WEB・モバイル2017.03.08

「設計」に特化したWeb制作を展開 強みを結集させ、顧客に最高のサービスを

名古屋
株式会社グランフェアズ 代表取締役・CEO/プロデューサー 大和誠司 氏
少数精鋭の個性的なメンバーが集まった株式会社グランフェアズは、Web制作の「設計」に特化したサービスを強みにしています。メンバー同士の仕事のやりとりは、チャットなどを活用しているため、日々のオフィスは静寂が漂っていますが、飲み会は、大変賑やかで、オン、オフのメリハリを大切にされています。変化の激しいWeb制作業界で、時代のニーズを読み取り、先端を切り拓いていく強い意志と姿勢を感じる大和誠司(おおわせいじ)社長にお話をうかがいました。

強みである「設計」を尖らせた(特化する)Web制作を展開

これまでのキャリアについてお話いただけますか?

新卒で大手百貨店に就職し、9年勤めました。ベーシックで機能的な商品を大量に仕入れて販売する催しを企画するなど、これまで百貨店がやってこなかった新しいプロジェクトに挑戦し、いい結果を出し続けたことが評価され、全国最年少バイヤーになりました。バイヤーの仕事が好きで、精力的に取り組んでいたのですが、営業に異動になり、それを転機にWeb制作会社に転職しました。

その後、会社設立までの経緯は?

Web制作会社ではプロデューサーとして4年務めました。そこで、名古屋という土地の特長である"関係性の強さ"を強く感じました。新規のお客さまよりも、長く取引のあるお得意さまとの関係が強い土壌なので、お得意さまから継続的にいただくお仕事が多いです。それはWebも同じで、一つのクライアントからの依頼を一つのWeb制作会社が一挙に引き受けますが、このような一社がオールマイティーに仕事を請け負う体制は、技術面においても、スピードにおいても、複数社が個々の強みを結集させた体制には、敵わないので、今後、ワンストップ型のビジネスモデルは難しくなるだろうと考えています。そこで、何か一つの分野に特化する「ポジショニング」重視のビジネスモデルを実践することで、お客様のために強みを持ちそれを生かそうとする企業を作ろう、個人にとって有益な仕組み作りをしようという思いで起業しました。

では、御社はどんな強みを生かして事業を展開されているのですか?

「設計」を強みにしたWeb制作です。我々の言う「設計」は幅広く、システムを組む、ビジネスの要件定義をする、データーベースの設計や、チームを組むことなどが含まれています。 Webの設計は建物と同じで、最初に図面を引いて枠組みを決めるというのが役目です。川の流れで言うと、企業にとってWeb制作は後工程ですが、設計に「尖る(特化する)」、つまり我々の強みを生かすことで、上流工程に行くことができると考えました。限られた予算をどこにどれだけ配分するのか、どう形にするかを決めるといった役割が私自身の得意分野であり、そこを担えるプレイヤー(会社)は少なく、ニーズも多くあると感じています。

では設計以外の部分は、どうされているのですか

他社と協力しています。一社がすべて担うより、それぞれの強みを持った複数社が1案件にアサインする態勢で、カスタマーシェアが行われています。その方がお客さまにとってよい結果が生まれると思います。

お客さまのための最適な布陣を

複数社が1案件を分担する利点は何ですか?

1社に対して、それぞれ得意な面からサポートしている複数の会社がアサインしている状態が市場経済にとって健全です。1社が独占的に全てを抱え込もうとすると、得意でないことも行わなければならないので、最適な布陣とは言えません。その結果、最適なサービスが提供できず、お客さまも制作にかかったコストが回収できないため、次の依頼にもつながりません。つまりリピートしてもらえないので、業界にとってもダメージになります。

お客さまのために強みを尖らせ、複数社でプロジェクトに取り組むことで、成果にとことんこだわれるわけですね。

百貨店でバイヤーをしていた時代に学んだことですが、成果が出ないと誰も話を聞いてくれません。上司や取引先を粘り強く説得し、結果を出し続けることが重要です。成果が出せたからこそ、高評価を頂き、全国初の最年少バイヤーになれたのだと思います。 他人事ではなく、自身のこととして成果を出そうと必死に努力する姿勢は必ずお客さまに伝わります。成果が出なければ、Web制作にかかったコストは損失になってしまいますが、成果が出ればコストは投資に転換されます。

逆に複数社がアサインする布陣の弱点は、何だと思いますか?

プロジェクトを束ねる力量、発注者の力量ですね。特にWebが進化してきたことで様々な領域が生まれ、様々なプレイヤーが存在するようになりました。そんな状況下で最適な布陣を組むのは非常に難易度が高いと思います。だからこそ、顧客のビジネスと、Webシステムに精通している我々が司令塔になり顧客とタッグを組む必要があるわけです。

では、お仕事の依頼はご紹介が多いのでしようか?

はい。お客さまからのご紹介、リピート、複数社がアサインするケースに声掛けしてもらうの3パターンが多いです。

代理店などは通さず、すべて直請けのお仕事ですか?

代理店の後ろにいては、強みが発揮できません。エンドユーザーがWebで何を実現したいのか、どんな課題を抱えているのかを解決するためには、お客さまの傍で共闘し、直接プロジェクトを牽引する役目を担う必要があります。

全国にお客さまがいらっしゃるとうかがいましたが、どのような点が支持されているとお考えですか?

我々が出張してお客様のところへ出かけるだけでなく、お客さまのほうからお越しいただくほどの関係性が築けています。お客さまがわざわざ遠くから来てくださるのは、企業が抱える悩み事を解決できるWeb制作会社が多くないのが理由だと思います。Webとお客さまのビジネスをつなぐには、お客さまのビジネスとWebの使い方の両方を熟知していなければなりません。どちらかだけではダメですが、その一方のみを得意とするWeb制作会社が多いように思います。

お客さまよりもお客さまのことを熟知せよ

社名の由来は何ですか?

「移動遊園地」をイメージして作った造語で、それぞれの強みや技術を磨き、尖り(特化し)、シルクドソレイユのようなチームを目指しています。

会社の雰囲気など、教えていただけますか?

アットホームで個性的なディレクター集団だと思います。Web制作の工程のどこかに強み持ちながら、全体を理解している「T型人財」というのを目指しています。 また、ミスコミュニケーションを防ぐため、打ち合わせはチャットツールなどでテキストに残すようにして、面と向かって話し合うのは、アイデア出しとチーム方針のミーティングだけです。作業効率化を上げ、生産性を向上させていると、取引のある大手企業からも評価されています。

今後の展望をお聞かせください?

Web業界は変化の激しく展望が描きにくい業界ですが、ニーズや変化に対応し変わることを恐れないでやっていきたいと思います。まだ名古屋では、何でも広く浅くこなせる人財にニーズが多く、尖っている(特化している)と仕事が減るため尖った人財が減っていく傾向にあります。そのため将来的には、東京を始めとした全国各地との関係性を強めていくことも必要だと思います。

今後、必要とされる人財はどんな技術を持つ人財ですか?

例えば、Webデザイナーだったら、デザイン単独で必要とされることは減り、マークアップやコーディングの知識や技術が不可欠になるでしょう。デザインだけであればWebデザイナーよりも、グラフィックデザイナーの方がより専門的ですし、デザインだけのWebデザイナーの需要は減っていくと思います。

具体的に、どんな人材を求めていますか?

お客様とお客様のお客様(サイトユーザー)の橋渡し役の我々は、お客さまから信頼されなければ務まりませんので、スキルセットよりマインドセットを重視しています。納期を守り、ルールを守るような当たり前のことをしっかりできること。そういう当たり前の積み重ねが「品質」につながると考えています。ですから実務経験は少なくても基本姿勢ができていれば歓迎します。インターンを経て就職したメンバーもいます。

お客さまから信頼を得るにはどうすべきとお考えですか?

お客さまのファンになることが何より重要です。「お客さまのことをお客さま自身より深く知る。お客さまのサービスを利用するユーザのことまで知る 」ことがマインド面で言う我々のビジネスの鍵になると思います。

取材日: 2017年1月11日 ライター: 望月佑香

株式会社グランフェアズ

  • 代表者名(よみがな):大和誠司(おおわせいじ)
  • 設立年月:2010年9月
  • 事業内容:Webサイト/アプリケーション構築の企画、Webサイト/アプリケーション構築におけるプロジェクト管理、Webサイト/アプリケーション構築におけるインターフェイス設計、スマートフォンサイト/アプリケーション開発
  • 所在地:〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵1-26-8 葵ビル5F
  • URL:http://www.granfairs.com/
  • お問い合わせ先:052-990-6908

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