職種その他2021.01.27

SDGsの視点で見るオススメ映画(2)目標6:『華氏119』『ザ・ウォーター・ウォー』

東京都
編集ライター
映画とラテンと音楽と
JUNTO

米国では、バイデン大統領が“無事に”誕生し、新政権がスタートしました。正直、前大統領の派手なパフォーマンスに飽きていたので、地味でも信頼できる手堅さを期待したいと思います。

前回から始まりましたSDGsの視点で見るオススメ映画2作目は、マイケル・ムーア監督の『華氏119』です。

この映画は2016年11月9日の大統領選挙の裏側をムーア監督独自の視点で切り取ったことで、日本でも話題になりました。

アメリカの支配階級を徹底的に揶揄するパートは笑い飛ばせるのですが、この映画ではもう一つ、深刻な問題も取り上げています。

それは、ミシガン州フリント市で発生した「鉛に汚染された水道水」の問題です。

デトロイト近郊のフリント市は、過疎が進み、貧困に苦しんでいる町で、ムーア監督の故郷でもあります。

フリント市は長年、ヒューロン湖から水を得てきましたが、町の財政が苦しくて水の使用料が払えなくなり、2014年にフリント川から取水することになりました。

ところがフリント川の水質に問題があり、老朽化した水道管の腐食が進んで鉛が水道水に溶け出しました。

この鉛の汚染水により、多くの住民が健康被害に苦しみ、死者も出ています。

自治体を相手にした訴訟も行われ、つい先日、前ミシガン州知事らが訴追されました。

ムーア監督や、デモに積極的に参加する人々のような行動を起こすことは難しくても、生きるためになくてはならない「水」の安全性について、考えるきっかけを与えてくれるドキュメンタリーです。

水問題を扱った映画でもう一作オススメしたいのが『ザ・ウォーター・ウォー』。

2000年にボリビアのコチャバンバで起こった水戦争を題材にした作品です。

こちらは、水道事業の民営化により水の値段が高騰し、水道料金を払えない住民たちが抗議の声を上げた事実に基づいた物語です。

水質汚染と言えば、日本では50年代に、工場排水が原因の水俣病が大きな社会問題になりました。

本年日本公開が期待される社会派映画『MINAMATA(原題)』は、ジョニー・デップが水俣病を追い続けたフォトジャーナリスト、ユージン・スミスを演じています。

『華氏119』『ザ・ウォーター・ウォー』で取り上げられた水問題は、SDGsの視点では、目標6「安全な水とトイレを世界中に」が当てはまります。

水道管の老朽化や水道民営化などは、日本でも、リアルタイムで進行していますから、他人事とはとても思えません。

蛇口をひねれば安全な水が出てくる日本でありつづけるために、注視していこうと思います。

 

追記:

12月末にお伝えしたマラドーナのドキュメンタリー映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』は4月公開予定が、2月5日公開に前倒しになりました!

プロフィール
編集ライター
JUNTO
普段は固めの記事広告ライター。ときどき映画やラテン絡みでもお仕事してます。 10年前に2年ほどブラジルに滞在して以来、ラテンカルチャーを日本で広めようと奮闘中。 写真は建築家オスカー・ニーマイヤーが設計したリオのニテロイ現代美術館。

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP