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Interview Series 1 あの人に会いたい


アニメファンに支持されていることは、自覚してます?

自宅ではテレビを観ないし、公式サイトも持っていないし、こうした生活をしているとファンの方と接触する機会もないので、実感はなかなか持てないです。ただ、海外で録音をするようになって以降、あちらでさえ「菅野さんの○○が好きです」と声をかけられるので、かなり実感を持てるようになってきました。

いくつもあるファンサイトを覗いていみると、みんな熱いですし、菅野さんの仕事に敬意を持って語り合ってますよ。

この場を借りて、深く、深く感謝したいです。

アニメに偏った評価をされるのは、本意ではない?

いえ、まったく。評価されることの嬉しさに、ジャンルなんて関係ないです。

活動のフィールドは、アニメとCMと映画。

はい、その3つは明らかに入ります。ただ、私の中では格別の区別はないんですが。

分野というか、肩書きというか、自己申告ではどうなるんですか?

ジャンルで分ける感覚はないんですよね。だから、自己申告するなら“曲書き職人”なんだと思います。

曲は、どんなところで、どんな風に書いてます?

こういうところで、こういう時に(笑)。

え?!

打ち合わせの最中や、移動中の車の中で頭の中に浮かんできます。家でピアノの前に座るのは、それを楽譜に落とすためですね。

ひえ〜、聞いてみるもんだな。作曲って、そんな風にするものなんですか。

たぶん、子供の頃のピアノの先生の影響です。その先生は、「このフレーズは、どんな音で弾きたい?」って聞いてくれる方でした。目の前にあるのはピアノなのでピアノの音しか出ないんですが、どんな音色がいいかと問いかけてくれるので、私は、頭の中でピアノではない好きな音を鳴らしていました。だから今も、頭の中で音色も含めてメロディーが浮かんできて、あとはそれを書き留めるだけ。ほぼ完成しています。

菅野さんの作品は、曲調のバリエーションが幅広いことに感心します。

私がよく使うたとえ話なんですが――結婚式の服しか手がけないと言う洋服のデザイナーがいますけど、私はそれに対して「そんなわけないでしょう」と言っちゃいます。いろいろ考えがあって絞り込んでいるのでしょうが、つくろうと思えば日常着だってエプロンだってできるでしょう?それ、もったいないと思うんです。少なくとも私は、「得意はこれ」とわざわざ道を狭める気はありません。相手かまわず「私のつくるものはこれなので、着て」ではなく、相手を見て、その方に似合う服をつくれる人でいたいですね。

なるほど、そういうメンタリティならサウンドトラックの依頼も、ひとつひとつ楽しめそうですね。

そうですね。どんどん違う依頼がくるので、楽しめます。あちらからモデルさんがきてくれて、その姿を見てから「こんな服を着せよう」と考えるのは楽しいし、ストレスなし(笑)。逆に言うと、私は、モデルさんに会えないとつくれないということにもなります。

そんな菅野さんが、日々努力していること、勉強していることは?

作曲のための勉強という意味では、まったくしてません。勉強は嫌いです(笑)。ひとつ言えるのは、依頼主と打ち合わせる時に、その人が言わんとしていることを理解するために気持ちをリラックスさせて、右脳を空いた状態にする。そこは、とても大切にしていますし、努力しています。

依頼の内容を右脳にインプットして、組み立てていくわけですか?

右脳は感覚の脳なので、組み立てるというより感じるですね。実を言うと、依頼主の言葉は全然聞いていないのかもしれない(笑)。その人がどんな感性の持ち主で、言いたいことはどんなことなのかを感じるのに全神経を集中させています。「お願いしたかったのと全然違うけど、いいね」と言われることが多いのは(笑)、そのせいでしょうね。

今、仕事量は、適量ですか?

いえ、多過ぎると感じてます。

平均的に、週に何日くらい作曲に使っている?

ほぼ毎日です。おかげ様で仕事には切れ目がないので、そうなります。

ワーカホリック?

そういう感じ、あります。けっこう尽くし型で、こんなに全部に一生懸命にならんでも(笑)と自分で思うこと、あります。

ほほう、それは、尽くされるほうはたまらないかも。

作曲自体は一瞬で終わるんですが、録音が長いんですね。思い描いた音になるまでは、10回でも20回でも録り直すし、立ち会います。

最後に、このサイトを愛読してくれているクリエイターたちに、エールを贈っていただけるとありがたいんですが。

う〜ん、どんなことが言えるかなあ……。好きなことをやっていれば、必ず何かになれる。誰も誉めたりしてくれなくても、好きなことをしていれば何かになれると私は信じています。我慢してやることってやっぱりつづかないから(笑)、恥ずかしがらずに好きなことをまっすぐに、自信を持ってやっていってほしいと思います。


Profile of 菅野よう子

宮城県出身。早稲田大学文学部在学中に、「てつ100%」のキーボード担当としてデビュー。1stアルバム『てつ100%』、2ndアルバム『あと3cm』をリリースする。同バンド解散後ソロデビュー。現在では主にアニメ音楽の作曲を手がけ、アニメファンから絶大な支持を得ている。テレビCMの音楽も数多く手がけ、他のテレビ番組で今までに手がけたサウンドトラックの曲が使用されることも非常に多いため、誰もがどこかしらで彼女の曲を耳にしているはずである。
【主な作品】
<アニメ>
マクロスプラス 1994年
マクロスプラス MOVIE EDITION 1995年
MEMORIES - 『彼女の想いで』1995年
天空のエスカフローネ1996年、溝口肇と共作
音響生命体ノイズマン1997年
カウボーイビバップ1998年
ブレンパワード 1998年
∀ガンダム 1999年
劇場版 エスカフローネ 2000年
地球少女アルジュナ 2001年
カウボーイビバップ 天国の扉 2001年
∀ガンダム I 地球光/II 月光蝶 2002年
WOLF'S RAIN 2003年
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2003年
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 2004年
創聖のアクエリオン 2005年、保刈久明と共作
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society 2006年
Darker than BLACK -黒の契約者- 2007年
創星のアクエリオン2007年
   
<ゲーム>
三國志 1985年
信長の野望シリーズ 全国版 1986年
戦国群雄伝 1988年
武将風雲録 1990年
覇王伝 1992年
天翔記 1994年
蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン 1987年
維新の嵐 1988年
大航海時代 1990年
大航海時代II 1993年
ナップルテール 2000年
カウボーイビバップ 追憶の夜曲 2005年
ラグナロクオンラインII 2007年予定

<映画>
僕は勉強ができない 1996年
夏時間の大人たち 1997年
Beautiful Sunday 1998年
tokyo.sora 2002年
水の女 2002年
下妻物語 2004年
阿修羅城の瞳 2005年
好きだ、 2006年
ハチミツとクローバー 2006年

<テレビドラマ>
世にも奇妙な物語 - 『ママ新発売』 () ()() () 2001年
真夜中は別の顔 2002年
X'smap〜虎とライオンと五人の男〜 2004年
父に奏でるメロディー 2006年
   
<CM>  
500本以上  


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