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CAD技術と3Dプリンター技術の融合で モノづくりの歴史を紡ぐ

名古屋
株式会社RAKUDO 代表取締役 大瀧 達生 氏
純国産航空機(MRJ)の立ち上げメンバーとして機械設計に携わるキャリアを持つ大瀧達生(おおたき たつお)代表取締役は、CAD技術と3Dプリンター、AI(人工知能)などの新しい技術の融合に未知の可能性を感じ、それらの技術を強みにした商品開発事業をされています。またCADや3Dプリンター教室も開講し、これまで研究室や工場を有する企業や大学でしかできなかった商品開発を一個人にもできる身近なものにしていく事業も展開しています。 経験に裏打ちされた確かな技術力を糧に、人の役に立ちたい、社会を良くしたいという社会への思いをイノベーションで実現しようと日々模索されている大瀧さんにお話を伺いました。

技術屋畑で培った力をクリエイティブ業界へ

会社立ち上げまでのキャリアについて教えてください。

大学は電子工学を専門とし、航空機業界の生産技術部でCADオペレーターを6年、純国産航空機(MRJ)の立ち上げメンバーを務めました。

純国産航空機MRJの立ち上げメンバーとして、どんな業務を担われたのですか?

材料や強度、形状など、0から何をどう作っていくのか、工場の生産ラインも含めてすべてを決めていく部品の機械設計部門を担いました。

会社立ち上げのきっかけは何ですか?

3DCADなど自分のやりたいことができる環境を作ると同時に、誰かのやりたいことを作る環境を作りたかったのが理由です。

いざ会社設立へ

会社設立の経緯を教えてください。

その後、500人規模の企業に転職して、本社総務部で法務や企業運営について勉強しながら起業の準備を進めました。 2015年5月に個人事業rakudoを開始し、一月後に3DPRINT事業fabcubeを設立、日本3Dプリンター株式会社などの商品の代理店販売を開始、徐々に販売委託先を増やし、2016年1月に株式会社RAKUDOを法人化しました。

専門技術や知識を強みに3Dプリンターの導入支援を

現在の事業について教えてください。

3Dプリンターの比較・導入、造形・出力サービスをメインに行っています。お客様の相談を受け、必要なサポートを行います。

現在の3Dプリンター市場について教えてください。

市場は今、安定期に入ったところで、高いものから安いものまで存在します。目的に応じ多種多様なプリンターがありますが、弊社ではクオリティーの高いものを含め10社の製品を主に扱っています。

「目的に応じて」とは、例えばどんなケースがありますか?

例えばCGを作りたい場合は見た目だけが重要ですが、リアルなモノづくりとなると強度や細さなどすべて計算する必要があり、データ作りの考え方が根本的に異なります。また、使う業界が変われば、材料を変えたり強度や精度が重要になるなど、最も必要としているポイントをしっかりおさえる必要があります。

御社で3Dプリンターを導入するメリットは何ですか?

CADデータを作り、商品開発の設計を行う技術力が我々の強みですので、仲介手数料は頂きません。CG(コンピューターグラフィックス)、VR(バーチャルリアリティー)、AR(拡張現実)などの技術、知識、情報を持った技術者が揃っているので、お客様のやりたいことを実現させる提案ができます。

3Dプリンターで大幅なコストダウン。生産者の未来開拓のお手伝いを

なぜ3Dプリンターを扱う事業をなさろうと思ったのですか?

今までできなかったものを簡単に作れる3Dプリンターに無限の可能性を感じたからです。CAD技術と3Dプリンターの新技術の融合は今後、社会の基盤やインフラになる技術だと思います。

3Dプリンターの画期的な部分はどんな点ですか?

3Dプリンターを使うと、切削や金型をおこす手間が省け、シンプルになります。商品開発では試作品を複数作って比較しますが、3Dプリンターならこれまで莫大な資金をつぎ込み開発した試作品を一点1万円程度で作ることが可能です。そこに今後の伸びしろを感じますね。

どんな人からどんな依頼がきますか?

自分の作ったものを世の中に広めたいという方からの依頼が多く、他社で断られて来られるケースも多いです。試作品作りは必要な知識が多岐にわたりますが、金物屋や切削などの総合的な知識を持つ工務店は少ないと思います。企業が数百万単位のコストと数年スパンの歳月をかけていた商品開発が弊社では12万円ほどの予算で約1週間でできました。

3Dプリンターをもっと身近に。一般向け教室を開講

CADや3Dプリンター教室をされているそうですね。

金山のファブスペースで毎月行っています。機械設計の3DCADでモデリングができるようになる教室を開いています。ファブスペースには3Dプリンターやレーザーカッターがあり、設備が充実しています。工場へ行かなくてもデータを作って何でも作れる。まさにスマートファクトリー、モノづくりが身近になった時代を体験できます。

なぜ教室を始められようと思ったのですか?

教室には3Dプリンターを使って新しいことに取り組みたい人が多く訪れますが、実際作ってみるには3Dデータを作る知識が必要ですので、第一歩としてお手伝いできたらと思いました。 余談ですが、新たにドローンを作る教室を企画しています。

今にもはじまる、モノづくりの最前線

なぜ名古屋で起業されようと思ったのですか?

愛知県小牧市で生まれ育ち、名古屋で働いてきたので地元に愛着があり「どうせやるなら名古屋で」という思いがあります。
名古屋の色々なイベントに参加すると、面白いことをやろうとしている人が多く、すでにやりたいことを通して個々につながっていて、今にもはじまる何かを感じます。

イベントで他のクリエイターと出会い、どんな話をするのですか?

産業用ドローンや現代アートと3Dの融合、プロジェクションマッピングなど様々なことに挑戦している人々などがおり、今後の未来やサービスについて語り合います。

御社のこだわりは何ですか?

弊社は「テクノロジーが大好きです。新しいテクノロジーを研究・教育しています。開発者でありアーティストです。世界をデザインします。働くことを楽しみます。完璧な仕事を目指します。それぞれの部署が生活に革命を起こします。」を社訓にしています。

現在5名の方が在籍されていますね。どんなメンバーですか?

いろんなことができるメンバーがおり、3DCGを20年前から趣味でやっていたスペイン人のマルコスは、プログラミングやAIを専門とし、CGとVRを組み合わせた面白いものを2時間足らずで作ってしまいます。

ものづくりの「歴史」を作る思い

社名の由来は何ですか?

今までにない新しい技術で、新しいものを作り、人々に新しい体験を通して感動したり、ワクワクしたりしてほしい。我々自身がワクワクしながら働くことはもちろんですが、多くの人々に新たなデジタルファブリケーション※1技術により、楽しく働く未来を叶えたいと思っています。「楽働(Rakudo)」にはそんな意味が込められています。
※1 レーザーカッターや3Dプリンターなどの、コンピュータと接続されたデジタル工作機械によって、3DCGなどのデジタルデータを木材、アクリルなどのさまざまな素材から切り出し、成形する技術。

技術革新で私たちの働き方はどう変わるのでしょうか?

20年後に残るのはワクワクする仕事で、我慢したり耐えたりする仕事はなくなっていくと思います。
会社組織のピラミッドでは、頂点の世界的企業以外の中間層の崩壊は免れ得ないと思います。仕事のあり方は組織ではなく、やりたいことを通して個人間でつながっていくと思います。

大変な仕事はAI(人工知能)が代替していくということですね。御社が思い描く未来で御社が目指すクリエイティブは何ですか?

いわゆる「第四次産業革命」と言われる、IoTやデジタルファブリケーションによるモノづくり革命の土台を担う企業になります。デジタルファブリケーションの活用方法を探求し、モノづくりのインフラになる機械装置を普及させます。インターネットの普及により新しいサービスや働き方が誕生したように、今後のモノづくり革命のインフラ環境を促進したいと思います。新たな産業を作り出し、ロボット産業を後押しし、AI(人工知能)と人間を結びつけ、今までにない新しい体験を作り続け、歴史を紡いでいけたらと考えています。

具体的には人々や企業にどのように役立つとお考えですか?

必要としている「もの」を形にするだけでなく、お客様が願う「こうなりたい」という状況や環境を形にするお手伝いができると思います。
企業には、利益を最大化させるインフラを造ります。今までのやり方を変え、工程を減らす、製造単価を下げる、付加価値をつけ利益率を上げ、企業価値を高めます。また新しいやり方が当たり前になるようスタンダードを作り、そのスタンダードが継続するようなインフラ設備を整えます。

IoTにより暮らしは便利になる一方で、サイバー攻撃の脅威についてはどうお考えですか?

まだ脆弱な部分も多いですが、ハッキングを防御する技術も進化していくと思います。

「やりたい」という強い思いが一番大切

具体的な事業展開の構想はありますか?

まだ漠然としていますが、社会問題や法律、不動産、ロボティックスなどの各分野に事業展開を考えています。また、AIを使って問題解決をする技術や、仕事上の業務で生じたわからないことを解決する仕組みを作りたいと思います。各分野をコーポレート化し子会社として持ち、RAKUDOは親会社として運営します。
AIに囲碁戦を戦わせて学習させる技術「マシーンラーニング」が注目を集めていますが、そういった機械学習の新規参入、CGとVRを融合させた新ビジネスを手がけたいと考えています。

御社が求める人財を教えてください。

やりたいことや大きなビジョンがあって、何かすごいスキルを一つ持っている人です。我々と関連するものづくり、CG、プログラミングなどの知識や技術があればシナジーが生まれやすいですね。でも何かやりたい気持ちがあれば伸びる要素はあるので、くすぶっている人も育てていきたいと思います。やりたい気持ちが一番大切です。できることを増やしていきましょう。

取材日: 2017年3月14日 ライター: 望月佑香

株式会社RAKUDO

  • 代表者名(よみがな): 大瀧達生(おおたき たつお)
  • 設立年月: 2016年1月
  • 事業内容: 3Dプリンター比較導入サービス、3Dプリンター造形出力サービス、3Dプリンターイベント、
         プロダクトデザイン、3Dデザイン、3DCAD教室
  • 所在地: 愛知県名古屋市中区錦1-17-13名興ビルディング2F MYCAFE内
  • URL: http://www.rakudo.io/
  • お問い合わせ先: 052-228-0855
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