WEB・モバイル2014.10.01

幾多の苦難から立ち上がり 今、新たなフェーズへ 企業システム開発の未来を見つめ続ける

仙台
株式会社 S2W (エス・ツー・ダブル) 代表取締役 八木 保氏
企業の生産性を向上させ、業務を円滑に進めるための企業内システム。10年ほど前まではPCの大量導入もありニーズが沸騰していたものの、今マーケットは一時的に飽和状態なのをご存知だろうか。システム制作会社の主要業務が新規開発から再構築業務へ、またWEBへと移行せざるを得ない背景も見える。今回訪問したのは、仙台を拠点とするシステム制作会社S2W(エス・ツー・ダブル)。代表取締役の八木保さんに今度の展望をお聞きしました。

小学生のころからコンピュータに興味がありすぎて 寝ても覚めてもコンピュータの毎日でした(笑)

まず、八木さんが会社を興されたきっかけを教えていただけますか。

私は秋田出身で仙台のコンピュータ専門学校へ進学し、そのまま仙台の会社へ就職しました。その後、転職して3社ほど経験した後、2006年に起業したんです。 起業しようと思ったのは、最初に勤めた会社で、いい経験ができたからでしょうか。 その頃に「いずれは独立しよう」と決めて、他の会社でも経験を積みました。

専門学校を選ばれたということは、それ以前からコンピュータにご興味があったのですか?

小学生の頃、近所の電器店に初期の大きなパソコンがありまして、店主のおじさんに使い方を教えもらってから、一筋ですね(笑)。インベーダーゲームが流行っていたので、まずはその仕組みから理解しました。

中学生になって、高価だったパソコンを手に入れてからは、独学でプログラムを組んで遊んでいました。とても先進的に感じていましたし、仕組みを理解してからはもう夢中で(笑)。専門学校に進学した時も、周囲に自分ほどプログラムを理解している同級生がいなかったので珍しがられたことを覚えています。

その後経験された会社も、すべてコンピュータ関連なんですね。

ええ、そうです。最初に就職した会社が大きなメーカーのグループ企業だったこともあり、そのメーカーの東京本社に出向しプロジェクトマネージャーなども経験しました。そこで自分の能力が中央でも通用するということを実感しましたし、同じ仕事をしている本社社員との待遇の違いを感じたわけです。そこで「自分の会社を興そう」と決めて、違う会社を見るために転職し、色々と勉強させてもらいました。

企業の地として仙台を選ばれた理由は?

自然な流れでした。家族もいましたし、拠点を仙台に置いていましたので。起業する直前に働いていた会社のご縁で仕事をいただけることになったのも大きかったですね。

幼いころから培ってきた知識と業界をわたり経験した知見 それが強み

起業されてからはどんなお仕事をされているのでしょう?

主にシステムの設計と構築、管理、再設計などです。 ご相談を受けてからそのクライアントに合う要件を掘り下げます。

受託開発が主でしょうか。自社商品の開発は?

あります。汎用性の高いパッケージソフトの開発を行い、価格を抑えて販売しています。 現在、企業内システムの新規開発の件数は減って、再構築やリニューアルのフェーズに移っています。そんな中、パッケージソフトであれば、これまで企業内システムを導入していなかった会社でも初期投資を抑えられるので新規導入しやすいんです。

なるほど。御社の強みを教えていただけますか?

そうですね。小学生のころから培ってきた専門的知識と知見、そしてフレキシブルに対応できることでしょうか。県外からの依頼には実際に何度も訪問して対応させていただいています。

一難去ってまた一難・・・ 困難を残り越えて生まれた自信がある

起業されてからの8年間には苦難も多かったということですが。

ええ。大変でした。 まず、2008年のリーマンショックですね。起業して3年目、やっと仕事が軌道に乗りはじめた頃でした。当時のクライアントには製造業が多かったので、リーマンショックの影響で契約が白紙になったり、無期限でペンディングになったりと、参りました。スタッフに事情を理解してもらい、なんとかやり繰りをしてやっと落ち着いたと思った頃、今度は震災がありました。

震災の影響は大きかったですね。

ええ、本当に大きかったですね。売り上げも収入もない期間がありました。 東北の多くの事業者さんがそうだったように、うちも厳しい時期が続き、会社を継続するのも難しいかと考えましたが、なんとか持ちこたえて今まで継続してこられました。

苦難の連続でしたね。数々の苦難を越えていままで継続できた理由は何でしょう?

そうですね。技術だと思います。そして知識への信頼でしょうか。 震災のあとにはソフトウエア会社の派遣の仕事で食いつないだ期間もありました。そんな時期を乗り越え、今、元のように仕事をいただけているのはこれまで納品してきた製品に信頼を寄せていただいているからだと思っています。

仙台から世界へ 知識とスピードで勝負

今、注力しているプロジェクトは?

パッケージソフトなどの自社商品のプロモーションに課題を感じ、模索しています。受託開発だけでなく商品開発にも力を入れていますので、それをいかに多くの方に知っていただくか。同業種からの情報も参考にしながら、多様な業種の方と関わり、新たな可能性を探りたいですね。

御社の今後のビジョンをお聞かせください。

S2Wという弊社の屋号は「Sendai To World」が由来のひとつです。「仙台から世界へ」という広い目線を持ち続けていきます。この業界の技術革新のスピードは驚くほど早い。自己投資をして学び続けないといつでも誰でも脱落してしまいます。これまでの知識をさらに高めるために、新しいことを吸収してさらにそれをアウトプットへ活かしていく。新しいご提案でクライアントの生産性を高める、それが最も肝要なことだと思っています。

株式会社S2W (エス・ツー・ダブル)

  • 代表取締役:八木 保(やぎ たもつ)
  • 設立年月:2006年5月
  • 資本金:1,000,000円
  • 事業内容:システム受託開発、システム導入コンサルティング、ホームページ制作・機能拡張 ホスティングサービス、運用・保守サービス
  • 所在地:宮城県仙台市青葉区一番町一丁目4-30 さのやビルディング5F-B室
  • TEL:022-725-8448
  • FAX:022-725-8466
  • URL:http://www.s2w.net/
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