WEB・モバイル2020.08.19

採用に強く、優れた人材を育成する会社作りを目指す

札幌
株式会社BWORKS CEO
Kazumasa Miyazawa
宮澤 一政

その人のやる気を形にするという、理想的な働き方を追求するなかで生まれたさまざまな知識やアイデアから、通信事業やHR(人材)事業など6つの事業を展開している「株式会社BWORKS」。「社内環境を整えることで人を育てる」と話す代表取締役・宮澤一政(みやざわ かずまさ)さんに、事業内容や自身の信条、今後の展望についてお話を伺いました。

会社運営をするうえで必要な知識が、事業として広がる

会社立ち上げまでのキャリアを教えてください。

仕事のスタートは、東京の広告代理店での営業です。そこで一定基準を満たすと独立できるという制度を利用し、25歳でチームスタッフを連れ、西新宿に事務所を構えました。そこで2〜3年経ってから、生まれ育った地を離れてみたくなり、札幌への移転を決めました。縁もなく知り合いもいなかったため、最初の数カ月はうまくいきませんでしたが、少しずつ波に乗り、数年後にグループから抜けて完全に独立しました。

2021年で20年目になりますが、独立後も通信事業や広告事業は継続していて、取引会社が成長した時期と、人材の採用に力を入れていこうと考えた時期が重なったことから、2018年に株式会社を立ち上げました。

業務のメインは「通信事業」と「広告事業」ですか?

そうですね。通信事業では、大手携帯キャリアのセールスプロモーションやイベントの実施、スタッフ教育、現場接客など幅広く取り組んでいます。広告事業では、地元飲食店の印刷物やWebページの制作、アーティストのPV(プロモーションビデオ)や企業の研修用動画の撮影・編集などを行っています。他にも「プログラミング事業」や「アパレル事業」、それに加え2019年には、「中小企業支援事業」と「HR事業」も始めました。

新事業に取り組んだきっかけは何でしたか?

売れるから、流行するからというよりは、社内に必要なことを整えていくなかで得た知識を中小企業向けサービス化してきました。例えば、「中小企業支援事業」では、今まで身に付けた補助金や助成金などの知識とノウハウを、個人事業者や中小企業向けにサービス化し、弊社の営業手法でローンチしていきました。コロナ禍では、多くのお客さまに利用していただけましたし、今もたくさんのご相談をいただいております。それに併せて、広告や経営相談などもたくさんいただいており、新しいお客様とのつながりが一気に増えております。

他にも、税理士や社労士の紹介、税理士・社労士向けのセミナーも実施しています。さらに「HR事業」では、中小企業を対象に人材採用のスキームを提案しています。採用マーケットが厳しい時代に、中小企業が就職フェアに出ても大手には勝てませんので、お金の使い方の見直しやオウンドメディアの導入、福利厚生の整備などを提案しています。

選ばれる会社になるための人材を育成する

会社の強み、ポリシーを教えてください。

これまで、「採用と育成に強い会社」というブランディングをしてきましたし、実際に周囲からも同様の評価を得られていると思います。面接時にも、「会社を育てよう」「乗った船を速く進ませよう」という気持ちがあるかどうかに重点を置いて見ています。

商品サービスのトレンド軸が目まぐるしく変わるなかで、会社で守るべきは人です。この先、想像もしていないような仕事が来たときに柔軟に対応できる人材があれば、必要なところにその力を投入できますから、採用と人材育成に力を注ぎ、近い未来に訪れるかもしれないチャンスに備えています。

年々、採用事情は厳しくなっているように感じますが、どう捉えていますか?

労働人口の減少により、以前よりも採用が難しいと感じている人事担当者も多いと思いますが、「人が働かなくなった」わけではなく、今の求職者たちは「働く会社を選べる時代になった」だけなのです。

例えば、かつてデフレによって飲食業界の価格破壊が進みました。お客さんが来ないから価格を下げ続けた結果、潰れた店も多かったですね。そのとき耳にしたのが、「外食をする人がいなくなったわけではなく、外食する店を本気で選ぶようになっただけ」だということでした。それなら選ばれる店になればいい。会社も同じことで、人はいますし新卒者はどこかに就職します。

昔はお金を稼いでいい家に住み、いい車に乗ることが社会人のステータスだったかもしれませんが、今は、環境や人、仕事内容が自慢や誇りになる。だったらそれを与えてあげればいいんです。

具体的には、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

まずは社内環境を整えることですね。うちは、福利厚生の充実を図るほか、従業員満足度調査を実施したり、社員の健康管理や生産性向上のために、2021年の健康経営優良法人の認定を目指した取り組みも行っています。売り上げを使って社内環境を整えることで皆がいい仕事をしてくれたら、会社に残すお金は後回しでいいんです。そこに気付いて動いたら、成果が出てきました。だからやり方としては合っているんじゃないかなと思っています。

一人一人が主役になるステージを見つける

職場の環境作りで心掛けていることはありますか?

現在20代を中心に40人が在籍しており、その1/3が女性社員です。うちはOBやOGとも仲がいいですし、今でもチームとして一緒に働いています。給料は、入社時点では全員一律で、半年後に成果や能力に合わせて変えていきます。

部ごとの縦割りはせず、多くのスタッフが一度に3つ、4つの業務を担当するスタイルで、人数が増えたときに、他の人が何をしているか分からない状態を避けるため、さまざまな業務に触れる機会を作り、社内に動きや活気が生まれるようにしています。

スタッフとの距離も近そうですね。

僕からは上下関係を作らず、40人それぞれと対等に接しています。また、年齢や社歴に関係なく全員に同じ内容を発信しますし、思っていることは格好つけずに伝えています。

また、タスクが欲しい人、大変でもいいからチャンスが欲しい人など、個々の胸の内に秘めたやる気をちゃんとくみ取って「一人一人が主役になれるステージ」を見つけてあげられるよう、常に一歩引いた姿勢で目を配るように心掛けています。

宮澤さんが考える“できるスタッフ”について教えてください。

スタッフには「今の業務がいつなくなるか分からないし、業態やターゲットが変わった時にビジネスチャンスを逃さないためにも、常に外に目を向けるように」と伝えています。変化に対応できる人こそが能力の高い人であり、100%のものを何か1つするよりも、70%のことを3つできる方が僕は優秀だと思います。

そういう意味でも、いろんな掛け算ができる人が育つよう、さまざまな業務を経験させています。自分のやっていることを磨いていけば、いずれは形になると思いますし、光り輝いていれば、他の優秀な人もいい仕事も自然と集まってくるはずです。

次のチャンスに備え、日々の勉強は欠かさない

今後の展望についてお聞かせください。

ITに付随するサービスに関しては、この10年でお金にならなかったものや、「こうだったらいいな」と思い描いていたものが、今になって形になってきた物も多いです。僕は新しいものが好きですし、未来に目を向けるとワクワクします。

若い人の発想についていけなくなるのは怖いですし、何だったら、僕の方が詳しいとスタッフたちに威張りたい(笑)。だから、常にいろんな方向にアンテナを張っています。特にマーケットの動きについては、スタッフの誰よりも僕自身が勉強しているつもりです。

現在、構想中の新事業はありますか?

2020年8月から小学生向けのプログラミング教室と、企業や地方自治体主催のプログラミングイベントの企画・実施を始めました。教室では、プログラミングに必要な論理的思考を身に付けるため、遊びながら学べるマインクラフトとスクラッチを使っています。

新事業に関しては、周りから応援されたり世の中に必要なものであることが、成功していくための必要条件だと思っています。そのため、世の中で追い風になっていることや、自信を持って取り組めることを見つけ、スタッフみんなが楽しんでできる事業を選んでいくと思います。この教室も、良くしていただいているクライアントさまからの紹介で始めましたが、今後盛り上がる分野として、とても期待しています。

最後に、クリエイターへのメッセージをお願いします。

クリエイターとして目指すのは、「圧倒的に早い仕事をするか」「圧倒的にすごいものを作るか」どちらかしかないと思います。これが両方できるのがプロですね。もの作りをする人のなかには、納期に間に合えばいいというタイプもいますが、早く終わらせて2つ納品する、あるいはクライアントの依頼以上のものに仕上げるなど、プラスアルファのサービスができるかどうかが、最後に選ばれる人になる決め手となります。

さらに人として重要なのは、物を作って相手を喜ばせる仕事であることを認識し、それを自身の喜びと感じられるかということです。今後は、ITやPCに対してネイティブな世代が増えますので、逆に今後のクリエイターの需要は、コミュニケーション力や、相手に自分の思いと必要な情報を伝える力がある人になっていくと思います。

取材日:2020年7月1日 ライター:八幡 智子

株式会社BWORKS

  • 代表者名:CEO 宮澤 一政
  • 設立年月:2018年4月
  • 事業内容:通信事業、広告事業、中小企業支援事業、HR事業、プログラミング事業、アパレル事業
  • 所在地:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西8丁目2-24 桂和大通ビル5F
  • URL:https://bworks.info/
  • お問い合わせ先:上記HPの「contact」より

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