WEB・モバイル2015.04.01

「面倒」を受け入れてはいけない! そこから生まれる新たなアイデアを大切に

名古屋
株式会社ニューキャスト 代表取締役 川原正隆氏
昭和62年、写植会社としてスタート。DTPの導入、システム・アプリケーション開発と、時代とともに新しい試みを取り入れて変化を続けている株式会社ニューキャスト。 効率化とコスト削減を追求した同社のシステム開発商品は評価が高く、日本各地から問い合わせが入るほど。制作現場の様々な「面倒」を解決してくれる同社の川原社長にお話を伺いました。

写植からDTP システム開発へと展開

川原社長が代表になられた経緯を教えていただけますか?

弊社はもともと写植屋でした。私の叔母が新栄で経営しておりまして、高校を卒業してから大学に進学するまでの期間、私も仕事を手伝っていました。会社にあるパソコンを触るのが楽しみでもありましたね。

趣味とつながる窓口としてのスタートだったんですね。

そうですね。でもその後、大学に行きつつ、学業以外の遊びに夢中になっていましたら、一度、叔母に泣いて怒られたことがあったんです。そこからしっかりしなくてはと心を入れ替えました。その後、叔母は身内の介護で実家に戻り、「あとはよろしく」と事業継承が強引に終わりましたね(笑)。

事業を引き継がれた後、現在ではシステム開発にも力を入れていらっしゃいますね。

当時は写植からDTPに変わりゆく時代だったんです。その中で、プログラムを作ることをやり始めて、これからの時代はシステム開発も取り入れてやっていかなければならないと思いましたね。

コンテンツ制作現場の悩みを解決する 株式会社ニューキャストの製品

コンテンツ制作現場の悩みを解決する
株式会社ニューキャストの製品群

元々、プログラミングなどに興味があったのですか?

特別な勉強はしていません。小学校の頃、近所のお兄ちゃんがパソコンを持っていて、触らせてもらったりしていたんです。それがきっかけで家にもパソコンを買ってもらい、小学生の頃にはゲームを作っていました。細々したことが好きなんでしょうね。何かやるとのめり込んでいくタイプなんだと思います。仕事をやり始めた当時も、自分が作ったものが新聞に掲載されたり、書店に並んだりすると、モチベーションが上がりましたね。

実際に、事業としてシステム開発を展開するようになったきっかけは?

例えば、雑誌やチラシを制作する際、ちょっと修正をするにも大変じゃないですか。赤字を入れる(=出力した紙に、依頼者が修正点を赤字で書く)のも大変ですし、たった一文字のために修正して出力し直すのも苦労がいります。もう、面倒くさい(笑)。「だったらそれを解決するシステム開発から全部やればいいじゃん」と。そういうところから始まりましたね。

システムはご自身で開発されたんですか?

いえ、開発にあたって人材を採用しました。実は、とんでもないやつがいるんです(笑)。当時、別の会社で働いていたんですが、トップの方が亡くなってしまい、声をかけて一緒にやり始めたのが12年ほど前です。そこからシステム事業ができあがったといっても過言ではないですね。お客様に対して「そこまで言わんでも」と思うようなことでも、ズバッと言うんです。でも、それがいい方にまわっていくんですよ。

使い勝手がよく運用しやすい商品を開発 その低価格の理由は?

開発商品について教えてください。

WPS (オンライン入稿・データ管理・自動組版などの総合システム)

WPS
オンライン入稿、データ管理、自動組版などが1セットになったシステム

外出先のノートPCからなど、いつでもどこからでも入稿でき、すぐに校正紙を作成できる

主力商品は5種類ありまして、すべて自社開発になります。一番の稼ぎ頭は「WPS」という自動組版システムです。10年ほど前に開発し、バージョンを上げながら続いているベストセラーです。

WPSでは、どのようなことが出来るのでしょうか?

WEB(オンライン)入稿~自動組版~校正紙出力~デザイン修正まで出来ます。 これらの制作工程をひとつのシステムで統合することで、データも進捗状況も一元管理する事ができる。その便利さは現場からも高い評価をいただいています。その他にも便利な機能を色々と付加しています。

現場からの高評価はうれしいですね。

現場を知らない人が作ったシステムだと運用しにくい。その点、弊社はずっとDTPをやってきていますので、説得力があるんです。制作現場の皆さんの大変な部分がよく分かっていますから。 その「現場が大変な部分」を解決するシステムなので、ご紹介すると、メリットを感じてすぐに採用を決めてくださるお客様が多いですね。

導入価格はどれくらいになるのでしょうか?

「WPS」なら初期費用が70~80万円で、月額10~20万円ほど。とにかく余計な機能を付けないことで、低価格を実現しました。マニュアルがなくても使えるというのも魅力ですね。

御社のシステムは、一般価格よりかなりお安いのでしょうか?

例えば、画像管理システムを購入するとなると、通常は約2000万円くらいかかるんですよ。 弊社の画像管理システム「Shelfoto」なら200万円ほどですので、10分の1の価格で購入できます。 導入しやすい価格設定で、制作現場の負担を軽くして差し上げたいですから。

主な取引先はどういった業界になりますか?

タウン誌や商品カタログの制作現場などが多いですね。印刷会社とお客様との関係は歴史があるのでなかなか突き崩せないのですが、直接やりとりさせていただいているお客様にはとても喜んでいただいております。

宣伝方法は?

年に1~2回、展示会を開催しているのですが、業務効率改善に取り組んでいる企業や、システムに導入にアンテナを張っている企業からお問い合わせをいただきますね。関東・関西を中心に、北は山形から南は熊本まで取引させていただいております。システムを導入してくださったお客様が、他社に熱心に商品を紹介してくださったりと、クチコミが半分以上なのは本当にうれしいことです。

「面倒くさがり屋」大歓迎! 手が抜ける方法を考えよう

今後、システム開発の分野はどうなると思われますか?

最近、「自動化する」ということが非常に注目されてきたと思います。今までは「手作業でやればいい」という世界でしたが、出版業界も業績が落ち込み、人材の確保も難しい。みなさん、もっと効率よく、楽にできるやり方を探しているんです。加えて、ネットに慣れた方が増え、システムが普及しやすい状況になっています。 弊社が目指してきたところに、注目が集まるようになったかと思います。

システム事業が好調ですが、従来のDTP事業も継続されるのですか?

DTPの事業もずっと残していくつもりです。自社で制作をやっているからこそ、開発へとつながることも多いからです。それに、システム開発は水モノなので、いつブームが去るか分かりません。DTPのような手作業の仕事も残っていくはずですので、どちらも続けていきたいです。

最後に、どんな人材を希望されますか?

「面倒くさがり屋」ですね。

「面倒くさがり屋」ですか?!

語弊があるといけないのですが「面倒くさいと感じることができ、それを改善しようと思う人」と言う意味です。 面倒くさいことをすべて受け入れてしまうのはよくないんです。効率が悪いことも「それが仕事だ」と思ってしまい、進歩がありません。「面倒くさい」と思うと同時に「手を抜ける部分はどこか」「どうやったら簡単に仕事を終えることができるか」を考えられる人がいい。クリエイティブの世界は、手を掛けようと思えばどこまででも手を掛けられますから。 デザインのスキルなども必要ですが、ひとつの仕事と向き合い、どれだけ次の仕事ことを考えられるかも大事だと思います。

取材日:2015年3月23日

株式会社ニューキャスト

  • 代表者名:川原正隆
  • 設立年月:1987年2月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容: システム・アプリケーション開発事業、WEB関連事業、印刷関連事業、出版事業など
  • 所在地: 【上前津デザインルーム】 〒460-0002 名古屋市中区千代田3-1-11 紀志屋ビル3B TEL 052-339-5080 【多治見開発ルーム】 〒507-0033 岐阜県多治見市本町1-80 校條ビル4D TEL 0572-44-7075
  • URL: http://xmldo.jp/
  • お問い合わせ:上記ホームページより
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