MENU

お客さまと常に同じ方向を向いて、 ストーリーまでをデザインする

名古屋
株式会社アフリカデザイン 代表取締役 柴田 始志 氏
「アフリカとあかちゃんとデザイン」というユニークなコンセプトを武器に、地元、名古屋で独自のポジションを確立している株式会社アフリカデザイン。代表の柴田始志(しばたさとし)氏に、デザイナーになったきっかけや起業までのストーリー、仕事に対する考え方などを伺いました。やさしい口調で飄々と話される柴田氏の様子と、アフリカでの稀有な経験やストイックな仕事観など話の内容のギャップに驚き、そして引き込まれるインタビューでした。

デザインの力で、人々の心を豊かにする。

デザイナーを志したきっかけを教えてください。

きっかけは、祖母が趣味で描いていた絵です。淡い色彩で描かれた花々の水彩画を見て、幼心に「おばあちゃんすごい!」と感動しました。祖母が描く美しい絵に憧れて、幼い頃は週末のたびにクレヨンを持ってどこかへ出かけ、絵を描いていました。高校生になって進路を決める頃、親戚から「デザイナー」という職業を教えてもらって、美大の予備校に通うようになりました。

美大に行って、デザイナーになられたんですね?

いや、実は美大には行っていないんです。自然豊かな沖縄の美大1校に絞って受験を進めていたのですが残念ながら合格することができず、デザイナーの専門学校へ。そこで学びながらお金を貯めて二十歳の頃にアフリカに行きました。アフリカで半年ほどスワヒリ語と文化を学び、その後、半年はケニア、タンザニア、ザンビア、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ、そしてエジプトと大陸を周遊して絵を描いて過ごしました。

アフリカへ行ったことは、柴田さんにとってどんな体験でしたか?

視野が広がったというか、「日本に帰って何をするか?」ということを深く考えさせられる1年でした。アフリカでは強盗に遭ったり、ワニが出る底なし沼にはまったり、普通に考えて“デザインよりも大事なこと"に直面する機会がたくさんありました。また、その頃は自衛隊がソマリアに派遣されるなど世界情勢が不安定な時期でしたので、命の危険にさらされる子供たちの姿も目に入りました。「デザインって何だ?」「裕福な人が、よりいいものを見つけるためのもの?」と考えを巡らせる中で、デザインの存在が些細なものに思えることもありました。

しかし、結果としてデザインの道に進むことを決めたんですよね?

当時の仲間の中には、アフリカの現実を目の当たりにして現地に残ったり、ボランティア団体を立ち上げた者もいて、私はそれらの活動も含めて「助ける側にゆとりが必要だ」と考えるようになりました。だから、デザインの力で人々の心を豊かにしたいと思い、デザイナーの道に進むことを決意しました。

ともに成果を出そうとする“チーム"でいることが大切。

帰国から起業までのストーリーを教えてください。

帰国後はブラザー工業株式会社で約4年間、デザイナーとしてSPツール(販売促進用のツール)類の作成や求人情報誌に掲載する記事の編集・デザインなどを行いました。その後5年ほど株式会社グランドールというベビー用品の卸・小売業を営む会社で働きました。グランドールでは、ウェブサイトとEC事業の立ち上げを経験。また、買い付けのためにドイツ・ケルンやアメリカ・ダラスで行われる展示会にも赴き、ビジネスやマーケティングのノウハウを学ぶことができました。もともと30歳くらいで独立しようと決めていたため、グランドール退社後にアフリカデザインを立ち上げました。

社名を「アフリカデザイン」とされた理由は?

ブラザー工業で働いている時に個人メールが割り当てられ、「メールアドレスの冒頭に好きな言葉を入れていい」ということだったので「africa」と入れたんです。周りを見ると、私以外は部署名や苗字を入れていたようで浮きましたが、このアドレスをきっかけに社内外で「アフリカ」と呼ばれるようになったので、社名にも入れることにしました(笑)

アフリカデザインの強みや特長をお聞かせください。

「経営者が抱える悩みに、心から共感できる」という部分に強みがあると感じています。というのも、私自身がアフリカデザインの経営に加えてベビー関連の事業にも参画しているため、「在庫を売るためにはどうするか?」「お客さまからのクレームにどう対応するか?」といった世の経営者が抱えている悩みを自分ごととして日々実感しているからです。そのため、お客さま企業の経営陣との意思疎通がスムーズで互いに共感しあえるといったことはあると思います。実際、名古屋のデザイン会社としては広告代理店を介さない直取引の案件が非常に多くあります。仕事で意識していることは、常にお客さまと同じ方向・ゴールを見て、ともに成果を出そうとするチームでいられる環境を整えることです。また、デザインの面での特長はコンセプトである「アフリカとあかちゃんとデザイン」が示す通り、やさしいトーンのデザインワークを得意としています。

デザインができあがっていくまでのストーリーを共有。

デザインする上で大事にしているのは、どんなことですか?

最近は「ストーリーをデザインする」ことに重点を置いています。デザインの業務を行う際、お客さまからすごくたくさんのお話を聞きますし、さまざまなことを相談しながら仕事を進めていきます。その過程の中には当然、最終的なデザインには乗らないものも出てきます。また、一連のストーリーがあってこそ、モノを売るなどのデザインの目的が果たせると考えています。そこで当社では、成果物の1つとしてデザインができあがっていくまでの大きなストーリーを公開・発信する取り組みを始めています。こうすることで、お客さまにとってもプロセスの棚卸ができるんです。

会社として、大切にしていることを教えてください。

「健康」「家族」「仕事」の順番で大切にすること。それに尽きますね。以前に入院したことがあるのですが、「デザイン(仕事)」と「健康」のどちらかを選ばなければならない場合、私自身は「デザイン(仕事)」を選んでしまう人間のようです。しかし、会社を経営していくためにはそれではいけません。やはり健康があってこその仕事です。

また、家族を大切にするために、残業はできる限り行わないようにしています。残業せずに時間内でしっかりとしたデザインを提供するために、当社ではデザイン業界ではあまり行われてこなかった「業務改善」や「業務効率化」の取り組みをかなり具体的に行っています。きちんとスケジュールを立て、チェックも明確に行い、苦手な作業は抱え込まずに得意な人に振り分けるなど、全体の仕事がスムーズに進む仕組みの確立を行い、子育てママも安心して働ける職場環境づくりをめざしています。

取材日:2017年9月20日

株式会社アフリカデザイン

  • 代表者名:代表取締役 柴田 始志
  • 設立年月:設立年月:2009年6月
  • 事業内容:グラフィックデザイン
  • 所在地:〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内1-7-6丸の内テラス305
  • TEL:052-212-5252
  • FAX:052-212-5253
  • URL:http://africadesign.jp
  • 続きを読む