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気が付けば社長になっていた 意見を交わしながら築き上げるのが デザイナーの仕事

大阪
有限会社プロジット 代表 井上貴由氏
日本橋のどまんなかにある有限会社プロジットは、アメ車のナンバープレートやフィギュアが飾られたどこかガレージ的な雰囲気のあるオフィス。グラフックデザイナー兼イラストレーターとして活躍する井上貴由社長に、仕事に対する熱い思いを語っていただきました。

一社員が、前社長の引退で会社経営を引き継ぐ。

プロジットは前社長から引き継がれたそうですね?

専門学校を卒業後、デザイナーとしてバイトで入りました。23才までバイトでその後、社員になったんですね。 ところがある日、前社長から引退したいから会社を引き継いでくれないかと話があり、1か月で考えて欲しいと急に言われたんです。

それは何年前ですか?

3年半前です。いろいろ条件を提示され、やるかやらないかということで。 いずれはやめて独立するつもりだったので、「じゃあ、やります」と。 引き継ぎの手続きは前社長がいっしょにやってくれたので、会社経営の知識はまったくなかったのですが、運良く社長になりました。(笑)

じゃあ起業のご苦労はなかったのですか?

お客さんもそのまま引き継いだので、苦労はなかったのですが、1年目は経営的なことがまったくわからなくて。 経費を抑えていたのもあったのですが、税理士さんから「使うとこはもう少し使ってください。」と言われました。(笑) それと社長になるまで領収証をもらう習慣がなかったので、1年ほどそのクセをつけるのが大変でした。(苦笑)

仕事はどのようなことを?

3dm-komakiチラシやポスターなどグラフィックデザイン全般ですが、お陰さまでひとつの仕事から別の仕事に発展して、仕事の幅が広がっています。 最近は装飾関係の仕事が多いですね。イベント関係のプロジェクションマッピングのイメージ画像の制作やキャラクターのイラスト制作など。現在、会社の主軸はイベントのイメージ画制作です。マッピングなどの露出の大きい仕事は面白いですね。

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意見を交わしながら、いいモノを築き上げていくのが デザイナーの仕事。

井上さんが求めるデザイナーとは?

基本的に僕は、社員だとしてもデザイナー対デザイナーで対等だと思っているんです。年齢やキャリアの違いはあっても。 前社長の下で社員として働いていたときも、僕は同僚や社長にも言いたいことは言ってましたね。何も言わずにモノを作るのはアカン、自分の意見は誰も言ってくれないので、自分で言わないと。

仰るとおりですね。

自分の意見は言った上で、やらないといけない仕事は自分で折り合いをつけていく。それがデザイナーと言う職業だと思います。芸術家ではないので。 あまりオブラートに包まないので、思いがあるほどきつく言ってしまうこともあるんですね。だから社長から引き継いでくれないかと言われたとき、不思議やったんです。社長にはよく自分の意見をぶつけてました。時にはエキサイトしますが、一緒に飲みに行けば元通りの繰り返しでしたね。(笑) 「こんな僕に?」と。でも、逆にそんな僕やから、まかせたいって言ってくれたのかと思います。

意見をはっきり言うからこそ、信頼されたのですね。

今もそれは変わらないです。お客さんに対してもいいモノを作る上での意見交換はよくします。譲れないところははっきり言います。でも、お客さんの意向に沿った別案も出します。その繰り返しで、そぎ落として最終的にいいモノができていくのだと思います。

悩みながら、仕事で培ったソフトスキル。 仕事と遊びと趣味の融合するオフィスを作りたい。

仕事のやり方は最初からそうだったのですか?

会社に入るとやりたい仕事と実際にやる仕事と、それはみんなどこかでぶつかるじゃないですか? 僕自身もそうだったけど。僕も一時悩んで、デザイナーをやめようかと思ったこともあるのですが、専門学校の先生に「やめるのは簡単だけど、その仕事が好きなら、何をやったらうまくいくのか考えてみたら?」と言われて。 最初は社長やお客さんの言う通りに、折れて、折れてをやってみたんですね。するとイライラして…。(苦笑)

フラストレーションが溜まったんですね。

そうです。それで、相手の話を聞いて、自分の意見も言うようにしました。それを繰り返していくと、だんだんお互いの考えがわかるようになって、仕事もやりやすくなって。

オフィスは設立当時からこちらですか?

以前は、南船場でした。最初はデザイン会社が多かったのですが、だんだん減ってきてこちらに移る前は、美容室やネイルサロンばっかりになって。ちょっとガチャガチャして落ち着かなくなったので、こちらに移転しました。

日本橋に移転された理由は?

自分の趣味と実益を兼ねて。(笑) 実際、パソコン関係の備品や文具などを買うのは、昼休みにちょっと行けるので便利です。 アメ車が好きなのでガレージ風のオフィスにしてます。

社長業としての歩みはこれから。

会社名は以前のままですか?

プロジットとはドイツ語で「乾杯」の意味なんですが、会社を引き継ぐときに前社長が飲み屋でその由来を熱く語ってくれて、その話に共感して会社名はそのまま引き継ぎ、ロゴタイプだけ変更しました。(笑)

まだ社長業には慣れていないですか?

そうですね。2年前に中小企業総合展のキャラクターデザインをさせてもらったのですが、そのキャラクターを使ったコンテストがあり、コンテストの優勝を決める最終審査の大役をやらせていただきました。 そのとき、初めて「あー、自分は社長なんだ。」と実感しました。(笑) 会社を引き継いでも社長という意識は、ほとんどなかったんですけど。

最後に、経営者としての思いを。

今後、仕事も人も増やして行きたいと考えています。人を雇うということは人を預かることなので、それなりの覚悟を持ってやらないといけないと思います。そのときは腹をくくってやります。(笑)

取材日:2015年4月1日

有限会社プロジット

  • 代表:井上 貴由
  • 創立:1993年11月11日
  • 設立:1995年2月22日
  • 事業内容:博物館・アミューズメント施設・イベントプロモーションにおけるデザイン全般 博物館・イベントにおける展示グラフィック制作、Webデザイン制作、各種ビジュアルツール制作
  • 所在地:〒556-0005大阪市浪速区日本橋4丁目5-18アーバンコード日本橋403号室
  • TEL:06-6536-8809
  • FAX:06-6539-8879
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