WEB・モバイル2011.05.25

お客さまの問題解決を 前提に仕事に取り組むのが、 クリエイターでありプロフェッショナル

東京
株式会社パンセ 取締役 鈴木一司氏
 
フランス語で「思考」を意味する「pensees」を社名とする株式会社パンセは、ネットPRのリーディングカンパニーである株式会社ニューズ・ツー・ユー(http://www.news2u.co.jp/)によって2009年に設立された、ネットPRソリューションを提供する会社です。 1993年設立のニューズ・ツー・ユー前身である株式会社カプスと、1998年設立の株式会社イクリプス、両社の豊富なウェブサイト構築ノウハウを基盤に、ネットPRの視点を取り入れた提案を行い、グループのシナジーを最大化することで高い評価を獲得しています。 同社の事業展開や今後のビジョンについて、取締役の鈴木一司さんが語ってくれました。

グループ企業のノウハウを結集し、満を持してのスタート

会社設立の経緯をご説明ください。

ニューズ・ツー・ユーは、 ネットPRを支援するASP「News2uリリース」の提供を主事業としています。かねてから、そのような企業の情報流通の設計とともに、情報発信力を高める企業ウェブサイト構築のニーズに対する受け皿が必要だと考えていました。 また、株式会社イクリプスは12年の社歴を持つ制作会社でJWDA(日本ウェブデザイナーズ協会)創設にも貢献するなど、独自のパワーを持つ企業。 両社の実績とノウハウを合流させることで、これまでにない強力な体制を持つ制作集団として誕生したのがパンセなのです。

ネットPRに特化したソリューションの提供がメイン事業ですね。

ニューズ・ツー・ユーのお客さまは、ネットPRということを理解し、活用している、いわばネットPRのプロの方々ですので、パンセの事業ドメインはすぐに理解してくださったようです。ただ、それ以外の企業においては、ネットPRという概念が浸透していないので、講演会や執筆活動、ネット上のメディア等を通してネットPRの認知促進、啓蒙に注力しているところです。

顧客の意識改革も含めたアプローチが必要なのですね。

並行してネットPRをソリューションとして提供し、お客さまに活用していただき、うまくビジネスに生かしていただいた事例の蓄積も進めています。 成熟し淘汰も進むウェブ制作業界では、フラッシュでインタラクティブなものを得意とするとか、映像を組み合わせたコンテンツを提供するとか、あるいは価格で勝負するとか、各社それぞれに差別化を図っている時代です。そんな中で当社は、ニューズ・ツー・ユー・グループの強みを生かし、たとえばソーシャルメディアでどうやってエンドユーザーとコミュニケートすればいいのかなど、独自色の生み出せるテーマを設定したソリューションを提案しています。すでにもう、ウェブの世界にはどうすれば効果が出せるかという“成功への定石”はありません。ひとつひとつ成功体験を積み、それをお客さまに還元する手法が、結局のところ、主流になっていくのではないでしょうか。

成功事例の蓄積は進んでいますか?

たとえば、パナソニック様のプロジェクト、「Panasonic News Portal(http://news.panasonic.net/)」が、咋年12月の「企業ウェブ・グランプリ(http://www.web-grandprix.jp/)」において、「グローバルサイト部門グランプリ」をいただきました。 このプロジェクトは、同社がパナソニックブランドのさらなる世界的認知向上を目指し、グローバルな情報発信の要となるサイトとして、構築をしたものです。 当社にとってもチャレンジングな仕事で、最終的にアワードでの受賞という大きな成果を得られたことを大変喜んでいますし、内外に誇れる成功事例となりました。

受賞というかたちでの成果ほどの成功事例はありませんね。

いま、トリプルメディア論の中で企業がどういう情報発信をすべきかが、よく話題になります。 このサイトも、世界各国のパナソニックから発信されている情報を「Panasonic News Portal」に集約して配信し、広報活動が継続的に情報発信することができるシステムを構築しました。さらに、パナソニックが運営する多数のソーシャルメディアを地域ごとに一覧化、各ニュースからソーシャルメディアへと誘導する動線を設計し、このサイトがパナソニックへのゲートウェイとして機能するように設計されており、ここにきさえすれば情報が得られるという場を提供しています。

顧客とのパートナーシップが成功へのカギとなる

パンセに、「顧客層」のようなものはありますか?

顧客の業種にも、企業規模にも偏りはありません。 ただ、ウェブ戦略をたて、結果を得るためにPDCAサイクルを回すとなると一定の企業体力が必要なので、実質的に中堅企業以上が多くなっているように思えます。

顧客企業のウェブ事業に対する見識も、成功の必須条件でしょうか?

当社がお客さまのネットに関する知識の有無で仕事を選ぶことはありません。 ただ、パートナーシップの形成できるお客さまを望んでいることは事実です。われわれはウェブのプロではあっても“魔法使い”(笑)ではありませんので、まかせきりではなく、適宜最新情報をいただきながらでなければ理想的な構築も運営も難しいのです。

得意分野は?

当社の得意分野はネットPRです。企業のコーポレートサイトやブランドサイトの付加価値を高めるお手伝いしたり、サテライトサイトやソーシャルメディアをつかって話題つくりを促進させるなど、その商品やサービスをいかに魅力的にみせるか、エンドユーザーにいかに興味を持ってもらいファンになってもらうかといった課題に取り組むのを得意としています。 どういう打ち出し方が成功につながるかは、常に試行錯誤の連続なので、お客さまとわれわれの持っている知識や経験を、多角的に検証しミックスし、ご提供します。

クリエイター個々のスキルを高めつつ、スタッフ数増強も視野に

貴社では、現在どのようなスタッフが活躍されていますか?

制作面はディレクターが統括し、デザイナーとチームを組んでいます。技術面は、ニューズ・ツー・ユーの開発チームと連携しています。現在は、ディレクターが6人、ウェブデザイナーが3人、エンジニアが3人の体制です。 ちなみにパンセでは、デザイナーやエンジニアにもプレゼンテーションへの同行や、社内のブレスト会議での積極的な発言を求めたり、クリエイターの潜在能力を引き出すことに心を配っています。直ぐに新しい技術やサービスが生まれる業界だからこそ、常にアンテナを張って、新しいことにチャレンジすることを意識しています。

制作会社である以上、スタッフの能力を引き出し、よりよいものをつくることは生命線と言えます。

その通りと思います。制作力への自信に揺らぎがあれば、いわゆる価格競争に参戦する誤った選択もしてしまうもの。当社には、そんな考えはありません。 ですから制作スタッフの力を引き出す環境づくりには、さまざまな工夫を繰り返しています。たとえば現在当社の給与システムには残業代はふくまれておりません。つまり、制作スタッフは1分からでも残業手当が支給されます。その分、出退勤の時間管理は厳しく、「長時間会社にいつづける」ことはできなくなっています。プロである以上時間内に仕事を終わらせ、かつ質の高いアウトプットをする。これまでの制作の世界の常識とは違った考えかもしれませんが、このチャレンジはひいては制作者の環境改善にもつながり、能力を最大限に引き出す方法論になると信じています。

貴社のような制作会社に興味を持つクリエイターの皆さまにメッセージをお願いします。

お客さまの問題解決を前提に仕事に取り組むのが、クリエイターでありプロフェッショナルだと考えます。 プロジェクトにおいて、お客さまの市場をしっかり勉強した上で、私たちの専門分野からの提案をする。顧客企業のマーケティングの視点だけでなく経営戦略にまで視野を広げてかんがえられるかどうかが大事です。情報感度の高い、また学習意欲のある方々と仕事をしていきたいと考えています。

(取材日:2011年4月)

株式会社パンセ

  • 代表取締役:神原弥奈子
  • 事業内容:Webソリューション(企画/デザイン/制作/マーケティング/ネットPR)
  • 設立:2009年11月
  • 資本金:10,000,000円
  • 所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町3-2-4 麹町HFビル4F
  • TEL:03-5216-7563
  • FAX:03-3512-0331
  • URL:http://www.pensees.co.jp/
  • 問い合わせメール:上記HP「お問い合わせ」ボタンより
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