WEB・モバイル2020.04.15

データ × クリエイティブでWebに関する課題を解決し、成果を出し続ける仕組みを実現!

大阪
株式会社モンゴロイド 代表取締役
Satoshi Sasagawa
笹川 賢

大阪・堂島にある株式会社モンゴロイドは、Web解析とブランディングを強みに、デザイン、広告、EC運用代行まで幅広くサービスを展開するベンチャー企業。マーケター、アートディレクター、デザイナーなど多様な人材を社内にそろえ、クライアントのWebに関する課題解決からクリエイティブまで、トータルでサポートしています。データ解析をベースに、成果を出し続ける仕組みづくりを得意とする同社の代表取締役の笹川 賢(ささがわ さとし)さんに、会社設立までの経緯や今後の展望についてお話を伺いました。

クライアントの課題を真に解決するため、会社を設立

会社設立までのご経歴についてお聞かせください。

新卒で入った会社でWeb系のプログラマーとして勤務していましたが、よりエンドユーザーに近い場所で働きたいと思い、Webデザイナーへのキャリアチェンジを目指しました。しかし社内でWebデザインをするのは難しく、転職を決めたものの、企業は即戦力になる経験者を求めているため、なかなか就職先が決まりませんでした。

そんな時、ある会社が「アルバイトでいいなら来てほしい」と言ってくださったので、お世話になったんです。その会社はマーケティングに強くて、いろいろと学ばせてもらえました。そこで1年間働いた後もWeb業界を軸に転職を重ね、プログラマーやデザイナー、ディレクターなどさまざまな仕事を担当しました。モンゴロイドを立ち上げる直前に7年間働いていた会社は、インターネットに強い広告代理店でした。

起業までに多くの職場でいろいろな経験をされたのですね。転職に抵抗はありませんでしたか?

特になかったです。面接を受けて「君に来てほしい」と言ってもらえると、「自分の能力が求められているんだ。きっと役に立てるし、ここでいい仕事をするぞ」とワクワクしていました。だから「皆さんもどんどん転職しましょう」と言うつもりはありませんが(笑)、私自身にとっては決してマイナスではありませんでしたね。

転職を重ねて伸びる人もいますし、「石の上にも三年」と言われるように1社でじっくり成長する人もいるでしょうし、どちらもそれぞれいいと思います。転職回数はうちも面接時に聞きますけれども、「この人に来てほしい」という決め手は転職回数とは関係なかったりしますから。

会社設立のきっかけについてお聞かせください。

モンゴロイドは、前職で同僚だった営業職の岩河 勇太(いわかわ ゆうた)とともに立ち上げたのですが、きっかけはWebマーケティング支援とサイト制作などのクリエイティブワークを両立させた会社を作りたいと考えたからです。起業前に勤務していた広告代理店は広告販売が主軸でしたが、お客さまが抱えている課題によっては、Web広告だけでは解決が難しいものがあるんですよね。でも広告代理店として、自社のメリットにならない提案はしづらい。そこに葛藤がありました。

その問題を解決するために、Web施策に強いコンサルティング会社と協働をしたこともありますが、お客さまからは「コンサルティング会社はいろいろ言ってくれるけれども、具体的に何をしたらいいかは教えてくれない」という不満が出ていました。

私はそれまでの経験からWebのプログラム、デザイン、ディレクションといった実行支援に加えて、Web分析や解析などのスキルも身につけ、コンサルティングもお客さまに提案できるようになっていたので、お客さまの真の課題を解決できる会社を自分たちでつくろうと岩河と起業したんです。

プレーヤーと経営者、2つのやりがいがある

現在の事業内容について、お話をお願いします。

Web解析とブランディングを2本の柱に、EC運用代行、Webデザイン、広告などの事業を行っています。Web解析技術をベースに、Webマーケティングに関する課題に対してワンストップで対応しています。

お仕事は、具体的にどのように進めているのですか?

私はプレーヤーとして現場に出ることも多いのですが、きっかけはお客さまからご相談いただくことが多いですね。その後でヒアリングに伺い、どれくらいの売上アップが必要なのか、その金額は妥当なのか、売上が伸び悩んでいる原因はどこにあるのかなど、少しずつ話を詰めていきます。そうして集めたデータを活用して、最適な施策をご提案しています。

例えば「売上アップのためにサイトリニューアルをしたい」というご相談を受けることがあります。しかしいろいろお話を伺ううちに、売上が上がらない原因はマーケティング施策にあって、サイトリニューアルだけではその悩みを解決できないとわかることがあるんです。そんな場合は、マーケティング施策全体の見直しをご提案します。

Web解析などのデータを使った業務と、デザインなどクリエイティブな業務は正反対の要素に思えるのですが、どうやって両立させておられますか?

社内にマーケター、ディレクター、デザイナーなどがいて、私を含めたフロントに立つ人間とともに、お客さまの情報を共有することを大切にしています。そのうえでクリエイターが「この施策ならデザインやコピーはこうだろう」とアイデアを出してきます。そういうやり方なので両立できます。

例えば「クライアントが子ども向けに作った商品だけれども、実はお爺ちゃんお婆ちゃんが孫に買う想定なのでメインユーザーはシニアらしい」などの情報を共有していくわけです。そうすると「シニアをターゲットにするならデザインはもっと落ち着いたものにしては?」などの提案がデザイナーから出てきます。

なるほど。モンゴロイドで働くクリエイターには、提案力がある人が向いているのですね。

そうですね。

「言われたことをやりたい」という人より、多くの情報を取り入れてクリエイティブをやっていきたい人、それを面白いと思える人と一緒に仕事をしていきたいと考えています。フロントに立つ場合なら、お客さまと対話ができる方がいいですね。対話によって先方の意見を拾い、こちらの意見も伝えるというやり取りが必要なので、それを続けていくのが好きだという方に向いていると思います。

プレーヤーと経営者というそれぞれの視点から、お仕事のやりがいをどう考えていますか?

それぞれやりがいは違いますが、プレーヤーとしてはお客さまの課題解決や目標達成のお役に立てて、信頼度がグッと上がったときですね。そうすると忘年会や新年会に誘っていただいたり、さらに進むと他社さんにご紹介いただけたりすることがあったりします。そこまでいくと本当にやりがいを感じます。

経営者としては、言い方はふざけていますが「寝ていてもお金が入ってくる仕掛け」を考え、思いついた工夫がうまくいったときです(笑)。もちろん怠けたいという意味では全くなくて、ものすごく効率よく仕事を進める方法を考えるのが好きなんです。「これ、いいかも」というアイデアを実行して、メンバーの仕事の負担を軽くすることがやりがいですね。

オフィスの「心地よさ」も気持ちよく働くための条件

やりがいを保つ工夫として、働く環境や働き方にもこだわりがありますか?

ありますね。オフィスって、もしかしたら自宅より過ごす時間が長い場所じゃないですか。その時間に対して投資をしたいんですよね。うちはサイト制作後に運用や広告集客のフェーズに入るので、長丁場の仕事が多いんです。その分、今だけ頑張ればなんとかなるという、しゃかりきな仕事のやり方では続かないと思います。だからメンバーにはいい意味で力を抜いて、ちゃんと休みながら仕事をしようと呼びかけています。

オフィスがいい感じと言っていただけるのも、そういった気持ちの表れかもしれません。例えばスタッフが飲むコーヒー豆や紅茶を数種類そろえたり、観葉植物を多めに置いたりして、心地よく過ごせるよう意識しています。内勤メンバーはもちろん、外に出ることが多いメンバーも会社に戻った時に「帰ってきた」という気持ちになってくれたらいいなと。心地よさは人それぞれ違うので、全員が満足できる環境づくりは難しいとしても、できる限り快適な場所にしたいです。そうやって、みんなで一緒に長期戦を戦っていけたらうれしいですね。

目指すのは「逆サザエさん症候群」になるほど、仕事が楽しい会社

今後の展開についてお聞かせください。

新規事業で全く新しいことをやるのではなく、これまでに手がけてきた仕事を見直してお客さまに喜んでいただいたこと、提案して刺さったことを自分たちのノウハウやナレッジとして、それを再利用していきたいと考えています。

例えばスタッフ教育に生かすとか、サービスとしてパッケージングするとか。先程、データとクリエイティブの両立についてお答えしましたが、人が正反対に思うような業務を両立させるやり方がモンゴロイドのユニークな特徴なら、それを「モンゴロイド式」と名づけてみるのも1つの方法ですよね。

「データとクリエイティブを分けずにつなげ、相乗効果を生みつつクライアントの課題を解決して成果を出す。それがモンゴロイド式です」みたいに説明すればわかりやすいかもしれません。これまで取引のあったお客さまや他社の先輩にこの話をしたら、「ぜひやってほしい」と言ってくださいました。「そうしてくれれば、他社にモンゴロイドを紹介するときに言いやすいよ」と。本当にありがたいし、本格的に取り組んでいきたいと考えています。

経営ビジョンについても、ブラッシュアップを考えていらっしゃるそうですね。

そうなんです。「2023年計画」と名付けたのですが、今年からの3年計画です。あくまでもこうなればいいなという目標で、あえてかっちり固めなくてもいいかなと思っています。その理由は、変化のスピードが速いWeb業界では1~2年後くらいのビジョンなら想像しやすいのですが、3年後、5年後、さらに10年後となるとどうなるか分からないところがあるからです。

具体的にすればするほど、別の方向に舵を切る際に矛盾が起こってしまいます。ただし、これは絶対に実現したいと考えていることはあります。それは私を含めた全社員が日曜日に「仕事が面白い、月曜日が楽しみだ」と思える、「逆サザエさん症候群」になるような会社にしたいということです。それが最大のビジョンかもしれません。

取材日:2020年3月2日 ライター:櫻井 靖子

株式会社モンゴロイド

  • 代表者名:代表取締役 笹川 賢
  • 設立年月:2013年6月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:Web マーケティング支援、Web解析、インターネット広告の運用、ECの運用支援CRM活用支援、Webサイトの企画・開発
  • 所在地:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島2-2-23白雲ビルヂング1F
  • URL:https://www.mongoroid.com/
  • お問い合わせ先:06-6147-5147

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