沖縄発、デジタルコンテンツの力で感動を。アジア最大級のモーションキャプチャースタジオ

沖縄
CGCGスタジオ株式会社 取締役 山添武 氏
アジア最大級のモーションキャプチャースタジオが、沖縄にあります。海のすぐそばに立つ、この大きなスタジオで3DCGの映像制作を中心に様々なデジタルコンテンツ開発を手がけるのが「CGCGスタジオ株式会社」です。お話を伺ったのは取締役の山添武さん。山添さんを含めてわずか5名で立ち上げた会社は、今や160名ものスタッフを有し、沖縄はもとより日本でも有数のモーションキャプチャーを手がける会社に成長しました。「デジタルコンテンツは絶対に人の心を豊かにする」と熱く語る山添さんに、仕事に対する思いや地域との関わり方について伺いました。

開発から演出まで。提供するのは技術だけでなく3DCGの映像制作に関わる全て

なぜ日本有数のモーションキャプチャースタジオが沖縄に作られたのでしょうか?

15年前、当時沖縄市では経済発展のため、先端技術企業の誘致があり、アジア最大級のモーションキャプチャースタジオを設立しようと沖縄にやってきたのが弊社の始まりです。私を含め5名でのスタートでした。

主にどのような事業を展開されていますか?

3DCGの映像制作を中心としたデジタルコンテンツ開発を主な事業としています。映画、アニメ、ゲーム、パチンコなど、エンターテインメントに関わる映像開発を広く手がけています。また最近では、技術を活かしてVRにも挑戦しています。

御社の事業の特徴を教えてください。

スタジオの仕事というのは、普通は技術面や撮影に特化していますが、弊社のサービスの特徴はそれだけにとどまりません。技術を提供することはもちろん、演出を含めトータルでモーションキャプチャーのサービスのご提供ができることが、大きな特徴だと思います。

なぜ演出にまで事業範囲を広げているのでしょう?

沖縄までお客様がいらっしゃって撮影をすることが多々あります。せっかく沖縄までいらしていただくので、お客様と共に深く作品に関わることでクオリティーをあげ、より満足度を高めたいと考えました。ですので、技術だけでなく演出面でも関われる体制を作り、様々なご要望にお応えできるようにしています。このようなサービスを行う会社は、日本にはほとんどありません。

首都圏から遠く離れているという距離的な問題はないのでしょうか?

通信インフラが発達した現在では、ほとんどありません。お客様が沖縄に来られない場合でも、企画、撮影からローンチまで全て請け負うことができます。要所、要所でなるべく距離感を感じないようにしています。

むしろ沖縄にあるが故のメリットの方が大きいと感じています。というのも、お客様のチームが来沖(らいおき・沖縄に来ること。)されれば、合宿のように同じ場所で同じ時間を一緒に過ごすことになり、チームワークがより強固になります。集中して取り組めることが大きな魅力になっているように感じます。

技術を活かして地域貢献

VRも手がけていると伺いましたが、どのようなものを作られたのでしょうか?

沖縄にちなんだVRの撮影をしています。例えば、沖縄で盛んな空手の師範の動きなどです。これらは沖縄の文化保存を目的としています。

弊社は、沖縄にありますが、ほとんどの仕事が沖縄以外からの制作受託です。会社設立から15年経ち、ようやく地域貢献に携われるようになりました。地方にある会社だからこそ、地元の方と関わることを大事にしたいと思っています。

「地域」を意識したことは、他にもやっていらっしゃいますか?

地域の人材育成のため、「CGCGカレッジ」というスクールを開催しています。事業化はしていないのであくまで私塾ですが、弊社のスタッフが1年間みっちりCGを教えています。1年後には弊社はもちろん、他社でも通用する人材が育っていると思います。

なぜスクールを開いているのでしょうか?

沖縄に限らずですが、地方では、県外に行けない、行かない人が多くいます。そのような方々にも、CGが勉強でき、さらに働ける場所として弊社が役に立つことができればと考えています。

沖縄では、CGの映像開発などを志す方は増えてきているのでしょうか?

弊社ができた15年前はほとんどCG関連の会社はありませんでしたが、今は増えてきています。それに並行して人材も増えてきていると感じますが、足りていないのが現状です。
「沖縄県内でもアニメやゲームを作る会社がある。県外へ行かなくても働く場所は充分にある」ということを、ぜひ学生さんやUターン、Iターンを考えている方に知っていただきたいです。そして、沖縄のCG業界を一緒に盛り上げていただきたいと思っています。

CGの力で心を解きほぐす。それが社会貢献

最後に、御社がこれから目指したいことを教えてください。

なるべく多くの人に見てもらえるものを作りたいです。作品で、「人の心をマッサージ」することが、弊社の社会貢献だと思っています。

コンテンツを見て刺激を受けると、喜怒哀楽を感じますよね。そうすると心が柔かくなって、すっきりします。それがマッサージです。私たちの仕事は心に対してサービスをすることで、そのために技術を駆使してリアリティーのある「嘘」を仕立てているのです。

具体的には、どのようなことなのでしょう。

CGは全て作り物、という意味での「嘘」です。どんな荒唐無稽なキャラクターやストーリーでも、共感できるリアリティーをそこに注入できれば見た人はそのリアリティーに少なからず共感を覚え感情移入し、喜怒哀楽を感じます。つまりコンテンツが心を刺激して、マッサージしていることになるわけです。デジタルコンテンツの力は、絶対に人の心を豊かにできると信じています。もっと多くの人の心を動かせる作品を作っていきたいですね。

取材日:2018年5月24日 ライター:仲濱淳

 

CGCGスタジオ株式会社

  • 代表者名:松本 光司
  • 設立年月:2003年4月
  • 資本金:2,000万円
  • 事業内容:■東京スタジオ
         〒169-0075
         東京都新宿区高田馬場4-40-11 ユニゾ高田馬場看山ビル4F
         TEL: 03-5937-5556 FAX: 03-5937-5557
         ■沖縄第一スタジオ
         〒904-2172
         沖縄県沖縄市泡瀬3-47-10 沖縄市ITワークプラザ
         TEL:098-983-4122 FAX:098-983-4155(沖縄第二スタジオと共通)
         ■沖縄第二スタジオ
         〒904-2162
         沖縄県沖縄市海邦2-9-35 中部市町村会館3F
         TEL:098-983-4122 FAX:098-983-4155(沖縄第一スタジオと共通)
         ■台湾ユニット
         115
         臺北市忠孝東路六段21號9樓
  • URL:http://www.cgcgstudio.co.jp/
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