職種その他2020.08.19

メディカルハーブとの出会い

Vol.1
編集者・シニアハーバルセラピスト
メディカルハーブライフ
二橋彩乃

20代後半、平日はときに徹夜も繰り返す編集の仕事に邁進し、

週末は遠方の家族の介護という日々を、根性だけで乗り切っていた。

そんな中、いつしか、常に体調不良を感じるように。

ひどい不眠、重すぎる身体、不整脈、定期的なめまい。

温めても冷やしても目の奥はじんじん痛むし、湿布を貼っても腰痛と腱鞘炎はおさまらない。

常に身体のどこかが痛む状態がデフォルトになり、痛みがないと違和感すら感じるように。

悩みつつも手を打たずにいたある日、とうとう移動中の新幹線で倒れた。

これをきっかけに「健康」の大切さが身にしみた。

家族の病気を目の当たりし、いかに「未病」段階でのケアが大切だったか、後悔していたこともある。

しかし、周囲を見渡すと、お世話になっている著者や先輩編集者、気の合うライターさんや頼りにしているデザイナーさんなど、なぜか揃いも揃って夜型・酒飲み・タフな人ばかり。その生活も「健康」には程通そうだった。

なんとなく、「健康のために何かしてます?」などとは聞けず、一人、ひっそりといろいろな健康法を調べ、試していた。

中でも強く惹かれたのは、自然療法や植物療法の考え方だった。

自然療法とはざっくり言うと、身体が本来持っている「自然治癒力」をきちんと発揮できるよう、身体を整えていくこと。

また植物療法とは名の通り、薬用植物の力を借りてその自然治癒力を引き出すサポートをすることで、自然療法の一つだ。

考え方の根幹にあるのは、人間を、肉体・精神はもちろん、スピリチュアルな視点からもとらえて、ホリスティック(全体的)にケアするということ。

食事療法、アーユルヴェーダ、ホメオパシー、アロマテラピーなどさまざまなアプローチ方法がある。

そんな中、私が最も興味を持ったのが「メディカルハーブ(薬用植物)」だった。

それまで、カフェでたまにハーブティーを飲むくらいで、料理に使ったり栽培したりした経験もなかったくせに、「メディカルな分野でのハーブの使い方」には、ピンときた。

きっかけは、西洋・近代医学における医薬品のうちの少なくとも半分以上が、メディカルハーブがもとになって作られていると知ったこと。

体調を崩すとすぐに薬に頼りがちだった私は、「だったら普段からハーブティーとか飲んだらいいんじゃないの?」と思った(単純)。

漢方も気になったが、漢方は医薬品として材料に動物や鉱物も使用するのに対し、ハーブはほぼ植物のみを使用する。なんとなく、漢方は敷居が高かった。

その後、家族の介護がひと段落してから、休みを利用してスクールに通い始めた。

せっかくなので仕事にも生かしたいと思い、資格取得ができるコースを選んだ。

いずれはハーブの知識をもとに、健康や美容に役立つコンテンツを作ったり、家族はもちろん、周囲のワーカーホリックな人たちの体調管理にも貢献できたら……と夢は広がった。

このあと、資格取得まで意外と険しい道が待っているとも知らず……。

そんなわけで、私の適当ながら熱いメディカルハーブライフが始まった。

(続く)

プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト
二橋彩乃
2つの出版社でデザイン、アート、生活実用など多ジャンルの編集経験を経て独立。独立後の仕事に『マンガで実用 使える禅』(編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集制作/ぴあMOOK)、雑誌「セラピスト」(取材記事/BABジャパン)、企業の広報誌など。 ハーブの魅力にとりつかれ、「ハーバルセラピスト」「シニアハーバルセラピスト」「メディカルハーブコーディネーター」と3つの資格を取得(日本メディカルハーブ協会認定)。

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