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「販路拡大・経費削減のパートナー」をモットーにフットワークの軽さで、お客様の要望にこたえる

金沢
株式会社共同印刷 代表取締役社長 深田哲平氏
石川県能美市に本社がある株式会社共同印刷は創業24年目の印刷会社です。名刺、封筒、DM、ポスター、のぼり、チラシなどの各種印刷物やホームページなどを制作しています。競争が厳しい業界にあって、「販路拡大・経費削減のパートナー」となることをモットーに着実に業績を上げています。学生時代に事業承継を決意したという、社長の深田哲平さんに後を継ぐきっかけとなったエピソードや経営者として考えていることなどうかがいました。

父の病気をきっかけに、学生時代に事業承継を決意。

会社設立の経緯を教えてください。

弊社は、広告代理店や印刷会社、企画会社などで働いていた父が創業した会社です。企画やデザインが好きだった父はいつか印刷会社を創業したいと考えていたようです。金沢市と小松市の間にあって、市町村合併の前は辰口町だったこの土地に印刷会社が少なかったこともあり、ここを選んで42歳の時に、脱サラをして印刷会社を立ち上げました。

お父様の後を継いで、社長に就任されたのはいつですか?

2014年(平成26年)に、父の後を継いで、社長に就任しました。県外の大学を卒業し、2006年(平成18年)に地元へ戻り、そのまま父が社長をしていた共同印刷に入社しました。

なぜ、会社を継ごうと思ったのですか?

大学3年生の時、ヘビースモーカーでお酒も好きだった父の脳に腫瘍が見つかり、父が元気なうちに一緒に仕事がしたいと思い、ゼミの先生に「単位を取り、卒論を提出するので、家の仕事を手伝うのを認めてほしい」と掛け合って、卒業を前に父の会社で働き始めました。一言添えておくと、おかげさまで、父は今も元気で一緒に働いています。

1日15件を目標に、飛び込み営業を重ねる

入社後はどんなふうに仕事に取り組まれましたか?

まずは、協力会社で印刷について勉強し、DTP(出版作業)の教室にも通いました。入社後、2年ほどは自社の強みも分からず、まずは下働きから始めました。当時、売上の7割が特定の一社に集中しており、これではいけないと考えて、売上の分散を図ることに注力しました。地域に密着した自社の強みを把握する中で、考えるより行動だと思い、顧客を増やすため1日15件の目標を立てて、飛び込み営業を続けました。

大変な努力ですね。成果は上がりましたか?

飛び込み営業で訪問すると、「印刷会社に友人がいるから君のところに頼む義理はない」「来たからといって、注文がもらえるほど甘くないよ」と断られるところがほとんどでした。それでも3回ほど足を運ぶと、この会社にはどんなニーズがあるのか、なぜ断られるのかが分かってきました。中には「若いのに骨があるやつだ」と注文してくれる方もいて、いろいろ経験させていただきました。おかげさまで、入社当時は300件ほどだった顧客数が今は1800件ほどに広がりました。

株式会社共同印刷

取扱品目を増やし、さまざまな提案で受注増を図る

印刷業界を取り巻く環境も変わり、事業内容は変わりましたか?

そうですね。例えば、昔は印刷業者が年賀状を作るのが当たり前でした。一般企業にも性能の良いプリンターが導入される時代になり、業者に発注しなくても、簡単に年賀状印刷ができるようになりました。そんな中で、どうすればお客様の要望に応えられるのか、満足してもらえるのかを考えるようになり、紙の印刷だけでなく、ホームページやのぼり、シールをはじめ、ノベルティの制作も行うようにして、取り扱い品目を増やしました。企業のキャンペーンや周年の情報を把握し、さまざまな提案をすることで、結果的に受注が広がることを目指しています。

「顧客満足度」の向上ですね。

年賀状だけでなく、ダイレクトメールやチラシでも同様です。ネット印刷も広がり、価格競争も厳しくなっています。その中で、お客様が求めていること、必要とされていることは何だろうかと考え続けました。

お客様にファンになってもらい、ニーズを叶える

価格競争が厳しくなる中、お客様に対して、心掛けていることはありますか?

IT化が進み、パソコンが普及してきたことで、デザインに対する価値観が変わってきました。「ワードやエクセルでデザインできるんだから費用なんてそんなに掛からないでしょう」というお客様もいらっしゃいます。「販路拡大、経費削減のパートナー」を経営理念に掲げている通り、お客様にファンになってもらい、ニーズを叶えることができれば、納得してもらえると考えています。どんな提案をすれば、お客様の役に立つのかを考えるよう、社員にも朝礼で呼びかけています。

御社では、経営理念の運用に力を入れているそうですね

2011年に経営理念・行動指針を作りました。社会全体の価値観が多様化していく中で、企業として核となる確固たる考え方が必要だと思ったからです。私たち自身が会社の価値を見出さないといけないと感じましたし、限られた人生、睡眠時間と仕事をしている時間が大半で、その時間を有意義にすることが人生の豊かさを決定付けるのでないかと考えたからです。かつては、入社後3年で退職する社員が多数でした。社員は、多くの人々が存在するこの地域で互いに何かの「ご縁」があって家族以上に時間を共有し仕事をしていく仲間なので、1日でも長く一緒に働きたいと思ったことがきっかけでした。

株式会社共同印刷

3期連続で増収増益 平凡なことの積み重ねが信用信頼を築く

新たな事業の展開は考えていらっしゃいますか?

会社は3期にわたって増収増益を続けています。今のところ、新規に展開しようと考えていることはありません。強いて言うならば、映像製作や画像編集等のソフトの媒体に注力していこうと考えております。 5年先、10年先の取り組みを考えていくよりも、一年、一年、平凡なことを積み重ねていくことこそが信用信頼につながっていくと思っています。

今後、力を入れていこうとお考えのことはありますか?

社員教育にお金を掛けて、将来に投資をすることが大切だと考えています。印刷業界全体が先細っていく中、どう差別化を図っていくかということしかありません。企業数も減って、倒産できないからやっているという同業者も少なくありません。この先、5年で同業者がかなり減少すると予測されます。マーケットの比重が変わったときに、地域に密着して、かゆいところに手が届く心配りとフットワークの軽さが一番の武器になる。その強みを磨き続けていきたいと思っています。

取材日: 2016年11月18日 ライター: 加茂谷 慎治

 

株式会社共同印刷

  • 代表者名(よみがな): 代表取締役社長 深田 哲平(ふかだ・てっぺい)
  • 設立年月: 1992年4月
  • 資本金: 300万円
  • 事業内容: 企画・印刷・デザイン・Web
  • 所在地: 石川県能美市辰口町508-1
  • URL:  http://www.kyodo-print.com/
  • お問い合わせ先: 0761-51-5244
 
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