WEB・モバイル2013.01.17

未来のコミュニケーションをつくる、 高性能のPC型テレビ会議システム。

大阪
ENWA株式会社 代表取締役 岡田 修氏
 
国内はもとより世界各地から発信される情報を遅延なく、美しい映像と音声で実現するテレビ会議システムは、放送界や製造業、医療業など、多彩な分野で導入されています。ENWA株式会社は、最先端の技術を持つ提携先企業との連携により、高性能のPC型テレビ会議システムを構築。新しい発想で未来のビジュアルコミュニケーションを生み出しています。

PC上でも美しい画像とクリアな音声を実現

PC型テレビ会議システム「EyeVison」の特徴をお聞かせください。

導入先のネットワーク規模を問わず、お客様に合った形で使用できるソリューションです。企業間、部署間のスムーズなコミュニケーションに役立ち、放送界や製造業及び物流業など約700社へ採用されています。従来まで別々に使用されていたビジネスメッセンジャー、ボイス・ビデオチャット、テレビ会議、ライブストリーミング、映像報告を一つに統合しており、一つのIDですべての機能を利用できる環境が構築できます。 Webブラウザ型のテレビ会議システムだと、長時間の運用には限界がありますが、EyeVisonはソフトをインストールする常駐型なので、長時間運用でも安定しています。

とりわけ美しい画像と音声が評価されているそうですね。

テレビ会議システムには専用機を利用するものとPCベースのものとがあり、EyeVisonの最大のセールスポイントは、高速演算アルゴリズムによる画像圧縮技術で、PC上でも高画質・高音質を実現していることです。専用機に匹敵するなめらかな映像と、遅延のないクリアな音声を提供できるシステムは、おそらく他にはないでしょうね。回線帯域のとぼしい地域でも通常レベルの画質・音質を実現できるので、お客様にも喜ばれています。

ユーザからの出発が製品開発の原点

元はバイオ素材を扱う会社だったそうですが、なぜ、テレビ会議システムに着目されたのでしょうか。

実は当社自身がテレビ会議システムのユーザだったんですよ。前身の会社を引き継ぎ、1981年に設立した当初は、バイオ素材を使った健康食品などの販売をしていました。数百社の代理店との情報共有は大変で、何かいい方法はないかと考えていたところに、テレビ会議システムを知り、導入に踏み切ったのです。代理店の方は熟年層の女性が多く、使いこなしを指導するのは苦労しましたが、ひとたび使えるようになれば、その後の代理店教育など、さまざまに活用できます。販売網フォローサービスとしてIT部門を設けていたものを、これからの時代にニーズの高い製品だと惚れ込み、主軸事業としてシフトさせていったわけです。

異業種でユーザから開発者へ。思い切った転身ですね。

そうですね。90年代前半にテレビ会議システムが登場した当初は、費用も高額でしたしね。しかし、IT技術が発達するにつれて、周辺機器が安価になり、ブロードバンドも当たり前となった。新しい発想のものを生み出す環境が整い、これはビジネスチャンスだなと。利用していた商品が、他社システムと比較しても際立って映像の美しい製品だったのですが、根幹部分は韓国の企業の技術が取り入れられていました。この技術を応用すれば日本においてオンリーワンの商品が提供出来ると考え、EyeVisonの開発に着手しました。 とはいえ、お客様のネットワーク環境はさまざまですから、安定的なシステムを徹底させるには高度なノウハウを必要とします。セキュリティ上の問題もあります。昔のテレビ会議システムは、ソフトを提供してもフォローは二の次というのが実状でしたが、当社は自分たちで代理店にフォローしていましたから、ノウハウの蓄積がありました。製品の魅力と密なフォロー体制さえあれば売れると信じ、一生懸命やっていましたね。

社会貢献できる事業がやりがい

お客様目線で考える姿勢が現在の実績に結びついているのですね。実際に、どのような導入事例があるのでしょうか。

放送局向け、低遅延送り返しシステム Eyevision Cast

放送局向け、低遅延送り返しシステム Eyevision Cast

メディアへの導入はメリットが大きいですね。放送界はキー局と全国ネットの系列局という大規模ネットワークですが、EyeVisonで接続すればいっせい配信が可能。365日24時間の連続無人運転で行う緊急ニュース速報も配信できます。また、アナログと違って遅延がネックの地デジも問題ありませんし、移動中や海外からの中継もスムーズに行えます。

さらに注目されているのが、遠隔地医療への貢献です。国内においても、小さな診療所しかないところや無医村の離島、山間部など、遠方の病院に通うのもやっとという地域が点在しますよね。しかし、テレビ会議システムを使えば、訪問看護で患者さんの状態を伝え、拠点病院の医師がカルテや画像を診ながら診断することも可能なのです。長野県立看護大学との提携が決まり、今後のモデル事業になりそうです。 そのほかにも、新人技術者が製造現場に行って本社の技術者とリアルタイムでやり取りしたり、農業ならばビニールハウスのなかで野菜の病気の状態を映して専門家から指示を乞うなど。実に応用範囲は広いですね。

さまざまなことに生かせるのですね。ビジュアルコミュニケーションの可能性に驚かされます。

景気や世相との関わりが大きいソリューションで、これまで何度か導入拡大の契機がありました。SARSや新型インフルエンザのような感染症が流行ると、感染防止のために外出制限される場合がありますし、リーマンショック後は、営業経費の削減や在宅勤務体制の構築といった、企業が合理化を図るための需用が顕著でした。いまでは、リストラで会社規模を縮小したものの、その後に受注が増えた企業のマンパワー不足を補うことに役立っています。 さらに震災が起こり、防災分野からの引き合いが格段に増えました。防災無線の入れ替えは高額費用がかかるけれど、やらなくてはいけない分野。携帯電話の電波網は一般家庭の中まで届いているので、緊急警報にも使えます。

今後の課題をお聞かせください。

ユーザの声を反映したバージョンアップで、よりよい製品を送り届けることですね。 2012年12月にバージョン5.2をリリースし、多地点会議におけるネットワーク負荷の軽減機能とスマートフォンに対応しました。 2013年は操作性を改善したバージョン6.0を発表する予定です。 2006年の発表以来、斬新な機能追加と品質向上に邁進して参りましたが、その為にかなりマニアックな商品になっております。 今後は、操作性及び画面デザインといったところに改良を加えて誰でも手軽に利用出来る本格的テレビ会議システムの構築を目指します。 また、別プロジェクトで進めております業務用無線機のスマートフォン版も開発し、EyeVisionとの連携商品も発表致しますので、企業での活用範囲が広がると期待しています。

最後に企業人としての思いなどをお願いします。

私は彦根の生まれで、生粋の近江商人です。近江商人はよく知られているとおり、江戸時代中期から全国規模の活動を行うビジネススタイルで、時には海外へも出向くアクティブさがありました。近江商人に起源を持つ老舗企業は数多く、各地で日本経済の発展を支えています。 そのように近江商人のビジネスが成長していったのは、売りっ放しではなく、相手と顔の見える関係を築くやり方を徹底していたからだと思います。私自身、IT関連事業であっても、常にお客様のことを思う事業展開を心掛けてきました。 また、関西の人には、一度売れたら長くつき合ってくれるという、ふところの深さがあります。ですから、我々も労力を惜しむことなく、より繊細で緻密なシステムを提供していきたい。情熱を持ってビジネスに臨み、大阪から日本を元気にしていきたいですね。

ENWA株式会社

  • 代表取締役:岡田 修(おかだ・おさむ)
  • 事業内容:
    • ブロードバンドを利用した、ビジュアルコミュニケーション
    • プラットホームの企画・開発・運用及び販売
  • 所在地:〒550-0014 大阪市西区北堀江2-1-11 久我ビル北館8F
  • 電話・FAX:TEL:06-4390-3522 FAX:06-4390-3523
  • URL:http://www.enwa.tv/
  • お問い合わせ:上記ホームページの「お問い合わせ」より
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