
本や雑誌の気になるページに挟んだり、メモを書いてデスクに貼ったり・・・いろいろな用途で使われる「付箋」が、バレリーナや侍、動物に!付箋をカットして様々な作品を生み出す「切りグラフ」プロジェクトを展開している瀬川卓司さんは、書籍の発売や展示会、ワークショップなどで活躍されています。どこにでもある付箋から独創的なプロジェクトを生み出した瀬川さんに、切りグラフ付箋を作り始めたキッカケや今後の展開、さらにクリエイエティブの考え方について、お聞きしました!
付箋の「糊」の部分を使って立てることで、立体的になるので表情が出てくるんですよね。一度貼っても簡単にはがせて、何度でも使える付箋の特徴を活かした作品ができるんですよ。例えば、斜めでも貼れるのでスポーツのダイナミックな動きを表現できますし、片足でも立てられるので、バレリーナのポーズも決まります。また、いろいろな場所に貼ったりはがしたり、複数の作品を組み合わせたり、楽しみを広げることができます。
切りグラフ付箋は、付箋とデザインナイフとカッティングマットがあれば、作ることができます。付箋は大きさも色もいろいろな種類のものがあり、常に身近にありますよね。デザインナイフも数百円程度ですし、誰でも気軽に初めてもらえます。ワークショップにはお子さんも来てくれるのですが、小学校高学年くらいならば十分に作ることができます。付き添いで来た親御さんのほうが夢中になってしまうことも多いのですが(笑)書籍も発売し、そこには型紙も多く収録しているので、ぜひトライしてもらいたいですね。
はい、最初は女性誌をメインにしたエディトリアルデザイナーとしてスタートしました。そこから書籍のデザインに広がって、特に実用書のデザインが好きですし得意分野なんですよね。子どもの頃からイラストや美術より図画工作の「工作」が好きでした。そこで切り紙や手作り文房具など、クラフト系の実用書を企画や編集段階から手掛けてきました。その中で「紙」のジャンルは、手軽で身近な素材の割に、うまく活用した事例が少ないなと感じていたんです。そこで、紙を使って何か面白いことができないか、と常々考えていたのですが、たまたま仕事で切りグラフ付箋を思いつくヒントと出会えたんですよ。
落語家の林家たい平師匠の著書をデザインしたのですが、その時「笑点」の舞台を切り取って組み上げる付録みたいなものを入れたんです。その「組み上げ」を関西では「立版古(たてばんこ)」と言って、江戸から明治時代におもちゃ絵として親しまれていたらしいんですね。そういう、紙を使った立体的なものはすごく面白いな、と思って、身近な付箋を使った切りグラフ付箋を考え出したのです。
最初は作った切りグラフ付箋を行った飲食店に置いて来て、その写真をブログにアップする、といったとても地道な普及活動からスタートしました(笑)その飲食店を訪れたお客さんがお店の人に聞いてくれたり、サイトにアクセスしてくれたりして、やはり目を引くというか、作品として人を引き付ける力はあるのかな、と感じましたね。意外に付箋は耐久性があって、お店に置いてきた切りグラフ付箋が1年経ってもまだしっかりと残っているんですよ。
立たせることで影ができるので、雰囲気のある佇まいになりますね。料理や雑貨小物の撮影でスタイリングのアクセントとして使ってもらえると活きるのではないか、映像が向いているのではないか、とあれこれと今後の展開を考えています。切りグラフプロジェクトを始めて5年以上になるのですが、まだまだこれからの段階ですね。
(次頁に続く)












