グラフィック2010.01.20

社会のためになることは何か・・・ 頭を使って新しい ものをつくる・仕事をつくる

東京
株式会社ピーエイチワンドットネット 代表取締役 松崎早人氏
 
ひとまず既存の業界分類でくくれば、広告代理業。なのだが、もうひとつ通信インフラ構築業という事業の柱を持っていて、その2分野を噛み合わせたシナジーを得意とし、さまざまなソリューション、コンサルテーションで多くのクライアントから評価されているのがピーエイチワンドットネットだ。 なるほど、たとえばWEB広告は広告と通信インフラが急速に接近している世界なのだから、そういう得意技を持つ企業が生まれるのは必然。むしろ、そこを特長、得意とする会社に出会わなかったのが不思議かもしれない。「ありそうで、なかった会社」――ピーエイチワンドットネットの代表取締役/松崎早人さんに、いろいろうかがってまいりました。

電話回線ビジネス、サッカー/パブリックビューイング ――ならではの着眼点と接点とアイデアで、 ユニークな活動を続けた10年の歴史。

松崎さんの前職は、モデルだとか。

間違いありません(笑)。1997年~2000年は、主にヨーロッパを舞台に活動していました。

そんな松崎さんが、起業を決意したきっかけは?

2000年に帰国して、普通に「そろそろ次のことを考えたいな」と思い、仕事を探しただけです(笑)。モデルの仕事はその先10年、20年とつづけられるとは考えていませんでしたから。

で、いきなり起業?

久しぶりに日本に帰ってみて、ヨーロッパ・アメリカとは通信環境やインターネット事情がかなり違うなと感じました。はっきり言って、遅れていると。 それで、これはビジネスチャンスがあると直感しました。

なるほど、「この先、日本はこうなる」を海の向こうで実体験して帰ってきた。だから、めざすべき方向がよく見えたわけですね。

そう言っていいと思います。それで真っ先に目についたのが、電話回線ビジネスでした。ユーザーの電話回線を他事業者にリプレースすることで、手数料がいただける! これは、すごいチャンスだと感じ、すぐに会社を立ち上げて活動を始めました。

ですが、そこに目をつけた事業者はすでにたくさんあったのでは?

調べると、そうでした。ところが、さらに調べると、既存事業者がカバーしきれていないエリアがあるとわかった。それは、離島地域です。結果的にそれが、当たった。国内離島地域の回線リプレースは、ほとんど当社がやったと言っても過言ではありません。

そこで会社として軌道に乗せ、広告代理業にも進出するのですね。

特別めざしたわけではありませんが、私はそちら出身と言ってもいい人物なので、自然に接点が生まれました。特に、2006年にドイツワールドカップを観戦するパブリックビューイングをプロデュースした案件で、急速に広告と送客ビジネスの世界に近づきました。

ユーザーオリエンテッドに発想してリリースした「モバロボ」。 クライアントのために、社会のためにと考えると、 自然に出てくる多彩なアイデア。

2007年には、携帯サイト簡単作成ASP「モバロボ」をリリースしていますね。

その名の通り、簡単に携帯サイトを作成できるASP(Application Service Provider)で、クライアントから好評を得ています。 ある日スタッフ会議で「これからは携帯サイトだよね」、「でも、いちいちサイトを開発するのは面倒じゃない?」という会話があり、ならば簡単に作成できるASPは受けるだろうと開発に踏み切りました。

発想が柔軟だし、行動力もありますね。

私たちは、クライアントのためになることは何か、社会のためになることは何かを常に考え、行動していますから。さらに言えば、「頭を使って新しいものをつくる、仕事をつくる」にも目がない(笑)。 「モバロボ」は実際の開発は外注で、コストもリスクもある案件ですが、とにかくやってみようと、ほぼ即断です。類似の案件で失敗例もありますが、チャレンジすることの方により大きな意義を感じますし、発言したスタッフも社内も士気があがりますから。

そういうアイデアは、アイデア会議のようなところから出てくる?

スタッフが揃っていろんな相談や打ち合わせをする集まりが、営業会議兼アイデア会議になっています。会社全体が上司部下というより友人の集まりのような雰囲気ですから、今考えていること、悩んでいることをランダムに提起して、自由に意見を述べ合います。面白いアイデアが、次々に飛び出すミーティングですよ。

昨日の知識やアイデアで、今日通用しないご提案をしたなら、 それは結果的に嘘になります。

会社のポリシーは?

「売ること」より、「ケアすること」が大事ですよね。いつも、お客様の良い相談相手であり、必要な時に必要なアドバイスができる存在でいたい。 だから、「便利な人たち」と呼んでくれる方がいらっしゃるなら、それ以上に光栄なことはないです。私たちは、クライアントにとって「便利な人たち」でありたい。

「便利な人たち」って、いそうでいないですよね。

インターネットを介した広告は、これまでのマス広告とまったく違う考え方、とらえ方が必要な世界。考えるべき要素が多く、それらの組み合わせは無限大とも言えます。そんな中、もっとも効果的な選択肢を見出すのは至難の技で、実際にできている企業は数えるほどしかありません。数千万円かけて構築したWEBサイトが、本当にその金額の価値があるのか疑問だというような状況は、まだまだあちこちに見受けられます。 私たちは、常に最適の選択肢をアドバイスして差し上げて、必要なものをつくってさしあげることができます。そこに共感し、「便利な人たち」と頼りにしていただくのが、無常の喜び。そういうスタッフが集まった集団なのです。

そういう理念を形にしていく上で、大切なことはあるでしょうか。

大切なのは、「嘘をつかない」営業を心がけることと思っています。

「嘘をつかない」営業とは?

意識的に嘘をつくのは論外ですが、営業のフィールドでは「約束を果たせない」という、結果的な嘘も生まれがちです。私たちは、それを絶対にしないと心がけています。特にWEBや通信の分野は、昨日までの第一線技術や技術知識が明日には使い物にならない事態が日常茶飯事。昨日の知識やアイデアで、今日通用しないご提案をすれば、それは結果的に嘘になる。 私と当社は、そういう営業姿勢を持っています。ですから、営業担当者は常に勉強と向上心、情報収集に全勢力を傾けているわけです。

取材日:2010年1月

株式会社ピーエイチワンドットネット

  • 代表取締役社長:松崎早人
  • 事業内容:
    • 広告代理業
    • 各種イベントの企画、制作、実施
    • 書籍、雑誌などの出版および販売
    • 電気通信事業法に基づく電気通信事業
    • 電気通信設備およびこれに付帯する設備の開発、保守販売および賃貸ならびに工事の請負
    • 電気通信設備のリース、レンタルおよびその仲介業務
    • 電気通信事業にかかるコンサルティング業務
    • 電気通信事業にかかるソフトウェアの開発、企画、制作に関する業務
    • 特許権、著作権、著作隣接権、意匠権、商標権、工業所有権の取得、およびその管理運用ならびに出願に関する業務
    • 企業の技術、販売、製造、企画などの業務提携の斡旋および仲介業務
    • 経営コンサルティング
    • 店舗、事務所のインテリアの企画、設計および内装仕上工事ならびに監理
    • アーティスト・文化人のマネージメント業務
    • 前各号に関する市場調査、宣伝および広告業
    • 前各号に付帯し、また関連する一切の業務
      • 設立:2000年12月28日
      • 資本金:15,000,000円
      • 所在地:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-6 大西ビル3F
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