WEB・モバイル2019.02.20

楽しくなければ意味がない。スキルを磨いて作り手、クライアント、ユーザー全てが笑顔になる仕事を。

札幌
株式会社アットプラスデザイン 代表取締役 伊藤 和広 氏
印刷、製版、DTP業界から始まり、CGアニメーション、ゲーム、システム開発など様々な制作現場でその力を磨いてきた株式会社アットプラスデザイン代表取締役の伊藤和広さん。高いスキルで幅の広い仕事をこなす人材の育成や「仕事を楽しむ」という会社のモットー、今後取り組んでいきたい分野などお話をお聞きしました。

人気雑誌のデザイナーだった兄の影響で印刷、製版、DTP、デザイン業界へ

現在の会社を立ち上げるまでの伊藤社長のキャリアを教えてください

私は北海道出身ですが、当時、雑誌「POPEYE(ポパイ)」(マガジンハウス)のグラフィックデザイナーだった兄の影響もあり、東京で印刷、製版、DTP業界に入りました。そこでデザインや印刷、製版、DTPなど制作の基礎を10年ほど勉強させていただき、素晴らしいデザイナーやカメラマンに出会い、編集の素晴らしさや過酷さを学びました。その会社を退社後は札幌に戻りアニメーション会社に入社。1995年から1996年にかけてテレビ東京系列局で放送された「アニメ缶」という番組内の「ビットザキューピット」というアニメの制作現場で制作進行・制作ディレクター・制作プロデューサーを担当しました。日本で制作された連続アニメとしては初めてのフルCGアニメーションでした。その後はゲーム・ソフト開発会社に入り、営業、制作プロデューサーとしてゲーム・システム開発、Web制作、サイト構築なども経験しました。Web制作やサイト構築は黎明期で、その当時はまだコーディングなんて言葉もなかった時代ですね。これらの経験から、制作や開発のすべてはデザインとの融合がなければ面白いものは作れないのだなと感じていました。

その後はお兄様の会社に入られたのですよね

その頃は兄がすでに独立し東京でデザインプロダクションを経営していました。この時も兄の影響を受けて「自分も独立しよう」と思っていたのですが、「それならうちの会社で北海道担当になってみないか」と兄に声をかけてもらい、兄の会社「株式会社アニーデザインオフィス」の北海道支社支社長として入社し、立ち上げました。これが2000年頃の話です。
会社では色々な企業のデザイン制作やシステム構築などを受けていましたが、東京と北海道ではかなり畑が違っていて、当時私が受けていた仕事で多かったのは自治体HPの制作やシステム開発・構築です。北海道全域へ何度も出張して年単位の時間をかけて提案をし、コンペ・入札を経て受注するという流れです。新参者のデザインプロダクションだったので、自治体から直接仕事を頂けず、コンペを勝ち抜いた会社の下請けという形でシステム構築やWeb制作を受ける場合も多くありました。兄の会社では10年ほど働き、その後札幌で独立しました。

独立のきっかけは何でしょうか?

簡単に言うと営業方針の違いですね。兄は東京で私は北海道。東京と北海道では仕事の種類や内容、クライアントの傾向も異なります。北海道の仕事をメインにやりつつも、こちらは支社ですから本社から振られる東京の仕事もこなし……同じ仕事に対しても少しずつ考え方のずれが出てきてしまったのです。それでここで袂を分けて北海道で独立することになりました。

企画提案からシステム構築までワンストップで提供できる人材を育成

御社の強みはどんなところだと考えますか?

Web制作案件は業務が細分化されて担当が分かれていることがほとんどだと思うのですが、当社は1人の担当者が一連の流れを全て行うことができるということが強みと言えるのではないでしょうか。クライアントに新しい企画を出し、企画に基づいたデザインを考え、システム開発やコーディングまでできる。そういう人材を育てることに重きを置いています。もちろん育成には時間もかかりますし、全員が全員そうなれるかというと難しい部分もありますが、その方が幅の広い提案ができるのです。

企画からデザイン、システム構築までとなると、社員に求めるレベルもかなり高いのではないでしょうか?

初めから全てできなくても大丈夫ですよ。当社はインターンに来ていただいてそのまま入社してくれた方も多く、実務経験がない・少ない方も時間をかけてしっかり育てるつもりで人柄やポテンシャルも見ながら採用を行っています。技術的なことは先輩スタッフが教えますから、それよりも興味を持って楽しく取り組める方、コツコツやりきる力を持った方が伸びると思っています。Webやシステムの技術進歩は目覚ましいですから、今年からは最新技術を学ぶ勉強会を定期的に行うことにしました。例えばコーディングやシステム構築に関しては現在主流のPHP※1とMySQL※2はもちろんGo※1なども勉強しています。デザイナーがプログラミング言語を学ぶのはなかなかハードルが高いですが、そこはやはりそういったものが好きな人が集まっているので、みんな興味を持って取り組んでくれていますね。

※1 PHP、Go…プログラム言語。GoはGoogleによって開発されたプログラミング言語で従来の言語と比べて処理速度が速く、利用者が増えてきています。 ※2 MySQL…サイト構築やシステム構築で使われるデータベース管理システム

仕事をする上でモットーとしていることは何ですか?

楽しむことですね。全てにおいて、楽しくないと意味がないと思っています。もちろん仕事ですから大変なことや辛いこともありますが、その中でも自分で楽しめる部分を見つけて楽しい仕事に変えていくことを心がけています。私自身は仕事の成果が表れた時に目的にぴったりとはまり、クライアントに喜んでもらった時が一番嬉しく楽しいです。仕事とは本来楽しいものだと思いますよ。若いスタッフも楽しんで仕事ができるように、私のような年長者が楽しく働いている姿勢を見せていきたいと思っています。

様々な分野で楽しめるシステム開発を

今後注力したい分野などはありますか?

医療や健康の分野で人の役に立つシステムの開発をしたいなと思っています。以前にもウォーキングの時間や距離、歩数を測定して旅行に見立てるゲーム仕立ての健康管理システムを自治体と共同で開発したことがあります。人の役に立つもので、ちょっとゲーム性があって楽しんで使えるようなシステムを考えるのが好きなんです。具体的には秘密ですが、現在も医大の先生方と共同開発中の医療系案件もあります。

今後の展望を教えてください

会社をすごく大きくしようとか売り上げを倍にしようとか考えているわけではないのですが、将来的には東京に拠点を一つ置きたいなと思っています。東京からの仕事の問い合わせを受けることも多々あるのですが、物理的に離れているので打ち合わせが大変で。電話やメールで事足りる場合もありますが、実際に会って打ち合わせが必要なものも多いので都心に拠点が一つあると東京の案件も進めやすくなるのではないかと考えています。

東京支社設立ですね。ぜひ実現してください。

現在当社には在宅で仕事をしているスタッフもいます。家庭の事情で毎日出社してフルタイムで働くのは難しいけれども、能力は高いという方はたくさんいます。今は主に主婦の方がそうですが、これからは女性に限らず男性もそういった働き方がしたい方は増えてくると思いますよ。東京に拠点を作った時には、事務所へ常駐のスタッフは1、2名にして、制作スタッフに関してはそのような在宅スタッフを中心にしたいなとぼんやりと考えてもいます。これからの時代の流れにあった新しい企画やシステムを提供する会社ですから、働き方や考え方も新しいことを柔軟に取り入れて、楽しく仕事をしていきたいですね。

取材日:2019年1月22日 ライター:小山 佐知子

 

株式会社アットプラスデザイン

  • 代表者名:代表取締役 伊藤 和広
  • 設立年月:2006年11月7日
  • 事業内容:Webサイト制作、Webアプリケーション開発、ロゴマーク制作、大型モニター情報発信など
  • 所在地:〒064-0914 北海道札幌市中央区南14条西7丁目3-40 コルブ606
  • URL:https://atplus-design.com/
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