グラフィック2016.11.09

あなたのフェイスブックが世界に1冊だけのフォトブックに。

金沢
ハピログ株式会社 CEO 中林 秀仁 氏、CTO 筏井 哲治 氏
ハピログは、フェイスブックに投稿された写真や記事を、一冊の本として印刷製本するサービスを行っています。大手IT企業から独立したCEOの中林秀仁(なかばやし ひでと・写真右)さんとCTO の筏井哲治(いかだい てつはる・写真左)さんが石川県金沢市でコンサルタント会社を設立。新たにフォトブック事業『ハピログ』を展開するに当たって富山県高岡市でスタートした企業です。フェイスブックを利用したサービスにとどまらず、さらなる機能強化やアプリの開発を企画しています。

フェイスブックの利便性と紙の暖かさを融合し、 新サービスを生み出す。

ハピログを設立したきっかけを教えてください。

中林さん:2009年当時私達はマイクロソフト日本法人の北陸支店に勤務していましたが、最新のイノベーションやテクノロジーを活用すれば、地方でも世界に通用する新しいサービスを生み出せるのではないか、そんな思いで、当時、住んでいた金沢市で「ピアズ・マネジメント株式会社」を設立しました。

立ち上げた企業では、どのような事業を展開されたのですか。

筏井さん:資本も顧客も製品も何もない状態で「ピアズ・マネジメント株式会社」を起業してしまったのです。それでも、幸いなことに声をかけていただき、営業のコンサルティング、プレゼンテーションやスピーチの指導、人材育成やその他執筆、講演などの業務を少しづつ広げていくことができました。

フォトブックサービス『ハピログ』が生まれた経緯を教えてください。

筏井さん:『ハピログ』が生まれたきっかけは、僕がこんなサービスがあったら良いなぁと前々から思っていたものでした。フェイスブックに投稿されるのは、写真だけでなく、その時の気持ちをつづった文章や、友達からのコメント、そして多くの友達からの共感が「いいね!」に込められています。そんなコミュニケーションをネット上だけでなく、紙媒体として表現し、保存できないかと考えて開発を進めてきました。

CEOの中林秀仁さん

CEOの中林秀仁さん

デジタルの力を利用し、世界中の人に幸せを届けたい。

『ハピログ』の名前の由来は何ですか?

中林さん:『ハピログ(HappyLogue)』は「Happy」、「Log」、「Dialogue」の3つの言葉を組み合わせた私たちの造語です。Happyは一人でも多くの人に「幸せ」を届けたい。その思いから選びました。Logには「日誌、記録」という意味があります。そして-logueという接尾語は「言葉」を意味します。幸せの記録をそのまま残すとても楽しいサービス。それが『ハピログ』です。私たちはデジタルの力を利用し、世界中の人に幸せを届けたいと願っています。

本社を高岡市に置き、新たな企業を開設された理由は。

中林さん:筏井の出身地であり、自宅があった高岡市を選びました。自然と文化が豊かに残る伝統工芸の街であり、ゆったりと過ぎる時間の中、仲間たちとクリエイティブな仕事ができていることに心から感謝していますね。『ハピログ』の事業が広がる中で、金沢市に拠点を置くコンサルタント会社とは異なる展開をしようと2014年に新たな法人としてスタートしました。

『ハピログ』の特徴はどこにありますか。

中林さん:フォトブックを製作する既存のサービスは多く、市場は105億~110億円ともいわれます。私たちがどれだけのお客様を獲得できるかは、チャレンジでした。既存のフォトブックと違うのは、すでにSNSにアップされたものを紙にするという点。投稿する行為はその時点で、編集作業でもあるんですね。写真を選ばないといけない、専用のソフトをインストールしなければいけない、レイアウトを自分で決めないといけない、といったお客様の手間を省いたのが『ハピログ』です。フォトブックは欲しいけれど、子どもを寝かしつけた後に、作業するのは大変だという声も聞いていたので、フェイスブックがフォトブックになる『ハピログ』ならそれが解決できると考えました。それが受けている要因の一つかなと思います。

ハピログ株式会社

富士山登山記念の新聞や、 インスタグラム・ブックなど新たなサービスも。

事業を展開する中で新たな気づきはありましたか。

中林さん:価値の変化というものを実感する出来事がありました。私たちのサービスによって、ユーザーの行動が変わりました。私どもは、ファミリー層をターゲットにしていたのですが、今年、熊本市のグループホームから大量の注文がありました。熊本地震に見舞われて電源が限られる中で、震災被害の状況や復興の様子をフェイスブックに記録していたので、それを本にまとめたいと考え、検索して『ハピログ』のサービスにたどり着いたとのことでした。グループホームの全国大会で配布したいとのことで、業務提携している富士ゼロックス株式会社にご協力いただき、無料で配布することができました。

新しい事業展開もあるのですね。

中林さん:今年の夏は、『富士山新聞』というサービスを行いました。山梨日日新聞社、富士急行、富士ゼロックス、APIXとともに取り組みました。富士山5合目にプリンターを運び込み、登山者が記念にアップした投稿をあらかじめ設定したテンプレートに流し込むと、自分だけの記念すべき『富士山新聞』をその場でプリントアウトするというサービスで、多くの方にご利用いただきました。インスタグラムに特化したフォトブックも今月リリース予定です。

他地域から移住してきたスタッフも多いのですね。

中林さん:スタッフだけでなく私自身も兵庫県神戸市出身です。若い二人は関東から、そしてもう一人は金沢市からこの高岡に集って働いています。今、社屋として借りているのは高岡市の中心部、古城公園お堀近くにある民家ですが、2階を社宅として活用しています。これからもスタッフと力を合わせ、新しいものを生み出していきたいと考えています。

ハピログ株式会社

取材日: 2016年11月2日 ライター: 加茂谷 慎治

 

ハピログ株式会社

  • 代表者名(よみがな): 中林 秀仁(なかばやし ひでと)
  • 設立年月:  2014年4月
  • 資本金: 1,300万円
  • 事業内容: フェイスブックからオリジナルフォトブックを作成するWebサービスの提供
  • 所在地: 富山県高岡市本丸町2-36
  • URL: https://happylogue.com/
  • お問い合わせ先: support@happylogue.com
  •            電話番号:050-1521-6027
 
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