WEB・モバイル2018.12.19

サービスも組織も常にアップデート!

札幌
株式会社エフケー ICT事業部部長 松永 仁博氏
水産加工品卸販売からスタートし、現在ではWebサイトやECサイト制作、クラウドソリューションの提供なども行う株式会社エフケー。自社で実際にサービスを運用し蓄積した経験やノウハウを武器に、Google Appsリセラーの認定を受けGoogleのパートナー企業としても活躍中。今回はICT事業部部長の松永仁博氏に、水産加工品卸からクラウドソリューションへと事業の柱を大きく転換した経緯や、北海道の企業の間でも認知度が高まるクラウドツール活用のお話、今後の展望などについてお聞きしました。

水産加工品卸販売からスタートし、10年で事業の柱を大きく転換

御社の事業内容を教えてください。

水産加工品卸販売と商品配送、それからWebサイトやECサイトの制作・運用、クラウドソリューションの提供やコンサルディング、一昨年くらいからはガチャガチャの中身の販売も行っています。私自身はICT事業部でWebやクラウドソリューションの受注、導入・運用サポート、制作ディレクションなどを担当しています。

「水産加工品卸」と「Web制作」ではかなり業種が違うように感じるのですが、どのような経緯があったのでしょうか。

もともとは2008年に「ふじ観光企画株式会社」という社名で水産加工品卸販売業をスタートしました。当初は卸販売がメインなのでお付き合いのある企業との取引が中心。当時はまだスマホではなくガラケーの時代で、インターネットで食品を買うということはあまり一般的ではありませんでしたが、「インターネットショッピング」自体は一気に広がっている時期で、お付き合いのある企業さんからも「食品の卸や小売りでインターネットを使って売るのはどうだろうか?」という相談を受けるようになったんです。あまりに相談が多いので「これは需要があるのかも」と思って自分たちでもECサイトでの販売をスタートし、同時に自社で試して得たノウハウを他社へも提供させていただくようになりました。

クラウドソリューションの提供についても同じ流れで始まったのですか?

WebサイトやECサイトの構築、運用をするためにはクライアント企業とリアルタイムに密なやり取りをしなくてはいけません。そのために便利なツールはないかと探した結果、Googleのクラウドツールにたどり着きました。クラウドツールについても、まずは自社で取り入れて社内で運用してみてから本当に使いやすいと思ったものだけをご提案することにしました。

新時代の業務効率改善ツールを提案

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「クラウドソリューションの提供」とは具体的にどんなものですか?

メインでご案内しているのはGoogleが提供するG Suiteというクラウドサービスです。簡単に言うとGmailの企業版のようなもので、企業独自のドメインのメールや共有カレンダー、チャットツール、クラウドストレージなどを使うことができます。当社はG Suiteの提案や導入サポートを行う正規代理店「Google Appsリセラー」にも認定されており、ゴールドサポーターとしてGoogleのパートナー企業という立ち位置です。
クラウドサービスを導入して作業効率を上げようというのは最近ではすでにポピュラーな考え方で、北海道でも認知度は少しずつ増えてきています。Google Suiteは非常に使いやすいサービスで、あまり難しいことはなくパソコンやGoogleに馴染みのある方なら割と直感的に使えるのが魅力です。

北海道ではG Suiteの導入率はどのくらいなのでしょうか

北海道の企業での導入率は非常に低いです。業務基幹システムに関しては、「現状でまわっているならわざわざコストをかけて変える必要がない」と思っている方がとても多く、目的は業務効率改善なのですが、導入時にどうしても新規コストがかかるので、そこで足踏みをしてしまって、その先まで考えられていないというのが現状です。単純に新しいツールなのでよくわからないという方も多いですね。もちろん全てにおいてGoogleが万能なわけではないので、色々なツールと比較検討することも大切ですが、長い目で見るとセキュリティや保守、社内教育の部分も含めてコスト的に見合う場合が多いんですよ。北海道では意外に大手企業がクラウドツールを積極的に取り入れています。

御社の強みはどんなところにあると考えていますか?

当社で提案しているサービスや商品は基本的に自社で実際に運用しているものばかりなので、自動的に知見やノウハウが蓄積されますし、そこに特別コストをかけなくて良い分、他社と比べても比較的安価でご案内することができます。自分たちも便利に使っているサービスなので、自信を持ってご案内することができています。特にGoogleのサービスは短いスパンでどんどんアップデートされサービス内容が変更されたり増えたりしますので、「提案するための勉強」だと覚えることに必死になってしまうと思うのです。その点、当社ではすべて実際に社内でも運用しているので、アップデートや仕様変更に際して問い合わせをいただいてもすぐに対応することができます。
また、会社のスタートがWeb関連ではなかったということも強みかなと思っています。食品卸流通といった現場仕事をスタートに色々なことをやってきたからこそ、クライアントの本当のニーズを正しく把握し、ソリューション提案をすることができているのではないかと思います。

好きなことを仕事にしてワクワクしながら働く

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10年の間に事業の柱が大きく変わったことで、ご苦労もあったのではないでしょうか?

仕事自体を苦労と思ったことはあまりありません。この仕事は業界を問わず様々な企業から色々な話を聞けるのでとても楽しいと思っています。当たり前ですが企業によって考え方や求めていることは全然違います。さらには同じ企業でも時代によって考え方が変わってきます。この10年で当社はもちろん、IT業界も世の中も大きく変わりましたが、この先さらにどう変化していくのかと考えるのも楽しいです。社内的な問題で言うと圧倒的に人手が足りないので、それが苦労といえば苦労です。

スタッフ募集もされていますね。一緒に働くスタッフにはどんな能力を求めますか?

スキルや経験、資格などあまり特別なものは求めていません。しいて言えばGoogleが好きで、Webやクラウドサービスを使ってみたいと思っている方であれば良いです。この分野に興味がある方が楽しく働けますし、新しい知識を学ぶのも苦にならないと思います。現時点でいくら知識があっても、Web業界は日進月歩でどんどん新しいサービスが出るので、好きじゃないとなかなかついていけないですから。 私自身はオンラインゲームが好きで、今でも帰宅後に毎日ゲームをしているのですが(笑)、目標をクリアするために目の前のミッションを一つひとつクリアしていかないといけないという部分では仕事もゲームも同じだと思っています。目標達成するためのミッションが、人と関わるかどうか、面倒かどうか、作業として好きか嫌いか……くらいの違いしかないと思いますよ。自分自身の目標や好きなことがあってそれを大事にしながら働ける人であれば良いですね。個人的にはオンラインゲームが好きな方であればなお良しですけど(笑)。

会社の今後の展望を教えてください。

基本的には今後もGoogleと組んで仕事をしていきたいと考えています。Googleが新しいことをどんどん進めていくので、私たち自身が何か新しいことをとはあまり思っていません。それよりも、現状で満足してしまっている方たちをどうやって新しい時代に引っ張り出していこうかということを考えています。Googleを札幌に呼んで一緒にセミナーを行ったり、大手のシステム系の企業と組んで合同セミナーを行ったりしています。クラウドツールやサービスは登録自体は無料のものも多いので、まず知ってもらい登録してもらって直接連絡や相談ができるように企業同士をつなぐ活動をしています。これからはWebやEC、クラウドが当たり前に身の回りにある世代の人たちが増えてきますので、そういった人たちが今度はどんな新しいサービスや見たことのないシステムを作っていくのだろうと思うととてもワクワクします。

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取材日:2018年11月14日 ライター:小山佐知子

株式会社エフケー

  • 代表者名:代表取締役 武田憲一
  • 設立年月:2008年2月
  • 資本金:600万円
  • 事業内容:水産加工品卸販売・配送センター・Webサイト制作・ECサイト制作など
  • 所在地:〒006-0001 北海道札幌市手稲区西宮の沢1条2丁目3番14号
  • URL:http://fujikk.jp/

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