WEB・モバイル2018.08.08

『一期一会』の気持ちで挑む

名古屋
株式会社YA 代表取締役 髙坂 幸正 氏
会計事務所で培った税務・法律の知識と大手通信会社で磨いた営業スキルに、検索エンジンとの親和性の高いコンテンツ開発のノウハウを掛け算することで実績を伸ばすホームページ制作会社、株式会社YA。学生時代から抱き続けてきた独立の夢を会社設立というカタチで手にした同社代表の髙坂幸正(こうさか ゆきまさ)氏に、独立を志したきっかけや起業への想い、ターニングポイントでの人との出会い、事業を軌道に乗せるまでの成長ストーリーを熱く語っていただきました。

挫折を糧にして、28歳で独立を果たす。

学生時代はどんな夢を抱かれていましたか?

税理士として独立するのが夢でした。というのも祖父の兄弟が税理士で、とても裕福な暮らしをしていたんですね(笑)。大きな家に住んで、趣味で喫茶店を営んで……。お金に不自由していない姿を見て憧れがありました。大学は法学部を選びましたが学生時代から簿記の勉強をスタートし、卒業後は会計事務所に就職しました。

会計事務所にはどれくらい在籍されていたのですか?

3年くらいですね。税理士の試験に合格したら“のれん分け”のような形でお客さまを持って独立できるようお約束をいただいていたのですが、難関をなかなか突破できず断念しました。

 その後はどうされたのですか?

税理士になる夢は途切れましたが、独立したいという想いは持ちつづけていました。その頃、読んだ本の「どんな形であれ独立するには営業力が必要だ」という言葉に共感し、大手の通信会社に営業職として入社しました。また、ちょうど同じ時期に現在の制作パートナーと出会って意気投合し、私が営業ノウハウを身につけた後に一緒に事業をしようと約束しました。

 営業の仕事はいかがでしたか?

正直、最初は「やりたくないな…」と思っていました。しかし、いざ取り組んでみると思いのほか楽しくて(笑)。新しい自分を発見することができました。もちろんはじめは試行錯誤もありましたし苦労もしましたが、1年ほどでペースをつかむことができました。“自分が心からいいと思うものはしっかりと売り込めるけれど、そう思えないものは売れない(売らない)”という自身の傾向もつかむことができました。

 そこから独立に踏み切られたきっかけを教えてください。

ずっと昔に「28歳で独立したい」という思いを持っていましたが、通信会社で営業を3年ほど経験した頃にそれを思い出したことが一番のきっかけです。仕事で親しくなったある会社の代表に相談したところ「そう感じているなら、辞めて起業してはどうか」とアドバイスをいただいたこともあって心を決め、その翌日に退職の旨を伝えました。

そのホームページは、集客につながるか?

 独立後は、順調だったのでしょうか?

個人事業主として独立し、私が営業して受注した案件を制作パートナーに任せるというスタイルでスタートしたのですが、最初はとても苦労しました。アポイントひとつとっても、今までは『大手の看板』があったので容易に会うことができましたが、その看板がはずれたことによってアポイントを取るのも難しい状況でした。

 その状況をどう打開されたのでしょうか?

幸運にも元上司がお客さまを紹介してくださったのですが、紹介でお話をすると高確率で受注につながることがわかりました。そこで異業種交流会などに積極的に参加してつながりを作ることで、徐々に状況が好転してきました。確かな手応えを感じたのは独立して2年ほど経過した頃。そこから3年ほどは個人事業主を継続し、2016年に株式会社YAを立ち上げました。法人に切り替えた理由は、お付き合いのある方から「やっぱり法人格を持っていると、紹介する側からしても安心なんだよね」と言われたことがきっかけです。

 現在の事業内容を教えてください。

一番の柱はホームページの制作ですが、現在はそこから一歩踏み込んで『アクセスを増やし、売り上げや見込み客をつくる』ためのコンサルティングに力を入れています。チームを組んでいるビジネスパートナーがブログで集客を行うプロフェッショナルで、Google社がアメリカで開催するビジネスカンファレンスに招待されるほどの実力を持っているんです。「どのようにブログを立ち上げ、どんな記事を書いていけば集客につながるか?」という強力なノウハウを持っているため、そのノウハウを元にコンサルティングを行ったり、運営の代行を行ったりしています。業界の中には検索順位を一時的に上げるなどの短期目線でサービスを展開する企業も多いと思うのですが、当社では集客が継続的に続くコンテンツづくりのサポートを強みとしています。

 御社ならではの強みは他にもありますか?

「士業に強い」というのも、当社の強みだと感じています。お客さまとの窓口になる私自身が会計事務所に勤めていた経験があるため、税理士、会計士、司法書士、弁護士、社労士それぞれの業務内容がよくわかっています。同じ職種でも事務所によって力を入れている分野が全く違うため、ホームページを立ち上げるにあたり「どの部分に特化して、どのように伝えていくのがベストなのか?」ということが的確に判断できます。また、士業で独立されている先生とのつながりが深いため、会社を立ち上げたいお客さまの支援をワンストップで行えることも他社にはない特長です。

お客さまにとってプラス。見る人にとってプラス。
最後に、我々がプラスになればいい。

 仕事をするうえで、心がけていることは何ですか?

提案時、提案後(制作時)、制作後、それぞれのフェーズで「お客さまに対して、我々は何ができるだろうか?」「何をしたら喜んでもらえるだろう?」「何を求められているんだろう?」といったことを常に考えて動くことを心がけています。お客さま(クライアント)にとってプラスになるホームページを制作し、そのホームページを見た人がハッピーになり、それによって我々がプラスになればいいなと考えています。

 「座右の銘」のようなものはお持ちですか?

お客さまと接する時には「明るく笑顔で元気よく」を心がけていますし、仕事を進めるうえでは「義理と人情」「恩と礼儀」を大切にしています。また、小学校の卒業時に校長先生に贈っていただいた『一期一会』という言葉が、ずっと人生の指針になっています。人生はたった一度ですし、日本国内だけでも出会い、知り合うというのは奇跡的なことだと感じています。出会った方を大事にしたいですし、大事にもされるよう自身を磨いていきたいですね。

 今後、どのような会社にしていきたいですか?

採用を進め、まずは10名くらいの組織にしようと考えています。ホームページ制作会社に必要な営業、ディレクター、デザイナー、コーダーを揃え、フットワークよく動けるチームづくりをイメージしています。今は「人数が多ければいい会社」という時代ではありませんので、確かな実力を持った少数精鋭のチームが理想です。

 最後に、クリエイターへのメッセージをお聞かせください。

仕事を振り出す営業やプロデューサーの立場からすると、職域とされる分野の外側までこなせるクリエイターが重宝されると感じています。例えば、ディレクターだけどライティングまでこなせるとか、デザイナーだけど写真も撮れるとか、コーダーだけどデザインもある程度できるとか。ディレクターがライティングまでこなせば工数も人件費も減らせるわけで、それがお客さまにとってもメリットになりますし、自身でデザインしたサイトをコーディングするほうが、効率的に作業が進むと思います。そういった能力の幅を広げることが、クリエイターとしての成長にもつながると思います。

取材日:2018年6月18日

株式会社YA

  • 代表者名:代表取締役 髙坂幸正
  • 設立年月:2016年4月
  • 事業内容:ホームページ制作
  • 所在地:〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵三丁目18-17 サンプレー名古屋ビル6C
  • TEL/FAX:052-508-6277
  • URL:http://ya-group.co.jp

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