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最適化志向でよりよい社会のしくみをつくる

広島
株式会社イーズド 代表取締役 中山 達矢 氏
生活様式が進化すると同様に、ビジネススタイルも日々変化しています。マーケティング分野ではインフルエンサーと呼ばれる職種も誕生。 個々がSNSで自由に口コミ拡散するIT新時代の到来は、職場におけるテレビ会議システムの活用やリモートワークなど、労務分野にまで影響をひろげ、日本国内でも多様な働き方を生み出しています。 会社員として働く父親の後ろ姿に自身の未来を投影し「働くことを通じてよりよい社会のしくみを作りたい」と思った中山 達矢(なかやま たつや)さんは、既存方式にとらわれがちな国内企業のビジネス展開に疑問を抱いてきました。その疑問を解決する「最適化志向」を実践し、よりよい経営システムを社会に還元するため、中山さんは株式会社イーズドを立ち上げます。リモートワークを採用し、グーグル認定事業者として確固たる視点で新時代のマーケティングに取り組む中山さんの「最適化志向」とは?

ぶれないマーケティング理論を展開

事業内容について教えてください。

弊社は2016年にグーグルパートナー資格保有事業者として認定されました。現在の主要事業は「マーケティング顧問」と「Webアプリ開発」の2本柱です。 「マーケティング顧問」については、商品の宣伝を全て請け負う「代行」ではなく、クライアントに「ジョイン」して進めます。私がクライアント先のマーケティングチームに入り、CMO(Chief Marketing Officer : 最高マーケティング責任者)として動くのです。チームの人間には、知識と具体的なノウハウを教育します。指導したことを要員に実践してもらい、ちょうどいいフェーズになった頃、私は現場を離れます。

クライアント先では、どのような指導を?

Webを通じてクライアントの悩みを解析し、マーケティング戦略を打ち出します。相談内容の多くは「売り出したい商品の的確な販促方法がわからない」「営業人員が不足しているため、効率よく最大限の業績を上げたい」で、アナログな営業販売をしている中小企業様がほとんどです。人海戦術で営業人員が1軒1軒インターホンを押して回るスタイルですね。なかなか成果が上がりませんよね。まず提案から始めます。「御社の事業で、そのスタイルは最適ですか? 別のプロモーション方法を考えてみませんか?」と。 営業として働いている人のことをイメージしてください。1軒1軒訪問することは、その人の時間が「訪問する」という物理的行為に充てられます。それって限界がありますよね。 労働時間が1日8時間の企業であれば、営業担当一人あたり8時間でその日が終了です。そんな限界をWebで置き換えませんかという提案です。

限界をWebで置き換えるとは?

例えば、まずECサイトを作ることから提案し、最終的には「ECショップで決済までできますよ」とクロージングをします。ECサイトをつくることで、営業担当者は訪問に費やしていた時間を減らすことができる。代わりに、クロージングやコンサルなど、より深みのある営業に時間を割くことができ、結果BtoB営業率が高くなります。すなわち「将来こんなことをやりたい」という新規事業の提案が増えて、ビジネスチャンスも生まれやすい。反対にBtoC営業ではWebの特性を最適に生かしたいと考えます。人海戦術など従来型の営業方法に固執するクライアントにはまず、IT知識の土台作りとしてWebの特性を話して「なぜECサイトが営業効果を上げやすいか」を伝えます。営業に廻るのは人間ですから、最終的には「従業員が柔軟に働ける、時代に合ったスタイルを目指しませんか」と労務面まで視野を広げ、クライアントの事業が最大限加速していけるような仕組みをつくっていきます。

もう一本の柱であるWeb開発について教えてください。

2017年にRA-X(ラクロス)というマッチングサービスを開発しました。 「楽をする×クロス(マッチング)」という、そのままのネーミングですが(笑)。 要望を楽に解決して、楽に希望する相手を見つけられるWebサービスです。

そのマッチングサービス「RA-X(ラクロス)」は何と何を結びつけるのでしょうか。

RA-X(ラクロス)はビジネスマッチングサービスです。弊社はマーケティング理論に基づいたWebサイトの制作コンサルティングに強みを持っています。たとえば「この作品を売り出したいから公式ホームページをつくろう」という状況になったとしましょう。自分自身がクリエイターでない場合、制作をお願いする業者をネット検索しますよね。そこでひとつ問題が生じます。「自分が作りたいWebサイトを、その業者が本当に作れるのか」という問題です。ここの部分って、自分自身にWebサイト制作の知識でもない限り、なかなか判断し切れないですよね? 結局「安いから」と金額でチャレンジングな決断をすることになる。「Webで検索してみたけれど、納得するものができなかった」というケースも少なくありません。そんな失敗が怖い人は第2ステップとして、複数業者から一括で資料請求ができる「相見積もり」サイトへ向かっていくんです。

職場でも「とりあえず、相見積もり取って」と上司から頼まれる場面が多いです。

「相見積もり」っていいところと悪いところがあると思うんですね。 相見積もりサイトでWeb制作を発注したとします。たとえば5社から見積もりメールが来ます。その5社をまじまじと見比べた後、判断しなければならないのは結局自分なのです。自分で良いか悪いかの判断基準がわからないのに、正しく選べるでしょうか。 選ばれた業者側にしても「価格で選ばれているのだったら、私たちはここまでしかしません」といった「価格に応じた対応」になりがちです。そうした状況は依頼する側、される側の双方にとって好ましくありません。Web業界全体にも悪い印象を残すことになる。 そこでRA-X(ラクロス)は、制作を頼む側と頼まれる側がうまくひもづくように、アルゴリズムを組みました。依頼者が入力するWebに対する要望と、アルゴリズムから選定された最適業者を複雑な計算式で絞り「あなたの理想としている制作業者はここです」と、1社だけを提案するマッチングサービスで、手間と時間の削減も可能にしました。

会社勤めの父が向き合う社会環境が、自らの転機に

その人に合った1社だけを提案するアプリ、最適化を伝える中山さんの面目躍如といったところですね。中山さんはどのような経緯で最適化志向にたどり着いたのですか?

最初の転機は中学時代です。医療機器メーカーの営業職として勤めていた父が、台湾営業所長に任命されて一家で台湾に移住しました。私は台北日本人学校に通いました。学校はとても楽しかった。生き方もさまざまな生徒が集まり、いろんな価値観を知ることができた。学校側も生徒の多様性を認めてくれ、責任ある自由な雰囲気が漂っていました。父も悠々と勤めていると思っていたんです。それがある日、父が会社に意見し、対立して帰ってきました。「会社を辞める」と。 それで中山家は帰国しました。そのとき思ったのです。「楽しく働けなければ、働く意味がないのではないか?」と。

子どもにとって親が(ご両親がとか、お父さまがとか)社会でもがく姿に直面するのは、つらいですね。

私は当時、義務教育下の学生で、ビジネスや社会について疑問を投げかける人が周囲にいませんでした。胸の奥に疑問を抱えたまま帰国し、都内の公立校に通い始めました。すると今度は自分が日本の学校教育に対して疑問を抱くことになったのです。同級生の個性が、なさすぎる。私は異文化理解への造詣が深い友人にたくさん出会えることを期待して、高校(英語科)に進学しました。殻を破って外を知ろうという、好奇心の強い友人を作りたいな、と。でも、そんな友人には出会えませんでしたね。ショックでした。台湾の日本人学校では「ある程度、自分でやってみよう」「囲いをつくらず、外に出よう」という環境が、あたりまえだったからです。「多様性がない日本。没個性をよしとする社会はこの先、大丈夫なのか?」と思いました。そこでビジネスを通じて社会をよくするしくみを学びたいと考え、大阪市立大学経済学部に進学。卒業後は大手住宅メーカーに入社しました。

代表的日本企業ですね。

私が入社したのは「世界で一番、住宅を供給している」と評される企業です。しかし日本は人口減少が叫ばれて久しい。にも関わらず住宅を供給し続けることは、ビジネスとして均衡がとれるのかという前提が私にはありました。そのジレンマを解消する秘策があるならば、それを探ろうと入社したのです。「このビジネスは最適か、それとも真逆か」と問い続け、3年超営業職として働きました。会社とのズレを感じる日もありましたが、とりあえず会社から言われたとおりにやることに努めました。ついこの前までに学生だった私が、すぐに父の会社員としての働き方を否定しても良くない。自分が会社員としてどんな感情が芽生えるか、世の中の会社員はどのように社会を見ているかを知るための就職でしたが、それは正しい選択でした。営業職として裁量を与えていただいたことは、見込客の選定からアフターフォロー、契約書の作成や社内での人事評価など法人経営に役立つポイントを数多く経験でき、次のステップとしていた法人経営に踏み切ることにも繋がりました。

営業職としての経験が 法人経営へのステップに

広島で起業されたのは、なぜでしょうか。

前職の配属先が広島支店でした。その縁で私は広島に移住し、退職後そのまま広島で起業しました。ただビジネスは広島に限らず、どこでやっても成功するモデルでないといけないはず。土着型ビジネスは行き止まります。広島では多くの企業が土着型で運営しています。「古くからのつきあいだから信頼できるよね」と旧ネットワークに頼りがちな風潮です。新しいものを取り入れたがらないし、自分の知らないことは勉強しない。環境や人は変えることはできません。その人が自分から気づきを得て自分から変わらなければ。そのマインドを大切にして私は現状を逆手にとり、今広島にいるからこそできる「非土着型の働き方」に可能性を見出しているのです。弊社ではロケーションにとらわれないリモートワークを導入しています。

リモートワークを導入されたのも、最適化志向のひとつですね。

最適化志向からすると通勤時間は無駄じゃないかという発想になります。弊社では東京や金沢のスタッフもリモートワークで働いています。「広島に移住してください」と、こちらもなかなか言い出せない。なぜなら、その人がいまその地を選んでいるのには理由があるからです。その人がやりたいことは今、その人が選んだその地にある。それなのに「会社にいないといけない」とがんじがらめにしてしまうのは、その人の可能性を狭めてしまっているに他ならないのです。

一緒に働く人の生活や気持ちにまで配慮されるのですね。他人思いでいらっしゃいますね。

他人のことしか考えていないです。しくみをつくるということは他人の視点で考えるということです。だから各人の視座は大切にしたいと思っているんです。メッセージを強烈に伝えるクリエイターは芸術的視座で最適化を生み出し、それで畑を起こさないといけない。「他人のために」と考える場合は、社会のしくみに疑問を投げかけつつ、よりよいビジネスモデルをつくることが最適化ということです。理想を求めて生まれた次のプランが「感動経済」の社会づくりです。

「感動経済」をアプリで表現

アプリ「感動経済」イメージ

中山さんが次に目指す「感動経済」モデルを教えてください。

人の感情には深さがありますよね。「ありがとう」ひとつにしても、そのときの状況や立場、年齢によって感じ方は異なります。結局人間の感情は「どれくらい感動したか」という深さで左右されると思うのです。感動が深ければ深いほど「お金だけが大切」という執着から解放されます。「感動経済」においては、お金の価値だけが認められる社会ではありません。ただ「やってもらって、ありがとう」で、他人とつながります。お金の存在を無視したわけではなく、お金に対する執着心を捨てた結果、全員が100兆円もっているのと同じ、満たされた状態になるのです。執着や固定観念から解放されれば、自分の与えたい人に深く感動を与えられる社会も夢ではありません。他人をだまして何かを盗もうという悪しき感情もなくなります。ただ、私のようなオプティマイザーが語る「感動経済」と世論とでは解離があると思います。だから「感動経済」をアプリで表現し、皆さんに使っていただくのが私の新しいビジネスモデルです。ちなみに今、開発中の「感動経済」アプリではコインを扱いません。「純粋にいいことをし合いましょう。この人がした良いことも残るし、良いことをみんなに見てもらえます」というアプリです。2019年の春頃リリースの予定です。楽しみにしてください。

取材日:2018年12月12日 ライター:信永 真知子

株式会社イーズド

  • 代表者名:代表取締役 中山 達矢
  • 設立年月:2015年
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:Web顧問、各種アプリ、Webサービス開発、IT人材の育成、 Web担当者の研修、デジタルマーケティング講座の開講
  • 所在地:〒732-0804 広島県広島市南区西蟹屋3丁目3番12号
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