職種その他2021.02.26

SDGsの視点で見るオススメ映画(4)目標13-15: 『ボヤージュ・オブ・タイム』

東京都
編集ライター
映画とラテンと音楽と
JUNTO

 

 2月もまもなく終わりですが、この季節になると思い出すのが、卒業旅行で行った冬の北海道です。
稚内から、流氷を追いかけて、網走、知床へと列車で移動したのですが、行けども行けども雪景色で、北海道の大きさに圧倒されました。

 南米滞在中には、大陸の南端に位置するパタゴニアまで足を運び、氷河を間近で見ることができました(写真)。
氷河は、美しいというよりも、人を寄せ付けない聖域のように感じたことを覚えています。

ということで本日は、地球で生きるすべてのものへの愛に満ちた、巨匠テレンス・マリックの作品を選んでみました。

マリック監督作品の最大の魅力は、光と影が織りなす芸術的な映像美。

木漏れ日や空、雲、水、森…。

自然の美しさと、幻想的な光と影のコラボレーションは、いつ見ても圧倒されます。

台詞が抽象的だったり、詩的な独白が多いこともあり、マリック作品を見に行くときには、ストーリーや日本語字幕をあえて追わずに、映像に集中することに徹しています。
(それでも眠くなったときは抗わず、心地よい眠気に体を委ねます……)

マリック作品の中では『ニュー・ワールド』がお気に入りなのですが、今回は、SDGsの視点で見る作品として、『ボヤージュ・オブ・タイム』をご紹介します。

この作品は、地球創生を感じさせるマグマの映像から始まり、氷河や、海の中の生き物などを静かに映し出し、時折、生活感あふれる人間や動物の姿がインサートされる、アート作品です。

SDGsの視点では、目標13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさを守ろう」が当てはまるでしょう。

なぜ、プラスチックゴミを減らすべきなのか、二酸化炭素削減が必要なのか。

「すべき」理由を探さなくても、映画を見れば「地球を守りたい、敬いたい」と思えてくる。
理屈ではなく、人の五感に訴えかける、稀有な作品です。

私は劇場公開を見逃してしまい、ネットの配信で見たのですが、
「やっぱりマリック作品は映画館でみたいなあ」と、改めて感じました。

家で見るときは、出来るだけ大きな画面で、部屋を暗くしてみることをオススメします。

『ボヤージュ・オブ・タイム』2016年/米国

 

プロフィール
編集ライター
JUNTO
普段は固めの記事広告ライター。ときどき映画やラテン絡みでもお仕事してます。 10年前に2年ほどブラジルに滞在して以来、ラテンカルチャーを日本で広めようと奮闘中。 写真は建築家オスカー・ニーマイヤーが設計したリオのニテロイ現代美術館。 http://officejunto.org/

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP