダボ」って何?という状態からのスタートでしたが、仕事を通してノウハウを学びましたね。フィギュアの仕事はスタッフのモデリングスキルを上げるには最適ですし、「モノ」として形に残る旬のコンテンツに関われるので、モチベーションアップにもつながっていると思います。

この女の子のキャラクターも御社制作ですか?

これはイクリエのイメージキャラクターで、スタッフがデザインし、3Dデータは私が作りました。このフィギュアをプロダクションEXPOで展示したところ反響が大きかったです。3Dデータ制作を始めたことで、今まで接点がなかった人や会社とつながりも持てました。ここは秋葉原ですから、みなさんご近所さんですし(笑)。

映像とリアル、両方の3Dがわかるのが強み ARやVRも視野に仕事を広げたい

人とのつながりも増え、3Dデータを扱うことで、新たな仕事に広がりそうですね。

映像とリアルな立体物、両方の3Dを知っていることを強みにしたいですね。今は原型師としての受け仕事が多いですが、例えばオープニングムービーを作らせてもらっているゲームメーカーに、ノベルティとしてキャラクターのフィギュアを提案したり、両方を知っている立場から次の展開が見込めるデザインを提案したり、複合的な案件を手がけていきたいと考えています。また、二次元と三次元を近づけるAR(拡張現実)やVR(バーチャルリアリティ)の方向も視野に入れています。

3Dプリンターが徐々に普及し始めて、3Dデータの市場はまだ始まったばかりですよね。

3Dプリンターがより普及すれば、次は3Dデータの価値が高まると思っています。その時に、高付加価値の3Dデータが作れる会社となるために、今はノウハウを貯めている段階ですね。

今後が楽しみですね!仕事は拡大していきそうですが、どんな人材を求めていますか?

デザイナーとしてのスキルはあった方が良いですけど、それよりもバランス感覚があり、コミュニケーション能力がある人と一緒に仕事をしたいです。起業したときも実感しましたが、1人では何もできないので、周りと助け合いながら仕事ができる人が欲しいです。歴史も知名度もない会社なので、常に人材難にあえいでいるので、ぜひ手を挙げてください(笑)。新人で入社しても、しっかりと教育しますよ。デザイナーとしてどこに行っても通用するように鍛えます!

株式会社イクリエ

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  • 代表者:濱島 広平
  • 設 立:平成22年12月1日
  • 資本金:500万
  • 所在地:〒110-0016 東京都台東区台東2-7-4和田ビル5階
  • TEL/FAX:03-6803-2529
  • 業務内容: ・プロモーション映像制作 ・パチンコ・パチスロの液晶映像の制作(オーサリング等) ・デジタル造形での立体物の企画・制作 ・コンテンツの企画・制作 ・上記に付帯する一切の業務
  • URL:http://icrea.co.jp/
  • 問い合わせ:上記ホームページより

 

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