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顧客・社員・技術者の「つながり」を大切に。JR東日本「子ども見守りサービス」の会員管理システムを開発

金沢
株式会社リンケージ 代表取締役 長谷川 博文 氏
「名は体を表す」といわれるように、社名に込めた思いはその会社の進む方向性を導いていくのかもしれません。人とのつながりを大切にしたいとの思いを込めて名付けられた株式会社リンケージ。創業者1人が自宅で始めた事業は、様々な人たちとのつながりから発展し、JR東日本の子ども見守りサービス「まもレール」の会員管理システムの開発と運営を担っています。代表取締役の長谷川博文さんにこの間の来し方を振り返り、行く先を語っていただきました。

人との「つながり」を第一にする会社でありたい

「リンケージ」という社名の由来について教えてください。

リンケージは、Link(つなげる・つながる)の名詞形です。お客様、顧客とのつながりを大切にしていきたいという思いから名付けました。スタッフや会社の規模を単に大きくするよりも、お互いに顔を見ながら仕事ができる、そんなつながりを大切にしたい。さらに、プロフェッショナルたちとのつながりも重視しました。社員でできることには限りがありますので、デザイナーやカメラマンなど、技術を持ったプロフェッショナルとつながっていきたい。この3つの「つながり」への思いを社名に込めました。設立以来、顧客・社員・プロフェッショナルとのつながりを意識しながら、よりよいITの提案ならびに構築を目指してきたつもりです。

会社の業務内容について教えてください。

まずは、システム開発。スクラッチ開発といって、お客様の要望を一からお聞きして提案し、独自のシステムを開発しています。給与や会計などはパッケージソフトでも事足りるようですが、販売管理や在庫管理のシステムについては、自社システムが必要ということで、要望をお聞きしながらシステムを作り込んでいきます。

ウェブサイトの構築も行っていますね。

機能重視の制作を心がけて、企画から構築までをお手伝いさせていただいております。企業サイトやネットショップ、会員制の大型データベースなどのウェブサイトデザイン、また店舗の予約システムやメール配信サービスなどのウェブサイトに関わるプログラミングやシステム開発も行っています。

そのほかに手掛ける事業はいかがでしょうか。

小規模オフィスからアミューズメント施設や医療施設などの大規模ネットワークの構築や、レンタルサーバーを用いたホスティング事業を行っています。

その中で一番力を入れているのがシステム開発でしょうか?

はい、システム開発に重点を置きたい、というのが私の思いです。なぜなら、お客様と密に話し合えるので、その分お付き合いする期間も長くなります、そういった仕事を積み上げていきながら、別のシステムの開発力、また別のお客様をご紹介いただくといった次のビジネスチャンスにつながっていくからです。

JR東日本の子ども見守りサービス「まもレール」の会員管理システムを開発、運営を担う

JR東日本の子ども見守りサービス「まもレール」の運営に携わられているとお聞きしました。この事業に携わるきっかけについて教えてください。

プロジェクトは3年前にスタートしました。前職の会社の同僚で、自分より先に独立して東京で会社を設立した知人がいたのですが、彼の紹介でこのプロジェクトに参加することになりました。大掛かりなプロジェクトであり、弊社が適格かどうかチェックも受けて、参加することになりました。人とのつながりからスタートしたビジネスチャンスと言えますね。

「まもレール」の概要について教えてください。

JR東日本が取り組む「HAPPY CHILD PROJECT」という子育て支援事業の一環として始められたサービスです。子どもがJR東日本の駅自動改札をICカード乗車券(SuicaやPASMO)で通過すると、保護者へ「通過時間・利用駅・チャージ」をメールやスマートフォンのJR東日本アプリで知らせてくれる子ども見守りサービスになります。2017年10月のサービス開始時は山手線と中央線の57駅が対象でしたが、現在は首都圏244駅にまでサービスエリアを拡大しています。セントラル警備保障株式会社がサービスを提供し、開発元が弊社になります。自動改札の読み取り機やアプリの開発はJR東日本の関連企業が担当するなど、大規模なプロジェクトに様々な企業が携わっています。

その中でリンケージが担当しているのは?

「まもレール」のサイト運営、そして申込みの受付などの会員管理、請求業務のシステムの開発・運営を弊社が担当しています。通過情報のシステムや配信などはまた別の会社が担当しています。

現在実施しているサービスはJR東日本エリアですね。

現在はJR東日本の路線単独で運用されています。今後は首都圏の私鉄との協業によりエリアの拡充が計画されており、そうなるとかなり大規模なサービスになるであろうことを期待しています。首都圏でのサービスをモデルケースとして、全国の主要都市圏での展開も視野に入れていらっしゃるようです。

開発・運用にあたって苦労されたことはありますか。

例えば、子どもの動向に関する情報が悪用されることを防ぐために、サービスの申し込みは子どもと同居している保護者に限っています。同居している保護者であることを確認する仕組みや請求先など複雑な対応が求められます。販売促進のためのキャンペーンへの対応など、煩雑なサービスを司るシステムを構築するのは大変でした。苦労はしましたが、自分たちのような町工場レベルの会社が大きなプロジェクトに関わり、やり遂げたことに社員たちにもプライドを持ってもらいたいと思いますし、求人でも学生たちにワクワクした気持ちを持ってもらえたらいいなと思っています。

アメリカでIT化の波を感じ、帰国後システム機器販売会社に就職

長谷川さんのご経歴について教えて下さい。

1970年生まれで、現在48歳です。父は古美術商で、美術品を海外に輸出しており、外国の方が訪ねてくる機会もあり、拙い英語でやり取りをしているうちに、貿易に興味を持ち始めたことがきっかけで、アメリカの大学に進学しました。ITについてはアメリカは進んでおり、大学で履修科目を選択する際もパソコンを使用していたことからコンピューターに興味を持つようになっていきました。

コンピューターには以前から興味があったのですか?

中学生の頃から、当時はマイコンと呼ばれたコンピューターを使ってプログラミングをしていました。高校に入って一旦中断しますが、IT先進国のアメリカであらためてそのおもしろさに引き込まれていきました。帰国したのは、Windows 3.1から95に移行した時代。日本でもパソコンの需要が増えるであろうと肌で感じ、帰国後、パソコンに関わる仕事がしたいと思い、地元のIT商社に入社し、8年間ほど営業職を勤めました。

エンジニアではなく、営業職を選ばれたんですね。

はい、元々営業に興味がありました。高校生の頃からいろいろとアルバイトをしていて、人と接する仕事は嫌いではありませんでした。帰国後、次の年の就職活動までの間は、スポーツ用品販売店でスキー用品を売っていたこともあり、「売る」こと、営業の楽しさを感じていました。自分でも営業向きの性格だと思っていましたので、営業職を選択しました。

就職された会社ではどのような仕事をされたのですか?

私はハードウェアやパッケージソフトの販売を主に担当していました。8年近く勤め、いろいろな勉強や経験をさせてもらったおかげで、今の自分があると言っても過言ではありません。しかし、そのうちに会社の方針を優先せざるを得ない状況になり、お客様が本当に要求されているものや自分が売るべきと思うものを思うように売れないことにもどかしさを感じるようになってきました。シンプルにお客様が必要としているものを届けたい、そんな想いから独立を決意し会社を設立しました。

顧客と真剣に向き合える営業を目指し会社設立

いきなり会社を設立したのですか?

会社に残ることを勧める方もいましたが、独立を勧める方のなかに「起業するのならば、仕事を紹介するよ」と後押ししてくださった方の存在が心強かったですね。退職金と預貯金を資本金に充てて、その方から三分の一を出資していただき、おかげさまで会社を設立することができました。

創業と同時に会社を設立したのですか?

はい、退職から3ヶ月ほどの準備期間を経て、登記など会社設立に関わる申請などはひと通り自分で手続きを行いました。2004年の5月に退社して、9月に法人を設立したことになります。自宅の2階を事務所として創業したのですが、翌年には金沢市が運営するインキュベーション施設に移転しました。

ご自宅とは別の場所に事務所を借りられた理由は?

自宅ですと、仕事のオン・オフがうまく切り替えられなかったからです。自宅ならスウェットでも仕事ができるわけですが、例え電話やメールでもその感覚のままお客様に接するのは嫌だなと感じたからです。IT関連企業ではカジュアルな服装の方も多く、何度かトライしてはみたのですが、やはりスーツを着てネクタイをしっかりと締めたほうがしっくりくるのですね。これは自宅にいてはなかなかできないことです。それまで営業を続けてきたからこそ、オン・オフはしっかりと区別したいと思っています。

自宅ではなく事務所を借りると家賃も発生します。

次のステップを踏むためには新しい環境に身を置きたいと思ったのも移転した理由のひとつです。毎月の賃料は当時の自分にとっては厳しいものでしたが、この経費の分くらいは頑張ろうと、自分を奮い立たせるためのステップになればとも思いました。何もない一人には広すぎる部屋でしたが、そこが共に働く仲間たちでにぎわうことを目標にしました。

起業を志す人たちへのアドバイスをいただけますか。

5年、10年先の夢を持つことも必要だと思います。幸せなことに、創業から現在まで多くの方たちの協力を得て、たくさんの夢をかなえることができました。 一方で、最近はうまく歯車がかみ合わず苦戦しているのも事実です。 これは創業から15年、経営を舵取りしながら、徐々に『チャレンジすること=リスク』と感じだした、私自身の羅針盤に生じたブレが原因だと思っています。 ただこのブレは、あれこれ思案するより行動を起こすことでしか解決しないとも強く自覚しています。 例えば、新たな場所に出向き、そこで出会う方々とコミュニケーションを取る事で見えてくるものがあるはず。 『チャレンジを恐れない事。』 これが起業を志す方へのメッセージとなれば幸いです。

取材日:2018年9月21日 ライター:加茂谷慎治

株式会社リンケージ

  • 代表者名:代表取締役 長谷川 博文
  • 設立年月:2004年9月
  • 資本金:350万円
  • 事業内容:ネットワーク構築、ホスティング、ウェブサイト構築、ウェブコンサルティング、システム開発、ハードウェア販売、インターネットソリューション
  • 所在地:〒920-0031 石川県金沢市広岡1-1-18 伊藤忠金沢ビル4階
  • URL:http://www.linkage-jp.com
  • お問い合わせ先:TEL)076-261-7611 MAIL)info@linkage-jp.com
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