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ヒーローショーを通して、人は誰もが、誰かのヒーローになれることを伝えたい

福岡
株式会社悪の秘密結社 代表取締役 笹井 浩生 氏
※写真はヤバイ仮面
株式会社悪の秘密結社。一度聞いたら忘れられない、インパクトのある名前を掲げた会社が福岡にあります。代表を務めるのは、ヒーロー好きが高じてヒーローショー専門のイベント会社を立ち上げたという笹井浩生(ささい こうき)さん。自らヒーローになることもあるため、今回は素顔NG。でも実はさわやかな好青年でした。会社設立までのキャリアや現在の仕事、これからの展望までお話を伺いました。

子どもの頃からヒーローに憧れて、会社を設立

笹井さんはもともとヒーローが好きだったのですか?

子どもの頃から仮面ライダーに憧れていました。高校生になると大手の事務所に所属して、アルバイトのスーツアクター※1としてヒーローショーに出演していました。悪役の戦闘員から始まり、戦隊モノの主役を務めたことも。中でも印象に残っているのは、悪役としてヒーローと戦った大舞台。ヒーローを倒すと、2,000人くらいの観客(子ども達)がヒーローに「頑張れ!」と一斉に声を上げ、そのものすごいパワーに感激して、スーツの下で泣きながら戦いました。体育会系の厳しい世界でしたが、ますますヒーローショーに魅かれていきましたね。
※1 変身ヒーローや怪人・怪獣の「着ぐるみ」や「スーツ」の中に入って演じる俳優。

高校卒業後はヒーローに関わるような仕事を?

いえ、スーツアクターで生活するのは難しいとわかっていたので、福岡市の時計販売会社に就職しました。3年働いて店長も務めました。その後、広告会社に転職して、3年半、営業マンをしていました。社会人になってからもヒーロー熱が冷めず、時計店では「ウォッチマン」というヒーローをダンボールで作って店頭に立ったり、広告会社の忘年会でも着ぐるみで場を盛り上げたりしていました。

そして、この会社を立ち上げられたのですね。

いつかはヒーローショーの会社をやってみたいと思い、在職中から構想を練って資料を作ったりしていました。そして2016年3月、26歳で悪の秘密結社を立ち上げました。やらないと後悔すると思ったんです。

ヒーローのショーとコンサルティング事業を展開

「悪の秘密結社」ということは、悪役専門ということですか?

悪役だけを扱っています。悪を選んだのは、世の中にないものを作りたかったから。ヒーローショーの事務所は全国にありますが、悪専門の株式会社で、しかも他の仕事をせずにこれ1本というのは、おそらく全国初の取り組みだと思います。

会社設立から2年目の現在の事業内容を教えてください。

メインの軸は2つです。ひとつはヒーローショーのイベント事業です。クライアントが自社のキャラクターを持っていたり、一般の人がヒーローを演じたりするのに対して、当社は悪役を務めます。当社のメインキャラクターは悪の「ヤバイ仮面」で、あえてキャラクター設定をしていないので、どんなヒーローとも戦うことができます。ショッピングモールやデパートでのショーをはじめ、図書館の館長や幼稚園の先生を相手に戦うことも。あらゆるヒーローに柔軟に対応できるのが利点ですね。

いろいろなヒーローを相手にするということは、その度にストーリーを考えるのでしょうか?

はい、お客さんの要望に合わせて、オリジナルのショーを作ります。ショーの台本を作るのはもちろん、ヒーローに合わせて攻撃の仕方やかわし方など細かい動きを考えて練習します。例えば、あまり足が上がらないヒーローが相手なら、しゃがんでキックを受けます。舞台装置や音響もアレンジしますし、1回のショーをするために、実は多大な準備が必要なのです。

なるほど、手間がかかるのですね。では、2つ目の事業は?

もうひとつの事業は、ヒーローのコンサルティングです。日本にはご当地ヒーローやゆるキャラが約3,000いるようですが、活用されずに倉庫で眠っているものも多いんです。それをどう再活用するか相談に乗るという事業をしています。また、行政や会社が新しくヒーローを作る際の監修などもしています。

創業への思いを込めた、ユニークな行動指針

会社のエントランスに飾られている「行動指針」はユニークですね。特に01の「誰でも誰かのヒーローである」というのは深いと思いました。

ありがとうございます。それは、私がこの会社を作った理由のひとつでもあるんです。子どもにとって本当のヒーローはお父さんやお母さんです。大人も子どもも、みんな誰かを守るためにそれぞれの社会で戦っているんじゃないでしょうか。当社の活動を通して、誰もがヒーローであり、誰もが誰かのヒーローになれることを伝えていきたいと考えています。

現在、会社は何名で運営されているのですか?

私が代表で、取締役1名と社員1名の計3人です。ほかにスーツアクターなど20人ほどのスタッフがいます。取締役は劇場の持ち主で、月1回そこでヤバイ仮面のショーを開催しています。ショッピングモールのショーに来てくださるのはファミリーがメインですが、劇場のお客さんはほぼ20~40代くらいの女性なんですよ。キャーと黄色い声援があがり、自作のグッズをプレゼントしていただいたりして。そのようなファン層は想定していなかったので驚きましたが、熱く応援していただけることは本当にありがたいです。

賛同してくれる仲間を増やしつつ、ブランディングで認知度UP!

今後はどのような展開を考えていますか?

活躍の場を広げるとともに、ブランディングをして認知度を上げていくことも大切だと考えています。ヤバイ仮面のツイッターは今6,600人ほどのフォロワーがいて、ご当地キャラとしては上位にランクインしています。メディアに積極的に出て、スポンサー契約してくださる会社を増やし、キャラクタービジネスも展開していければと考えています。これからも、うちにしかできないことをやっていきたいです。

笹井さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?

当社は「悪の秘密結社」ですよ(笑)。それなのに、私の思いに賛同して一緒に働いてくれる社員にはとても感謝しています。社員の男性はもうすぐ結婚を控えていて、この仕事を理解してくれるパートナーや双方の親御さんもいる。ますます頑張らないといけないなと身が引き締まります。仲間が増えていくことはすごくうれしいですね。 創業当初はやっていけるか不安なときもありましたが、今は少しずつ社会に認めてもらえるようになりました。好きなことを仕事にできて、これ以上ないくらい幸せです。

最後に、読者であるクリエイターに向けてメッセージをお願いします。

大切なのは、いろんな意味で愛じゃないでしょうか。勢いがある会社や人は、根底にやはり愛があるなと思います。

取材日: 2017年5月25日 ライター:佐々木恵美

株式会社 悪の秘密結社

  • 代表者名:代表取締役 笹井浩生(ささい こうき)
  • 設立年月:2016年3月
  • 事業内容:ヒーローショー・キャラクターコンテンツに特化した総合イベント事業
  • 所在地:〒810-0001 福岡市中央区天神3丁目7-3 タワーズ天神4F
  • TEL:092-611-8818
  • URL:http://akunohimitsukessya.com/
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