グラフィック2015.10.28

経営の情報サポーターとして 公正なメディアとして 社会の役に立ちたい

福岡
株式会社データ・マックス 取締役総務部長 児玉悦子 氏
福岡市に本社を構える株式会社データ・マックスが行うのは「人と企業を繁栄させるための支援サービス業」。企業調査を主軸に、独自に取材した情報を自社が発行する情報誌やニュースサイトなどで広く発信しています。取締役の児玉悦子さんに創業から、これまで、そして今後の展開についてお話を伺いました。

企業を支援すべく、信用調査会社から独立

児玉さんは取締役総務部長とのことですが、創業時からこちらにお勤めだったのでしょうか。

はい、そうです。弊社は社長である夫の児玉直によって、1994年11月に設立されました。それまで、私は専業主婦でしたが、夫の起業を機に、会社のことを手伝うようになりました。

会社設立までの経緯を教えてください。

社長の児玉は、もともと東京経済株式会社という企業信用調査を行う企業に勤めていました。90年代に入って、地方の中小企業は倒産が相次ぐ、大変厳しい時代でした。中小企業や経営者のサポートをしたいという思いから、元同僚など15人ほどで弊社を立ち上げたのは、児玉が46歳のときでした。

企業情報の調査と自社メディアによる情報発信を行う

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御社の事業内容について教えてください。

主に2つの事業が中心になります。

ひとつは企業の信用調査。九州にネットワークがあり、企業経営のリスク管理のために、それぞれのニーズに合わせた調査を行うことができます。

もうひとつは、自社メディアによる情報発信。企業の経営や人々の生活に役立つ情報を独自に取材して発信しています。

週2回発行の「I・B(Information Bank)」は、地域に密着した企業情報誌。1995年1月からスタートして、1年に約100号発行し続け、今年1月には2000号を突破しました。また、地場企業や経営者にスポットを当てた書籍なども出版しています。 2000年、まだパソコンやインターネットがあまり普及していない頃に、開設したニュースサイト「NET IB NEWS」は、倒産情報、建設業界ニュース流通業界ニュース住宅情報ナビ、健康情報など、様々な業界の話題をリアルタイムで発信してきました。また、「NET ITニュースチャンネル」では、動画も公開。流通、建設、市政、県政などのジャンルに特化した情報もリアルタイムで配信しています。

さらにISO認証取得支援と認証取得後のフォローなど、経営コンサルティングも行っています。

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調査や情報発信において、御社の得意とする分野を教えてください。

どれか1つの分野に特化しているというわけではなく、弊社は、あらゆる業界・ジャンルを得意としています。 倒産情報ニュース、建設業界ニュース、流通業界ニュース、住宅情報ナビ、そして健康情報ニュース。様々な分野の5つのサイトを運営しています。 その他に、スペシャリスト企業経営ネットで、弁護士・税理士・社労士など専門分野別のニュースを掲載しています。

社員の方は何人いらっしゃるのですか。

今は50人で、それぞれの専門分野に関する知識が豊富です。調査や情報発信にはあらゆる知識が必要とされるので、よく勉強会も開催しています。

福岡市の本社以外にも事業所がありますね。

東京に支店、鹿児島、宮崎、熊本、下関、岡山、大阪、上海に情報ネットワーク(拠点)があります。現地の人だからこそ入手できる情報がありますので、ネットワークはとても大切だと考えています。

マスコミには報道できない独自の情報を伝える

御社の強みは、どんなところでしょうか。

独自に調査、取材し、裏付けをとったオリジナルの情報を発信できることですね。しがらみの多い新聞やテレビ、雑誌などのマスメディアでは報道できないことでも、弊社が、企業や市民の皆さんに伝えるべき内容だと判断した情報はきちんとお伝えする方針です。社長の児玉は人一倍正義感が強く、仕事を通して社会に貢献したいという気持ちを持っているのです。

カンボジアでも活動されていると、お聞きしましたが。

きっかけは、福岡市に本部を置くNGO「カンボジア地雷撤去キャンペーン」の理事長 大谷賢二さんの講演に心を動かされた社長の児玉が「お手伝いしたい」と申し出たことでした。様々な連携を深め、2010年にはカンボジアのトゥールポンローに中学校を建設するための資金を寄付しました。 地雷を撤去した跡地に建てた学校で、毎年100人近くの子どもたちが入学するものの、家庭の事情などで卒業するのはわずか30人ほどです。世界の現状を社員自身の目で見て欲しいという願いから、私たち夫婦は毎年社員を連れて、卒業式に参加しています。東日本大震災のときも、被災地に社員を派遣しました。 たとえ企業として儲からなくても、食べていくことさえできれば、同じ人間として人や社会の役に立ちたい―弊社はそんな思いが根底に流れている会社です。

これまでに蓄積した情報やノウハウを活かして インターネットで新たなビジネスを展開したい

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御社の今後の展望をお聞かせください。

先ほどお話したように、弊社はインターネットの可能性にいち早く着目し、時間と手間をかけて様々なことを丁寧に調査し取材して、情報を発信することで、多くの情報を蓄積してきました。この蓄積やノウハウを活かして、インターネットで何か新しいビジネスをできればと考えているところです。

創業から、様々なスタッフを見てこられたと思います。若いクリエイターの方にアドバイスをお願いします。

クリエイターに限ったことではありませんが、仕事をただの作業として流すのではなく、自分なりに考えて人の役に立つようなアイデアを提案できる人になって欲しいと思います。考えながらやっている人は、仕事の出来や印象が違ってきます。 昔に比べて、今は個人の都合を優先し、また、学ぶ意欲や向上心を持った人が減ってきたように感じています。しかし、これからは国の保障をあてにできない時代がやってきます。貪欲に吸収して、自分で力をつけるべきだと思います。私はカンボジアで学びたくても学べない環境にある人たちに会っているので、余計にそう思うのかもしれませんが、自分自身の人生が豊かになるように、そしてさらに社会のお役に立てるように、ぜひ意欲的に学んで欲しいと思います。

取材日:2015年10月13日

株式会社データ・マックス

  • 代表取締役:児玉直
  • 設立年月日:1994年11月
  • 事業内容:企業の信用調査及び情報提供サービス、情報誌の発行など
  • 本社所在地:福岡県福岡市博多区中洲中島町2-3 福岡フジランドビル8F
  • TEL:092-262-3388
  • URL:http://www.data-max.co.jp/
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