グラフィック2014.12.17

企業は人なり 大阪・梅田のパッケージデザイン会社

大阪
現代企画株式会社 執行役員/クリエイティブディレクター 東矢貴満氏
創業38年、進化と発展をし続ける現代企画株式会社。家庭日用品のパッケージデザインをメインに制作に取り組んでいます。長年の信頼を背景に、現在は商品開発やキャラクターデザイン、ブランディング提案にも力を入れているとのこと。クライアントのクリエイティブパートナーとしての価値や幸せを、ディレクターの東矢貴満氏に語っていただきました。

38年前にデザイン会社を設立 パッケージデザインが大ヒット

1976年の創業と、長い歴史をお持ちでいらっしゃいますね。

私の父である現社長はもともと印刷会社にいましたが、これからはデザインと言うものがもっと重要になると考え、会社にデザイン部門を作ろうとしたんです。しかし当時は「デザインなんか…」と、その考えは受け入れてもらえなかったんですね。それなら自分でデザイン会社を立ち上げようと言うわけで、弊社を設立しました。当時はもちろんアナログの時代でしたけど、販促物からノベルティー、チラシなど幅広いジャンルの仕事をしていました。

現在はパッケージデザインがメインですか?

そうですね。家庭日用品メーカーさんのパッケージデザインは長年手がけさせていただいています。以前、雑巾のパッケージデザインをさせていただいたのですが、その当時、スーパーやホームセンターで売られている雑巾はどこも同じで、パッケージもほとんど同じ。どこのメーカーさんも雑巾のパッケージデザインをする発想がなかったのですが、弊社はアニメのキャラクターを使ったパッケージデザインを提案しました。それを採用していただき店頭に並べたところ、その雑巾が爆発的にヒットしたというようなこともありましたね。

それはいつ頃のことですか?

創業10年目頃です。メーカーさんの売り上げが弊社の評価になり、信頼を得て、パッケージデザインの仕事が増えたわけです。また、家庭日用品は種類も多いので、必然的にパッケージデザインも多くなりますし、長年やっているとノウハウや情報も蓄積していきますね。

クライアントさんとの信頼関係がないとできないパッケージデザイン

チラシやカタログデザインとパッケージデザインの違いは?

パッケージデザインと言うのは商品が生まれる段階での仕事なので、競合会社に情報漏えいすれば、とんでもないことになる案件を受けているわけですよね。そんな風に、パッケージと言うのはモノが生まれる中間地点で考える商品なので、クライアントさんからの信頼がないとできない仕事だと思います。

なるほど。非常に重要な仕事ですね。

そうですね。いくら優秀なデザイン会社であったとしても、情報が漏れるかもしれないという心配のあるような会社では任せていただけないので、信頼していただいて仕事をさせていただけているのはありがたいです。 われわれの仕事はパッケージでモノが売れるのが使命で、それに対するクオリティーやどうすれば売れるかを追求しながら日々やっています。

優秀なデザイナーが新しい課題を探して発想する デザイン・シンキングがわれわれの強み

パッケージデザインは直接売り上げに結びつく仕事ですよね?

そうです。消費者はパッケージを見て商品を買いますよね。メーカーさんから「売れるパッケージデザインを」と言う要望があります。当然われわれもそれを考えてデザインをするわけですが、特に日用品の場合は、売れて、かつリピーターが生まれないといけないわけなんです。どうすればその商品が売れるのかを考えていくと、商品開発まで手がけることもありますね。

パッケージから発展して商品開発も?

メーカーさんも日々あらたな商品を生み出していく使命があるので、そういうネタを欲してらっしゃるわけなんですよね。なので、デザイン会社ならではのクリエイティブな発想を追加したよりよい商品を提案させていただいて、さらなる信頼関係を強くするのが、われわれの目指すところだと考えています。 デザインは本来、ブランディングから入っていかないといけないですよね。それがいわゆるデザイン・シンキングだと思うんです。

ディレクターとして常になにかを求め 満足することはない

東矢さんがこの業界に入られたのは?

私は子供の頃から父の仕事を見て、大きくなったら後を継ぐと当たり前のように考えていましたね、洗脳されたのかも知れないですが(笑)。実際社会人になり、印刷会社から広告代理店勤務を経て、現代企画に入りました。広告代理店ではマーケティングやデザインの勉強をしたのですが、その頃はデザイン会社に仕事を依頼する側だったので、デザイナーさんには無理難題を言ってしまっていたなと思います(苦笑)。

今は現場のデザイナーに対してどのようなお考えをお持ちですか?

いつもあーしたい、こーしたいと言うモノがあるだけに、満足することはありません。つねに厳しいと感じているんですね。なにをしたら満足をすると言うのはないのですが、今よりもさらに仕事のクオリティーを上げたいですし、自分と同じ思いの若い人材を育てたいと言う目標もあります。

お客さまの喜びを 自分の喜びにできる人間であれ

シンボルマークは「企業は人なり。同じ思いの人々が集まり、現代企画の人間は、皆常に進化していくことを象徴するとともに、企業として進化、発展していく」ということを表現しています。

シンボルマークは「企業は人なり。同じ思いの人々が集まり、現代企画の人間は、皆常に進化していくことを象徴するとともに、企業として進化、発展していく」ということを表現しています。

どのようなデザイナーを育成したいとお考えですか?

メーカーさんや消費者から「ありがとう、こんな商品が欲しかった」と言っていだだくことに最大の価値を見出し、努力する人間になって欲しいと考えています。今いるメンバーにも「お客さまが満足するデザイナーになりなさい」と言っています。 「こんなデザインができた」と言う喜びは案外小さいものなんですね。大したことはない。そのデザインを見て喜んでもらえるから、また次に更に良いものをつくりたいという思いにつながっていくんです。

自分がデザインしたものが売り上げに貢献できれば、喜びになりますよね?

そうなんです。外食産業などと同じ話になってくると思います。『お客様の笑顔が見たいから』と言う気持ちですね。本質的にはどの業界もそうだと思うのですが、デザイン会社はあまりそういうこと言ってこなかったように思います。 それで自分が現代企画に入って『質の高いサービスを適正な価格で顧客に提供し、会社の発展、社員とその家族の幸福、取引会社の発展、人類社会の発展、幸福へ貢献する』という経営理念を作ったんです。小さい会社では、社長の考えはトップダウンで、社員はただ聞いとけ!というところも多いと思うのですが、私は若いデザイナーとも会社の存続理由を共有したいと思っています。

そんな企業理念に共感して、人が集まってくるのですね。

ただ、学校を出たばかりの若いデザイナーの中には、打たれ弱い子も多いんですよ(苦笑)。叱ったり、少し厳しいことを言うと、親にもそんなことは言われたことがないと言って辞めてしまう子もいるんです。なので、弊社では面接でめちゃくちゃ厳しいことを言います。「なんじゃこの会社は」って思う人もいるかもしれないですけどね(笑)。

それでも、やりたいと言う人を求めているのですね?

そうですね。愛情があるから厳しいことも言うのです。会社の規模は追及していません、それより、「この会社に身内を入れたい」そう思えるような会社にしていきたいですね。

いしきりんオフィシャルブログ http://ameblo.jp/isikirin/

いしきりんオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/isikirin/

取材日:2014年12月4日

現代企画株式会社

  • 代表取締役:東矢 春夫
  • 設立:1976年7月7日
  • 事業内容:商品開発・プロダクトデザイン、ネーミング開発、パッケージデザイン、キャラクターデザイン、他グラフィックデザイン・展示会企画
  • 所在地:〒530-0027大阪市北区堂山町15-4 アクトスリー6F
  • TEL:06-6311-3357
  • FAX:06-6311-3358
  • URL:http://www.gendai-net.co.jp
  • お問い合わせ:上記HP「お問い合わせ」より
続きを読む
TOP