職種その他2019.09.14

おねぇに学ぶお悩み相談

東京
編集ライター
海外暮らしと帰国してから
Joshy

日本人が多く住んでいる海外の国や地域には、だいたい日本語の新聞があるようです。

現地の日本人に役立つ、ニュース、暮らしのヒント、レシピ、シティガイド、コラムなどが載っています。
ドイツの日本語新聞に、「お悩み相談」を連載していたことがありました。今回はそれについて書きたいと思います。

「海外に住む日本人は、知らない環境で生きるという共通の悩みを抱えているので、一種のメンタルケアのようなコーナーをやって欲しい」と、その新聞の編集長に声を掛けられたのが始まりでした。

しかし、いざ書いてみると、これがなかなか難しいのです。読者の悩みに誠実に答えようとすると、ついつい教えるような口調になってしまいます。
(自分も海外に住む悩める子羊の一人なのに)

笑いも取り入れることで、読む人の肩の力が抜けて、考え方の視点を変えられる。そんなお悩み相談ができないかな〜と思っていたところ、日本から来た「おねぇタレント」の方とお仕事をご一緒する機会がありました。その方と過ごす間、まるで昔からの友達のように、さまざまな話をしました。そして、お悩み相談をおねぇキャラでやったらどうかな? と閃いたのです。

自分なりに考えた、「おねぇによるお悩み相談」のポイントは以下のとおり

◆核心を突く

お悩み相談は、やはり問題の核心を突く答えなり、問題定義がないとお話になりません。おねぇというコミカルなキャラだと、上から目線になることなしに、核心に切り込んでいけるのです。

◆アウトサイダーの目

マイノリティーといわれる人たちは、私たちが生きている社会のマイノリティーな訳で、部外者としての視線を持っています。そのように、アウトサイダーの立場で問題点を突き詰めてみる

◆やさしさ

そのおねぇタレントの方は、TVでの辛辣なイメージとは裏腹に、慈愛を思わせるやさしさを秘めていました。「マイノリティーたちは子供の頃から差別されたり、理解してもらえない境遇にいることが多いので、人の痛みがわかりやすいのかも」と言っていましたが、自分のお悩み相談のベースには、人に対する共感や興味、希望があって欲しいと思いました。

さてさて、そんなこんなで始まったお悩み相談ですが、自分の顔や姿をデフォルメした素晴らしいイラストも入ることになり、結果的に大人気の連載となりました。連載終了後も復活のリクエストがあったほどです。

自虐的な笑いを取るって面白いですよね。今までやった連載で、一番楽しかった。ライターとして「自分を捨てる」というか、何か吹っ切れたような作品になったと思っています。またやりたいな〜(笑)

プロフィール
編集ライター
Joshy
ヨーロッパに20年滞在し、ライターとして記事を発信。帰国後、編集者として働きながら、日々の中で感じたこと、文化の違いなどを綴ってみたいと思います。

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