WEB・モバイル2016.11.02

時代に求められているのは専門性より柔軟性 お客様の立場に立った提案で信頼に応える

仙台
株式会社 TRIMTAB WORKS(トリムタブワークス) 代表取締役社長 後藤 みこ 氏
自社商品の魅力をどのように訴求し、どうしたら売れるのか。頭を悩ませる企業に、豊富なプロモーションの経験と実績に基づいたWEBプロモーションで、かゆいところに手の届くと評判の株式会社トリムタブワークス。業界では珍しい女性経営者が率いる同社は、仙台にありながらも大手企業のプロモーションを次々と担い、信頼を得ています。今回は、WEB業界未経験でありながら、優れた経営手腕を発揮する代表の後藤みこさんにお話を伺いました。

会社員という道を捨て 経営者としてやっていく覚悟を決める

株式会社 TRIMTAB WORKS(トリムタブワークス)

起業した経緯をお話しいただけますか。

実は、私は起業意欲があったわけではないのです。弊社は、別の方が創業した会社です。私は、もともとその方と知り合いで、すでに業務が動いていたにもかかわらず、彼にとある事情が生じ、どうしても会社を率いていくことが出来ない事態に陥ってしまったため、彼と周囲から「会社を引き受けてもらえないか」と頼まれました。実はそのとき、私は誘われている企業が他に2社あり、どちらかに転職する予定でお話しが進んでおりました。経営者になりたいと思っていたわけではなかったので、「社長」という3つの目の選択肢に対して相当迷いましたが、会社員という道を捨てて、経営者としてやっていく覚悟を決めました。それが7年前です。

後藤さんは、これまでどのようなお仕事をされてきたのですか。

大きくわけて二つの職種を経験しています。一つは、登記全般や株主総会の対応をはじめとした総務、法務、経営企画、会計、財務、人事、労務、など、企業のバックオフィス業務とそれらに関する法律の専門家をサポートする仕事です。もう一つは、新商品のPR、イベントの企画・運営、アパレル販売の代行など、企業のセールスプロモーションに関する仕事です。その仕事に就いていた当時は全国各地を飛び回っていました。つまり、企業活動の両面であるバックオフィス業とプロモーション業を経験してきたということです。販売現場に張り付いていましたから、現場の声にもお客様の声にも近いですし、その一方で経営サイドの考え方も承知しております。ところが、ずっと人を相手に仕事をしてきましたので、代表になった当時はWEBのことも制作のことも全くわかりませんでした。

WEB業界未経験でWEBプロモーションの会社の代表になるということに不安はありませんでしたか。

もちろんありました。ほとんど知識のない業界でしたから、当時は「一から勉強しなければ」と力が入っていました。ですが、スタッフから「そこまでしなくて大丈夫です」と言われたんです(笑)。それで任せることにしました。そのことによって彼らにはいっそうの責任感が生まれ、能動的な提案をしてくれるようになりました。もちろん今は、一般の方に比べれば知識はありますが、専門家であるスタッフと同等の知識と専門性を自分に求めないことにしたんです。私は経営と営業に専念し、制作のプロフェッショナルとしてスタッフを信頼しています。

もっとも大事なことは、技術的な専門性ではなく クライアントの立場に立つということ。

さて、御社ではどのような事業を行っているのでしょうか。

クロスメディア戦略の設計や構築などのコーディネート事業、WEBやアプリなどのコンテンツ制作事業、ECサイトの店舗運営代行などの店舗支援事業など多岐にわたります。クライアントが何を望んでいるのかを読み取り、何のために、何をすることがより有益なのかを考え企画しご提案しています。 「アプリを作ってほしい」とご依頼をいただくこともありますが、果たして今アプリが必要なのか、クライアントの本来の目的を理解した上で「アプリ制作よりもイベントの方が効果的ではないか」とご提案をすることも少なくありません。ターゲットにしっかりと届くプロモーションが何なのか、クライアントとそこから一緒に考え、時代に合わせてご提案しています。ご依頼をいただくのはありがたいことですが、ご予算内で最も有益な方法をクライアントと一緒に考えることが大事だと思います。そうすることによって、クライアントには、ターゲットの習慣や嗜好、地域性などの理解を深めていただけます。それがさらにクライアントにとって自社商品に対する理解に繋がっているのではないでしょうか。

クライアントには大手企業が多いのですね。

そうですね、大手の企業様から直接ご依頼をいただくことも多いです。前職からのつながりも全くないとは言えませんが、現在の会社を設立してからお付き合いをさせて頂くようになった既存のクライアントからのご紹介で新たなご縁をいただくことが多いと思います。広告代理店や制作会社を介さずに直接ご依頼をいただいくことも少なくありません。

制作はスタッフに一任しているということですが、業務のコミュニケーションは円滑ですか。

私はまったく制作業務には携わっていませんので、制作の進行管理までスタッフに任せています。どんな技術を用いて何を作るか、どれほどの時間を要するかという業務報告については、彼らに専門家でなくてもわかるようなわかりやすい説明を求めています。クライアントに専門用語を用いて説明しても全く理解していただけませんし、それでは信頼関係も生まれませんよね。PCに向かって制作をする一方で、作ったものは、人間が使うのだということを意識するよう伝えています。原価計算や進行管理はもちろんですが、さらにプロモーション力を育成しています。

制作スタッフのために取り組んでいることなどはありますか?

社員にとって働きやすい職場であるよう常に公平であることを意識した社内ルールを設けておりまして、休憩時間を工夫したり、飲食をする際の場所や他のスタッフの状況等に配慮をするなどのルールを設けたりしています。制作現場というのは密室状態ですので、環境から受けるストレスを少しでも軽減できるような仕組みを取り入れています。スタッフは6名で、そのうち2名は出産のため休んでいます。女性が社会で働き続けることの大変さも理解していますから、結婚や出産を経ても戻りたくなる会社でありたいと思っています。

大切なのは、お客様の視点に立ち、共感し、代行して、達成する 循環パターン

会社として大事にしていることはなんですか。

先にもお話ししたことと重なりますが、お客様の立場に立つということです。いつでもユーザー目線であることが最も大事だと考えていますので、私自身もスタッフも常にそれを心がけています。誰にでもわかる言葉を使って伝えること、お客様と目線を合わせてコミュニケーションをとることです。本当に当たり前のようですが、この業界にはなかなかそれが出来ない会社も多いんです。お客様の立場で共感し寄り添い、お客様の出来ないことを代行し、実現する。このことがお客様との信頼関係を深めてくれる最もシンプルで重要な業務循環のパターンだと思っています。

今後の目標を教えてください。

まず、経営者として、企業活動を継続して雇用を維持していくことが大前提です。会社を継続させていくための戦略や計画に力を注ぎ続けます。また、インターネットの世界は激動の時を迎えています。変化が早く今後どのように進化していくのかわかりません。こういう時代には、専門性も必要ですが、それよりも柔軟性の方が大事だと思っています。変化にうろたえることなく改善していくこと。これはスタッフにもよく言っていますが、時代の流れと人をよく見て一番にすべきことを選択していきたいと思っています。

取材日: 2016年10月14日 ライター: 影山祥子

 

株式会社 TRIMTAB WORKS(トリムタブワークス)

  • 代表者名(よみがな) :  後藤 みこ(ごとう みこ)
  • 設立年月 :  2010年8月
  • 資 本 金 :  2,100,000円
  • 事業内容 :  WEB サイト・モバイルサイトを利用したセールスプロモーションの企画、 各種商品サービスのマーケティング支援業務、 WEB サイト、モバイルサイトの企画、制作、構築、運用、運営、保守管理、 前各号に関するセミナー・講座の企画・運営、 前各号に付帯する一切の業務
  • 所在地 :  〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町一丁目5番31号 シエロ仙台ビル5F TEL. 022-398-6478
  • URL :  http://trimtabworks.co.jp/

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