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地域の老舗広告代理店の新たな挑戦、地域貢献、音楽イベントに活路

金沢
株式会社香輪社 代表取締役専務 藤井 謙士 氏
新聞やテレビ媒体の広告代理店として、石川県内有数の歴史を誇る香輪社(こうりんしゃ)。メディアや広告業界を取り巻く環境が激しい変化を見せる中で、新たな展開を繰り広げようとしている。今年5月、新社長に就任する藤井謙士(ふじいけんじ)さんに、様変わりする老舗広告代理店の大いなる挑戦について語っていただきました。

創業35年、「泥臭さ」と「人とのつながり」が礎

地方の広告代理店として歴史を重ねてきた香輪社の強みをどのように考えていますか?

当社は、現在会長で私の父である藤井士朗が昭和58(1983)年に立ち上げました。創業の地である金沢市香林坊※1の「香」と、創業時にお世話いただき入居したビルの名前だった「五輪ビル」から一文字取って、「香輪社」と名付けたのです。父は地元の新聞社出身だったこともあり、媒体として情報発信の中心だった新聞広告の集稿が売上の柱でした。父は学校の先輩や同級生を頼りに、人脈を生かした泥臭い営業活動を展開し、地道に仕事を広げていきました。その泥臭さ、人とのつながりが香輪社の財産であり、礎となっています。

※1 石川県金沢市中心部に位置する地域の名称である。

時代とともにメディアが拡大し、広告業界も変化してきたのではないですか。

かつては新聞広告や折込チラシが、多くの人に情報を伝える有効な手段でした。例えば、旅行代理店がこぞってツアー旅行を宣伝し、広告掲載とともに応募が殺到するような時代でした。ところが、インターネットが広がり、今では高校生からお年寄りまでがスマートフォンで情報を検索するようになりました。媒体やツールも大きく変わりました。

こうした環境が変化する中で、香輪社として変えたいこと、守りたいことはなんですか?

大手代理店とは異なり、地域の中にあって小回りを活かし、人脈を大切にして業務を展開してきました。そんな中で、多様化する生活スタイルに合った最良の広告宣伝の手法を、お客様にご提案していきたいと考えています。一方で、媒体が変化しても、この地域に軸足を置き、地元の皆様の中にあって、つながりを大事に地域へ貢献したいと考えています。

番組制作会社からの転身、当初は頭を下げることに抵抗も

「地域に軸足を置く」というお話ですが、ご自身が大切にしていることはありますか。

大学を卒業後、地元テレビ局の番組制作会社でカメラマン、ディレクターとして働いていました。その後、父から手伝ってほしいと言われ、香輪社に入社することになりました。人に頭を下げる経験もなく過ごしてきましたので、頭を下げて広告を集めて回ることに当初は面食らい、なんて泥臭い仕事なんだと考え込ましたが、今では地域の皆さんと嬉しい時も苦しい時もともに進めるこの仕事に誇りを持っています。

仕事をする上でのターニングポイントはあったのですか?

入社後、景気が低迷し、広告を集めることに本当に苦労した時期がありました。媒体から、ある地域の特集をするのでスポンサーを集めてくるように指示されたのですが、思うように集まりません。負けてたまるかという意地があり、まさに寝る間を惜しんで働きました。日中はもちろんですが、深夜も営業している飲食店やコンビニを訪ねて、店主が出勤するのを待ち構えて営業しました。最初は門前払いされても、何度か通う内に「大変だな」と広告を出していただいた時の喜びは何ものにも代えがたい経験でした。

「知り合いを1000人、味方を300人作れ。全員味方にすると八方美人に」

人と人のお付き合いから、仕事が広がっていきますね。

父からは「知り合いを1,000人作れ。そのうち300人の味方を作れ。そうすれば生きていける」と言われました。10人のうち3人を味方にすればなんとかなる。10人全員を味方にしようと思ったら八方美人になってしまう。1,000人のうち300だったら3割バッターになれますよね。この仕事は人に信頼していただき、人間関係を深めてこそお客様に可愛がっていただけるのだと思っています。自分を信用していただけるようにとにかく動いてコツコツと人脈を広げていくことを心掛けています。

音楽イベントの運営で特性活かす

5年前に代表取締役に就任、今年5月には社長に就任される予定です。新たな事業にも取り組まれています。

従来の新聞やテレビなどの媒体向け広告を扱うだけでなく、地域に根差したイベント、特に音楽イベントに関わっています。一つは、北陸最大級の室内大型ロック・フェスティバル「百万石音楽祭 ミリオンロックフェスティバル」。今年で5年目を迎えるイベントですが、2年前から、協賛社の窓口となり広告業務やPRに努めるほか、ボランティアスタッフやインターンシップ学生の参加など市民参加型イベントとしての展開に取り組んでいます。

音楽イベントにはその他にも積極的な取り組みをされていますね。

毎年、秋のシルバーウイークに金沢市中心部で開催するジャズの屋外イベント「Kanazawa Jazz Street」では実行委員会の一員として企画段階から加わっています。いくつかの大学や専門学校の学園祭での音楽イベントも担当しています。これらはどれも、これまでに築いてきたネットワークの中から、「香輪社にも運営に加わってもらえないか」とお声を掛けていただいたものです。

香輪社が得意とする部分を活かして、地域の発信に貢献することですね。

そうですね。特に「Kanazawa Jazz Street」は、金沢の街中をジャズで染めるというコンセプトで、各種音楽団体や行政、企業が連携して金沢の新しい音楽文化を創り出していくものです。いかに市民参加を実現するかが課題です。運営のために、スポンサーを集めるのですが、商店や規模の小さな企業もたくさんいます。そうした皆さんのスポンサーメリットも考えなくてはいけません。そんな部分で、地域の皆さんの期待感や求めるものにお応えできる提案ができるのが弊社だと確信しています。

ネット広告などウェブでの情報発信といった新しい取り組みが続きますね。

弊社がウェブ制作をするよりも、ネットやウェブをどのように活用すればお客様の目的や規模に応じた課題を解決できるのか、費用対効果も高く、お客様である企業の従業員の方のモチベーションを高めるにはどうすればよいか。これからもお客様とともに考えていく企業であり続けたいですね。

取材日:2017年3月10日 ライター:加茂谷慎治

株式会社香輪社

  • 代表者名(よみがな):代表取締役社長 西川 晃次(にしかわ こうじ)
  • 設立年月:1983年5月
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:広告代理店業
         (販売促進企画 イベント企画 デザイン制作 テレビ、ラジオCM制作 WEB制作 印刷 ノベルティグッズ制作)
  • 所在地:〒920-0961 石川県金沢市香林坊1丁目2番24号 香林坊プラザ7階
  • URL:http://www.colimsha.co.jp
  • お問い合わせ先:TEL:076-263-0315 FAX:076-223-1262
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