WEB・モバイル2012.11.20

クリエイターがスキルを伸ばし、 力を発揮できる環境を整えたい

大阪
株式会社エレメンツリー 代表取締役 小川邦弘氏
 
スマートフォンや携帯電話の普及や高機能化に伴い急成長したコンテンツ市場は、可能性の広がっている世界です。女性向け恋愛ゲーム・デコメ(R)・待ち受け画像・着うた(R)・着信メロディーコンテンツなどの企画、制作、運営を手掛ける株式会社エレメンツリーも、勢いのある企業。現在の事業や今後の展望について、代表取締役の小川邦弘(おがわくにひろ)さんにおうかがいしました。

初期の頃はどんなものを制作されていたのですか。

デコメ(R)・待ち受け画像・着うた(R)・着信メロディーなどです。 さまざまなコンテンツが市場にあふれていて、効果的にプロモーションを行っていかないと、ユーザーに存在を知ってもらうことはできません。当初は受託案件事業もおこなっており、他者のホームページやシステム構築であげた利益をプロモーション費用に回して、コンテンツのユーザーを獲得していました。 現在は受託案件事業は行っておらず、自社のオリジナルコンテンツのみ制作しております。

ユーザーのハートをつかむ「リアルな擬似恋愛」

女性向けの恋愛ゲームを主に制作されているそうですね

はい。いわゆる乙女ゲームを制作しております。乙女ゲームが初めて登場した頃に、スタッフから「うちでも作ってみたい」という声が挙がったのです。最初に作ったのは学園を背景としたゲームでした。

着実に実績を積み重ねられてきていますが、コンテンツ業界は首都圏が中心です。いろいろとご苦労もあったのではないでしょうか。

そうですね。やはり情報や人材面など、首都圏の方が有利だと思います。 弊社では出来る限りクリエイターが働きやすい環境を作り、物づくりに集中させ、個々のスキルを最大限伸ばして不利な部分を補っております。 なお、この業界は先行者メリットが大きく、先に参入してユーザーを獲得できれば、市場の拡大とともに伸びていく傾向がありますので、関西の企業でも十分に活躍できる可能性はあると思います。

女性スタッフが9割だとか。制作会議など、スタッフの皆さんから活発に意見が飛び交いそうですね。

乙女ゲームで重要なシナリオを作る際は、骨組みとなるプロットの内容について真剣に話し合います。ここが良い、悪いと率直な意見が出てきますよ。スタッフ全員がユーザーでもありますからね。どこに魅力を感じるか、違った目線からの意見になるほどと思わされることも少なくありません。

ユーザーに満足されるものを提供するために、大切にされている点をお教えください。

「擬似恋愛を楽しみたい」というユーザーの気持ちに、いかに応えられるかということでしょうね。たとえば魅力あるキャラクターを生み出し、キャラクターのイメージとシナリオをうまく一致させる事が不可欠です。 また、乙女ゲームは売り切り要素が強く、更新で修正の利くタイプのコンテンツとは違います。というのは、シナリオを読み進めるゲームなのですが、途中で離脱するユーザーが多かったとしても、既に先を読んでいるユーザーがいるので、内容をがらりと変えるわけにはいかないのです。ですから、提供する前に内容をしっかり吟味しなくてはいけません。 トレンドをはずさないことも大事。コアユーザーは20代半ばから30代の女性で、軽い話では感情移入しにくいので、そういう年代にウケそうなシナリオを練っています。リアルな恋の駆け引きなどが入った、大人のラブストーリーですね。

ヒット作品

リアルな感じがウケるわけですね。これまでの中でヒット作品は?

GREEプラットフォームで提供している「新選組~幕末恋物語~」というゲームです。江戸時代にタイムスリップしてしまったヒロインがとらわれの身となり、見張り番の新選組メンバーと恋に落ちる話です。土方歳三や沖田総司ら歴史上の人物の中から相手を選びます。

クリエイターの納得いくものづくり環境を。

今後の目標などはいかがでしょうか。

現在力を入れている乙女ゲームの事業をさらに拡大したいと考えております。 人的リソースが不足しているので、それを解決しクオリティーやリリースするスピードを上げ、より良いアプリを提供し、沢山のユーザーにプレイして頂きたいですね。

勝負年というわけですね。楽しみです。

もうひとつ、私が常に念頭に置いているのは、クリエイターがスキルを伸ばし、力を発揮できる環境を整えたいということ。クリエイターが納得できるものを作れる会社であってほしいですね。正直なところ、自社の制作物はまだ課題が多いと痛感しています。すぐにとは行きませんが、理想の環境に近づけていき、作品のレベルも上げていきたいと思っています。

志をともにする人たちと一緒に行うものづくりは、本当に楽しいものです。 数字ばかりに追われて焦ることなく、クリエイターが仕事に熱中できる環境を維持しながら、お互いに刺激しあって成長し、その上で評価されるものを生み出すことができたら最高ですね。

※「デコメ(R)」は株式会社NTTドコモの商標または登録商標です。 ※「着うた(R)」は株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの商標または登録商標です。

株式会社エレメンツリー

  • 代表取締役:小川邦弘(おがわくにひろ)
  • 事業内容:
    • スマートフォンコンテンツ事業
    • モバイルコンテンツ事業
    • ソーシャルアプリケーション事業
  • 資本金:1000万円
  • 所在地:〒532-0011 大阪市淀川区西中島7-7-3エフベースミュゼオビル201
  • URL:http://www.elementree.co.jp/
  • お問い合わせ:上記ホームページの「お問い合わせ」より
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