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STORY風雲会社伝

クリエイティブの力で街づくりを。海を望むプラットフォーム「トヨプラ」

沖縄
有限会社コノ街デザイン 有限会社コノ街デザイン クリエイターズバンク担当 中西利文 氏 、
株式会社平山印刷 経営企画部 部長 鈴木圭三 氏
那覇空港から車で約10分。周囲には海が広がり遠くには慶良間諸島まで見渡す、まさに沖縄らしい絶好の立地に、2017年、「TOYOPLA(トヨプラ)」がオープンしました。トヨプラとは「豊崎(とよさき)プラットフォームセンター」の略称で、那覇市に隣接する豊見城(とみぐすく)市の豊崎エリアに立つ、コワーキングスペースや保育園、学童などが一つになった4階建の複合施設のことです。トヨプラを運営する会社が、今回ご紹介する「有限会社コノ街デザイン」。沖縄の老舗印刷会社「平山印刷」から生まれたこの会社が、トヨプラを通して実現したいこと、目指す未来をクリエイターズバンク担当の中西利文氏(写真左)と「TOYOPLA」の事業責任者である株式会社平山印刷の鈴木圭三氏(写真右)に伺ってきました。

クリエイティブという切り口で街づくりを

トヨプラを作られた経緯から教えていただけますか?

鈴木さん: 私たちの会社「コノ街デザイン」は、創業50年以上の印刷会社である「平山印刷」の100%子会社です。平山印刷は長年に渡り印刷業を中心に事業を拡大してきました。しかし近年はそれだけでなく、販売促進や広告宣伝、商品開発等を手がけ、広告代理店的な役割も担うようになりました。そして平成20年、豊見城市の「豊崎」という地域に本社を移転し、様々な事業をさらに大きく展開しています。

豊崎は今も開発が進む、沖縄で最も新しい街の一つです。移転してから、ここをもっと魅力的な街にしたい、平山印刷が音頭をとって地域を盛り上げたいと、社長を中心に強く思うようになりました。また、平山印刷の印刷業や広告代理業を通して、日頃から関わっているクリエイターの皆さんの力を街づくりに活かせるのではないか、と思うに至りました。県内のクリエイターの力を集約させ、平山印刷の事業とは別の全く新しい「街づくり」という事業を推進したい。そのためには一つの会社を作った方がいいということになり、弊社「コノ街デザイン」を立ち上げ、街づくりのプロジェクトの中心地となる「トヨプラ」を作りました。

トヨプラは、豊崎という街を魅力的にするための拠点ということでしょうか?

鈴木さん: そうです。そして街作りのエンジンとして、トヨプラにクリエイターが集って欲しいと考えています。豊崎はもともと製造業や小売業を営む会社が多く、無から有を生み出すクリエイティブな業種が少ない土地でした。また、平山印刷をはじめとする広告代理店などが手がける案件は、ある程度パターンが決まっています。しかし近年、商品の販売や認知度を向上する方法は複雑化しているので、従来のやり方では通用しない場合も多い。そんな時に、無から有を作れるクリエイターの力が必要になります。型にとらわれない自由な発想で、地域につながるプロジェクトを推進してもらえると思っています。

また「街づくり」は、お金を儲けるためだけの事業ではなく、ビジネスライクに全てを割り切れません。クリエイターは、ビジネスではあるけれど、純粋に街を面白くすることに愛情を持って力を注いでくれると感じています。

トヨプラという箱を用意すれば、クリエイター達は自ずと集まってくるのでしょうか?

鈴木さん: もちろん、場所を作っただけで集まってくれるわけではありません。そこで、トヨプラの中にクリエイターの受け皿となる組織「クリエイターバンク」を作りました。クリエイター達が繋がり、弊社がそれを様々な角度からサポートする組織で、それを弊社の中西が中心となって推進しています。

トヨプラにクリエイターが集うために必要な「クリエイターバンク」

まず、中西さんがトヨプラに関わるようになったきっかけを教えてください。

中西さん: 私はもともとデザイナーで、いすゞ自動車で工業デザインの仕事をしていました。10年ほど前から、縁があって沖縄県立芸術大学で教員として働き始めました。その後デザインの会社を立ち上げ、平山印刷と一緒に仕事をさせていただく機会が増え、今回クリエイターバンクの構築に携わることになりました。

どのようにクリエイターバンクを組織しているのでしょう?

中西さん: 大学の元教え子の多くが今40歳前後になり、ちょうど働き盛りを迎えています。まずは彼らの中から、フリーランスのクリエイターに声をかけてもらい募っています。しかし教え子といえども、クリエイターバンクに参加するメリットがないと来てくれません。

クリエイターバンクに参加するメリットとは、具体的にはどんなことでしょう?

中西さん:大きく分けて3つあると考えています。まずは、「仕事を得られる」ことが最大のメリットです。トヨプラに来れば仕事がある、という状況を整えたい。この地域には「豊崎・美らSUN(ちゅらさん)会」という、近隣の企業や団体を中心に50社が加盟する会があります。クリエイターバンクで、それらの企業のプロジェクトを請け負い、登録のメンバーと一緒に推進していきます。先日クリエイターバンクの実績第1号となったOTSレンタカーのラッピングバスを手がけました。自分たちがデザインしたラッピングバスが近所を走る姿を見ると、クリエイターとしてはシンプルに嬉しいものです(笑)。

次のメリットは、フリーランスクリエイターの雑務を担うことです。クリエイターにヒアリングしたところ、クリエイティブに関わらない業務、例えば保険や税金などの手続きが面倒、という意見が多く上がってきました。作ることに専念できる環境を整えたいと考えています。

最後は、女性でも働きやすい組織にすることです。沖縄にはものづくりに携わりたいと考えている女性がとても多く、彼女らの力を活かせば組織として強くなるはずです。トヨプラの1、2階には保育所と学童が入っているので、子供がいる女性も仕事に専念できると思います。

地域の企業と住む人と共に街を盛り上げる

今後クリエイターバンクを通して、街づくりにどのように関わっていく予定でしょう?

中西さん: 多くの個性溢れるクリエイターがトヨプラにいることを近隣の企業へ伝え、地域ならではの商品開発などを手がけていきたいです。トヨプラの4階にはカフェスペースを設け、豊見城市の特産品であるマンゴーやトマトなどを使った料理や加工食品を提供していく予定です。そうすると当然パッケージデザインなどが必要になり、クリエイターの出番が増えます。あるいは商品開発から携わり、地域の産業に貢献したいと思っています。

また企業だけでなく、地域の方々とも関わっていきたいですね。豊崎は沖縄では比較的良いイメージの新興住宅街として知られています。県外から思い切って移住された方も多く、地域への思い入れは強いと聞いています。しかし新しい住宅街なので、まだコミュニティが形成されていません。住民の方々のニーズに応じて、親交を深められるコンテンツをトヨプラで提供できると思います。例えば沖縄の伝統工芸である紅型や陶芸などの教室を開いたり、コンサートを開催したりと、クリエイターの力を活かせる機会を作っていきたいです。

海が見える立地も活かせそうですね!

中西さん: そうですね。屋上も解放する予定ですので、サンセットを見ながらのライブもできます(笑)。クリエイターの力で、立地を含め豊崎の魅力的な資源にスポットライトを当て、輝かせたいと考えています。

取材日:2018年3月27日 ライター:仲濱 淳

有限会社コノ街デザイン

  • 代表者名:平山 達也
  • 設立年月:2014年3月
  • 事業内容:レンタルオフィス・シェアオフィス・コワーキングスペース
  • 所在地:〒901-0225 沖縄県豊見城市字豊崎3-59
  • TEL:098-851-3396
  • URL:http://toyopla.jp/
  • 問い合わせ先:上記コーポレートサイト内「CONTACT US」より
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