WEB・モバイル2019.01.23

金融・保険業界で得た知見とスキルにより本質をついたコンサルティングで企画からツール制作までワンストップで対応

大阪
株式会社イーストブロー 代表取締役 佐々木 利記 氏
パーソナルよりパブリックを重視しているというのは株式会社イーストブローの佐々木利記代表取締役社長。自身の利益よりも、仕事の面白さ、また会社としてどれだけ社会に貢献することができるのかに重きを置き、現在、金融・保険業関係を中心に企業のコンサルティングから企画提案、印刷物・Webなどのツール制作に至るまでワンストップで対応しています。
高校卒業後すぐにバンド活動を始め、東京に進出するものの約10年後に解散。その後ビジネスパーソンとして様々な職場でスキルを磨き、金融業界に特化した知見を深めてきました。一見かけ離れているように見える経歴ですが、佐々木社長は「内に秘めるものは何も変わらない」と語ります。
現在、プロデューサー、ディレクターのプロ集団の会社を経営する中で、社員には「かまへんで精神」でチャレンジ精神を育み、お客様には「give(与える)精神」で信頼関係を築いていく、社名のとおりビジネスに「風」を起こし続ける佐々木社長にお話をうかがいました。

バンド活動で得た財産

これまでのキャリアについて教えてください。

30歳までブラックミュージック系のバンド活動を精力的に行っていたのですが、なかなか売れずに解散することになってしまったんです。その後、派遣社員などで様々な職場で働く中、銀行業務の管理系の職場に勤めていた時に企画書作成や色々と陣頭指揮を任されるまでになり、仕事で関係のあった大手印刷会社の金融チームの方から僕の仕事振りを見て一緒に仕事がしたいと声を掛けていただいたのです。それが独立するきっかけとなりました。

金融業界に転身し活躍されていますが、もともと関心をお持ちだったのですか?

特に無かったのですが、バンド活動ってカルチャー的なものに造詣がないとできないため、文学から経済書まであらゆる書籍を読みあさるのは当たり前にやっていましたので、提案する場面では、すぐにビジョンが浮かび上がる位の素養がたまたま形成されていました。弊社は来年で10期目になるのですが、知識や人間力はバンド時代に培ったものを切り出してやってきた気がします。今、金融関係のコンサルタントとして、お客様が発信したい何かしらのゴールに向け、それをカタチにする材料を用意して提案し推し進めていくプランニングの仕事って、自分たちにメッセージがあって、音楽に乗せて伝えていく作業と僕の中では何ら変わらないんです。

一見かけ離れているように見えても核となるものは繋がっていたんですね。起業時はどのようなお仕事をされていたのですか?

東京で2009年に設立して大手印刷会社様からの仕事で金融や保険関係のマニュアル、発行物の企画制作に携わっていました。しかし、東日本大震災の影響で仕事が一時ストップしてしまったので大阪に戻り、今までの仕事を遠隔でしつつ取引先が一極集中することに危機感を覚えたため、営業もするようになりました。様々な代理店やクライアントと仕事をするうちに、プロモーションやブランディングなどこれまでに経験したことのない仕事の要望も出てくるようになり、それらに応える内に事業内容がどんどん拡大していきました。

新しい刺激が会社の可能性を広げていく

新規の分野で壁にぶつかるようなことはなかったのですか?

僕自身が安定志向ではなく新しいことにチャレンジすることが好きなので、ノーは言わずまずはやってみようという感じです。分からなければ自分で理解できるまで調べますし、お客様のホームページ等の資料を約款も含め全てダウンロードし網羅します。また事業内容が拡大する中で、僕自身の仕事へのモチベーションのフェーズに変化があり、最初は目の前にいるお客様を喜ばせたい、そこが達成できてくると次はそのお客様の後ろにいるクライアントを喜ばせたい、今ではその先にいるエンドユーザーや社会の為に役立つのかまで考えるようになりました。自分の考えの裾野やビジネスの面白さ、難しさというのもどんどん広がってきて、仕事に追われてまともに眠れない日々もあるのですが、苦しさよりも楽しさのほうが勝っている感じです。

起業当初から事業内容も大分増えていそうですね。

そうですね。現在は、①BPコンサルティング事業部、②映像制作事業部の2事業部で構成しており、①に関しては、僕が元々していた金融関係や保険業界のセールスプロモーション・企画制作をしており、②はセールスプロモーションの中でも映像に特化していて、テレビCMや企業のVP(ビデオ・パッケージ)、YouTube用の広告動画などをシナリオ制作や俳優のキャスティングから撮影に至るまで基本的に映像に関すること全般を担っています。営業ではトップセールスに加え、コンサルティング業なども含め表に立ってお客様との折衝等をしています。弊社はディレクター、プロデューサーのプロ集団の集まりですので、デザイン・DTP等の実制作はすべて外注に出しています。営業部から弊社内のスタッフに仕事を振り分け、そのスタッフがコーディネーターとして企画編集をして、フリーランスの方やデザイン制作会社に発注し、ディレクションするといった流れです。

御社の強みを教えてください。

制作会社ではないというところです。ディレクションやプロデュースしていく側になるので、まずはお客様にとって何が良いのかを考えられる立場にいることです。本質で仕事をするという事が根底にあり、弊社の利益追求のために制作物を何でも作りましょうと提案するのではなく、お客様に必要だから作るのであって、例えお客様から制作物の依頼があったとしても、その予算を増員など別に回したほうがいいタイミングなのであれば、それをキチンとお伝えします。後は、企画からWebや印刷物などのアウトプットまでワンストップで対応していくので、単に制作するだけではなく原案を考えるところから付き合っていく会社という事で、お客様から気に入ってもらっています。先程打ち合わせしてきたお客様も、企業理念を作るところから一緒に入らせてもらっています。

仕事は何のためにやっている?

お客様にとっては心強いビジネスパートナーですね。仕事をする中で大切にされていることはありますか?

僕個人の生き方や考え方が、パーソナルよりパブリックなんです。オーナーとして会社をするとなると自身の利益を追求しがちなのですが、個人資産よりも事業で面白いことに取り組み、世の中の役に立つことや、社会が面白くなることに力を入れています。そこはバンド活動と変わらなくて、貧乏してでも良い曲を書いて届けたいという気持ちと同じです。初めから金儲けを考えて活動するバンドマンって少ないと思うんです。それよりもメッセージを届けたい、頑張っている人を応援したい、その想いと変わっていなくて、パーソナルな実益よりも皆がハッピーになることに自分がどれだけコミットできるかに興味があるんです。仕事は何のためにやっているの?って聞かれた時に、この社会に何か提案したくて会社をやっているとはっきりと言えます。バンドマンからスタートして組織人・会社員として企業に属し続けなかったのは、目の前の仕事をこなすところに、やりがいを見出して取り組むというパーソナルモチベーションがあまり感じられなかったからなんですね。それならむしろ自分で苦労してでも起業して仕事を楽しみたいと思ったんです。

今のファン(取引先)も佐々木社長の人柄に魅かれてお付き合いが長いのかもしれませんね。

普段の人間関係も同じですが、どれだけ相手にgiveできるかが大切だと思っていて、基本的にその方が信頼関係も成り立ち、会社運営も安定すると思っています。今お付き合いしている会社も社会的に面白いことをして貢献されているところばかりなんです。自社と自身の利益追求ばかりでお客様のことを考えていないところに弊社の知見やスキル、サービスを提供することはないです。

会社の強みをトリガーに新たな強みを創出

今後の展望はどのようにお考えですか?

お客様からの要望に事業部一体となってパッケージ的に提供していたことを各事業部のサービスをキチンと成立させて個別で発信していくことも考えています。コア・コンピタンス(企業の活動分野において競合他社を上回る能力)を対外的なサービスとして新たに別事業として展開するため、オフィスも増床移転しましたし、今後ますます増員していく予定です。

具体的にはどのようなビジョンをお持ちですか?

金融協業先が営業をかける際に、弊社がビジネスパートナーという事が強みになり契約が取れた仕事が増えてきています。その金融で培った信頼・ノウハウを活かしBPコンサルティング事業部では新たな攻めのサービスを現在開発中です。映像制作事業部に関しては、弊社取締役の佐藤央(ひさし)が映画監督もしていることから、企業向けのPVやCMのクオリティーが高いとお客様に評判なので、今後は企業のWeb広告やYouTubeでも、ドラマ仕立ての本格的なコンテンツとして仕上げることができる事業としても展開していく予定です。

今後事業を拡大される中でどのような人材を求められていますか?

専門性のある固定した人材登用というのはあまりしていなくて、基本的にすべてポテンシャル採用(実務経験がなくても知識や意欲を評価し採用すること)しています。スタッフ全員が日々の業務をこなしながら自分がやりたいことを見出し発展していけるような組織にしていきたいと考えています。僕は基本「かまへんで」精神なので、スタッフの意見を尊重して「それでいこうよ」て進めていきます。僕がいちいち業務命令ばかりしていると結果、従業員は何も考えずに従う人になってしまいます。任せている分何かあれば、僕がキチンとフォローに回りますので、一人一人にKPI(重要業績指数)を作って達成感とか会社や社会への貢献度を意識して仕事を楽しんでモチベーションを高く頑張ってもらいたいです。

取材日:2018年12月4日 ライター:川原珠美

株式会社イーストブロー

  • 代表者名:代表取締役 佐々木利記
  • 設立年月:2009 年4月
  • 事業内容:プロモーションプロデュース、コンサルティング業務
  • 所在地:〒530-0027 大阪府大阪市北区堂山町1-5 三共梅田ビル 7F オギャーズ梅田内
  • 電話:06-6314-6201
  • FAX:06-6314-6288
  • URL:http://www.eastblow.co.jp/#1
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