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プログラム的思考を持つことで、子どもたちの人生の選択肢を広げていきたい

仙台
株式会社アイティプロジェクト 代表取締役 荒木義彦 氏
“プログラミング”というと難しい専門技術と考える方も多いかもしれませんが、今回ご紹介する株式会社アイティプロジェクトがワークショップを通して、プログラミングを教えているのは子どもたちです。私たち取材チームも実際にワークショップに参加しながら、代表取締役の荒木義彦さんに、設立までの経緯や子どもたちにプログラミング教育をはじめたきっかけ・思いについて伺いました。

人の縁を大事にしながら、ITの発展に貢献

まずは、荒木さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?

私は20代の頃から、販売や提案を行う営業職などに就きながら、独学でプログラミングを学んでいました。縁があって北海道で仕事をしていた頃、起業を考えていた男性と知り合いました。それが、株式会社アイティプロジェクト北海道本社の社長です。当時私は、別会社に勤めていたので、起業を手伝うという形で参加し、北海道本社はこの社長が仕切り、仙台営業所には別の所長を立て、2000年5月に株式会社アイティプロジェクトを創業しました。ちょうどその頃、父が他界し母を支えるために、北海道を後にして実家のある福島へ戻りました。一方、仙台営業所の所長が退職することになり、私が仙台の営業所を手伝ううちに責任者として任されるようになりました。

創業当時はどのような事業を展開されていたのですか?

2000年当時、フィーチャー・フォン(ガラケー)のホームページ画面などを制作しておりましたが、当時は携帯会社ごとに仕様が異なり、それぞれのプログラム言語を使って制作するのは大変でした。そんな中、縁あって知り合った企業が、すべての携帯会社で共通して使える共通言語を生み出し、当社は北海道と東北エリアに広めるという役割を担い、どんどん事業を拡大していきました。仙台放送さんやエフエム仙台さんとお取引先として知り合ったのも、ちょうどこの頃でしたね。

それから現在の運営・事業形態になったのはいつですか?

2011年の東日本大震災後、腰を据えて地元のIT業界の発展にも力を入れていきたいと思うようになり、北海道本社とは別の道を歩むことを決め、2012年の7月に当社を設立しました。事業としてはWebソリューション・モバイルソリューション・業務ソリューションの提案、構築、販売を中心に行っております。実はPCN(プログラミング クラブ ネットワーク)事業部という部署もあり、子どもたちにプログラミングを教えるワークショップの運営はもちろんのこと、(2017年)5月からは子どもたちのプログラミングスクールの運営なども視野に入れております。

子どもたちがプログラムに触れられるワークショップを定期開催

プログラミングのワークショップを開催しようと思ったきっかけは何ですか?

先ほどお話した携帯会社に共通するプログラム言語を作り上げた、福野泰介さん(株式会社jig.jp/ジグジェイピー代表)が『IchigoJam(イチゴジャム)』という、プログラミング言語BASICを使った子ども用パソコンを開発しました。これは、キーボード・スマートフォンのマイクロUSB・モニターを繋げば簡単にパソコンとして機能するというものです。それを使って子どもたちがプログラミングに触れられる機会を作ろうと、松田優一さん(株式会社ナチュラルスタイル代表)、原秀一さん(株式会社ict4e代表)が立ち上がり、2014年にPCN(プログラミング クラブ ネットワーク)という団体を福井県で結成しました。私はもともと彼らと知り合いだったので、松田さんが青森へ行く道中、仙台にいる私にこの話をしてくれて、とても面白いと思いPCN仙台として、当社も『IchigoJam』を使った、プログラミングのワークショップを開催することになりました。

そうなんですね、実際にワークショップを始めていかがでしたか?

今から2年半ほど前に始めたのですが、最初はなかなか認知されませんでした。しかし、年に一度開催される仙台放送主催の「みやぎ元気まつり」など、様々なイベントに顔を出すうちにどんどん広がり、今では毎週多くの子どもたちが参加してくれます。2020年にプログラミングが義務教育になるので、ご両親方の意識も高まり、今年、来年はさらに伸びるのではないかと予想されます。ワークショップでは『IchigoJam』を使って動く昆虫ロボットを作るなど、材料費だけをいただき、日々いろいろな電子工作やハンダづけなどにも挑戦してもらっています。

荒木さんがプログラミングを通して、子どもたちに伝えたいことは何ですか?

私は子どもたちにプログラマーになって欲しくてプログラミングを教えている訳ではなく、自分たちの生活の中に、コンピューターやプログラムされたものがあるということを認識してもらいたいんです。私たちも小学生の頃、音楽の授業でリコーダーを習いましたよね?でも今、みんなが音楽家になっている訳ではありません。あれは、リコーダーを学ぶことで音楽の素養が生まれ、自分が音楽を好きかどうかも判断できるようになるのです。プログラムもそれと一緒ですね。例えば、自宅で家電などの機械が壊れたから捨てるではなく、家電の中にプログラムが内蔵されているという思考を持っていれば、自分で修理することは出来なくても、直せるという判断ができます。
もう一つ、プログラムは時代とともに急速に変化していくので、子どもの頃に何かのプログラム言語を習っても、それがずっと使える訳ではありません。私たちが教えたいのは、プログラム的思考です。プログラムでこういうこともできる、ああいうこともできるという思考を持つことで、その子の人生の選択肢を広げていきたいと思っています。

今後はプログラミングのスクール運営も視野に入れて

今後の展望としてスクールの運営などもお考えとのことでしたが、継続的に教える必要性についてどのように思われますか?

子どもたちがプログラムを学び続けるためには、専門的な知識を持った人がサポートが必要です。なかなか親御さんだけでは難しいですよね。 そのため5月から継続的に学べるカリキュラムをスタートさせる予定です。週末だけではなく、平日に寺子屋的に開催したいですね。宮城県内のいろいろな場所で週2回くらいやっていけたらうれしいですね。
子どもたちに教えていると、とても楽しいんです。子どもたちは興味があること、ないことがハッキリしていますし、大人と違ってプログラミングを難しいものとは思ってないんです。なので、挑戦する機会がないのが可哀想ですよね。子どもたちが学べる環境をどんどん提供していきたいです。

荒木さんがお仕事をする上で、心がけていることはどんなことですか?

「みんなが喜ぶことをしたい」ということですね。つらいと思いながら仕事をするのは好きではないので、遊びを仕事にするように、楽しく仕事をすることを心がけています。

最後にクリエイターへのメッセージをお願いします。

失敗することを恐れないで、なんでもやってみたい方が良いと思いますね。
近頃「余計なことをしない人」が多いように感じられます。難しいかもしれないと思っても、一度は、挑戦していただきたいですね。もし失敗しても、それは大きな経験になるので、ぜひいろんなことに挑戦して、自分の引き出しを増やしてくださいね。

取材日: 2017年3月12日 ライター: 桜井玉蘭

株式会社アイティプロジェクト

  • 代表者名(ふりがな):代表取締役 荒木義彦(あらきよしひこ)
  • 設立年月:2012年7月
  • 事業内容:Webソリューションの提案、構築、販売
  • 所在地:〒980-0013 仙台市青葉区花京院1丁目1-6 4F
  • URL: http://www.it-p.jp
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