新しいスタイルで、コミュニケーションをプロデュースする

札幌
株式会社ドーン 代表取締役
Eitaro Saito
齊藤 栄太郎

札幌市で広告・プロモーションを幅広く手掛けているコミュニケーションエージェンシー「ドーン」。創業5年ながら、「この仕事はドーンに任せたい」と広告業界からもクライアントからも呼び声が高く、今を時めく企業です。なぜ信頼を得ているのか————その秘密を探るため、代表取締役の齊藤栄太郎(さいとう えいたろう)さんにお話を伺いました。

会社の看板を外して、自分の力を試したかった

「ドーン」を設立したきっかけを教えてください。

前職は大手広告代理店の地域会社でプロモーション制作を中心に担当していました。前職時代から、会社だけでなく自分を信頼して仕事を任せてもらえるよう意識していました。でも、大手広告代理店のネームバリューとネットワークはやはり大きくて武器になります。会社の看板とネットワークが自分からなくなったとき、それでも信頼していただき、仕事を続けられるのだろうか…と、考えるようになりました。看板を外して、「齊藤栄太郎」の名前と信頼でどこまで勝負できるか試してみたいと思ったのが、直接のきっかけですね。 制作に携わる者としてありがちですが、20代の頃は、腕を磨いていつかは独立してやると思っていました。前職に移籍したのは、30歳のとき。それまでいた地場の広告代理店では経験できなかった仕事を手掛けるようになり、学ぶことが多かったですね。仕事は面白いし、定年まで働くのだろうと思うようになっていました。ただ、40歳を目前にして、ちょっと迷いが出たのです。このまま流れで進んでいくか、新しいことに挑戦するか。最終的には、「齊藤栄太郎」の力を試してみることを選びました。それで、僕の1年前に退社していた材木谷智博(ざいもくや ともひろ、代表取締役社長)と一緒に「ドーン」を設立したのです。

会社員から経営者へ、不安はありませんでしたか?

正直まったく自信はありませんでした。この仕事は、そもそも事業計画が立てづらい。コンペの結果次第で状況が変わることもあるので。そこは創業当時もいまも変わらず、不安要素ではありますね。
ありがたいことに仕事が途切れることなく、まもなく5周年を迎えます。独立前の仕事や交流が、いまの仕事につながっていたりするので、ご縁は大事だとつくづく思います。

新卒のときからずっと広告の世界に?

就職活動では、いろいろな広告代理店を受けました。大学進学で北海道を出ていましたし、とくに北海道にこだわって就職活動をしたわけではありません。でも、縁があって札幌の広告代理店に入社しました。そのあと、会社を移籍したり設立したりしながら、20年以上ずっと北海道の広告業界にいます。他の世界も見てみたいとは思いながら、このまま広告の世界に身を置くことになりそうですね。

広告に興味を持ったのはいつ頃でしょうか?

大学時代に「ACC CM FESTIVAL」(現 ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS)を見て、広告に興味を持ちました。どのCMも面白くて、業界誌を読み始めました。目指すは広告業界だと思ったのです。サークルを立ち上げて大きく育てたりしていたくらい、もともと企画したり何かを創り上げたりすることが好き。広告の幅の広い仕事が魅力的に見えたのだと思います。
実は、大学で専攻していたのは動物生態学。中学校の理科の先生になる予定が、完全に狂いましたね。理科の先生になっていたら、どうだったのかなあ。別の人生を選べるのであれば、そちらの世界も見てみたいけれど、人の心や思い出に残る仕事という面では、先生も広告業界も一緒かも知れませんね。

「どーん」と「始まり」をつくる会社

社名「ドーン」に込めた思いを教えてください。

ドーンは英語でDAWN、「夜明け」「始まり」の意味があります。日本語では、「思い切りよく」あるいは「大々的に」という意味や、衝撃音のオノマトペで「どーん」と使いますよね。英語と日本語の意味を合わせて、何かを始めるとき、何かを仕掛けるときのトリガーになりたいと思って、社名にしました。

一言で言うと、「ドーン」とは?

「コミュニケーションエージェンシー」と名乗っていますが、あらゆるコミュニケーションをワンストップでプロデュースする会社です。 仕事内容でいうと、ドーンには「広告代理店」「制作会社」の二つの顔があります。どちらもやりたかったというわけではなく、両者の垣根を越えた会社を作りたかったのです。今は、広告代理店だけが広告をコントロールする時代ではありませんよね。ウェブはもう広告代理店の手を離れているし、プロモーションも広告代理店にしかできないことではない。多様化しているからこそ、ジャンルを問わずボーダーレスに活動する新しいタイプの会社が必要なのではないかと思っています。それが、僕の考える「コミュニケーションエージェンシー」であり、お客さまにとってもいいはずだと信じています。

さらに活躍の場が増えそうですね。会社を拡大するご予定は?

機動力やチームワークを崩したくないので、大きい会社にしたいとは思っていません。ただ、あらゆるコミュニケーションをワンストップでプロデュースするためには、もう少し強化したいところもあります。 今のドーンは4人体制。営業出身の材木谷とプロモーション出身の僕、ディレクター1人、デザイナー1人。ときどき、アルバイトのアシスタントが加わります。このメンバーとは異なる個性や技能・経験を持つ人が加わると面白いですね。お互いに影響を受けながら、個々が成長できるし、会社ももっと強くなると思います。

北海道の広告・プロモーションも、自分も変わっていく

北海道の広告業界を見てきて、感じることは?

僕が新卒で広告業界に飛び込んだ頃からは、隔世の感がありますね。北海道に限りませんが、完全にデジタルの時代になりましたよね。20年前はまだまだ。最近は印刷物よりもウェブをつくる仕事が多く、動画もウェブ用ムービーが増えています。 プロモーションはこれから変わっていくでしょうね。既に当たり前になりつつありますが、デジタルコンテンツを連動させたプロモーションが、北海道でもどんどん広がっていくはずです。プロモーションの幅も仕掛けも大きく変わり始めています。

考え方や仕事の仕方にも変化がありましたか。

時代の流れに置いていかれないようにしなければとは、いつも思っています。そのためには、広告業界のことはもちろんですが、世の中の動きにも敏感でなければなりませんよね。車通勤になってから、生活者としては広告に接する機会が減ってしまったので、意識的に電車を使ったり街を歩いたりしなければと思っています。 とにかく会社員時代に比べて時間が足りない。だからこそ、人や他社との繋がりをとても重視するようになりました。いつも一緒に仕事をしているスタッフだけでなく、これまでお付き合いのない方々とも積極的にご一緒しようと意識はしてますね。 ただ、何もかも自分で抱えこみがちなところは変わりませんね。スタッフを信用していないわけではなくて、僕の仕事はそもそも分業しづらいものが多いのです。ここは僕の課題で、どうにかしないといけませんね。

大事にしているのは2つの「そうぞう力」

—仕事をするうえで大事になさっていることは何でしょうか?

2つのそうぞう力を大事にしています。1つは創造力。制作にはクリエイティビティが不可欠ですから、当たり前に求められる職能です。もう1つは想像力。このイマジネーションは、仕事を遂行するうえで、ものすごく大事だと考えています。とくにプロモーションはプロデュースを求められることが多いから、先々を想像しなければなりません。この企画を実施したときのメリットとデメリットは何か、事前にどんな手を打っておくべきか、お客さまはどういう反応を見せるのか…など、実施までの業務進行も含めて起こり得ることをいろいろと想像することが重要だと思います。

これからの展望をお聞かせください。

昔は、大きな仕事や賞をとって自分が目立ちたいと考えていました。若かったですね。45歳になった今は、世の中の皆さんに喜んでもらえるようなものを残したいと思っています。広告の仕事は基本的にはBtoB、BtoBtoCなどともいうけれど、それでも消費者、生活者とはちょっと遠い。まだ模索中ですが、BtoCな事業もやってみたいですし、北海道の企業として、地元に何かしら貢献していくことも使命だと考える年頃になりました。

これからの時代は、ますます「ドーン」が必要とされそうです。

そうだといいですね。でも、まだまだです。僕も含めて会社やスタッフの仕事領域や信頼をもっともっと上げていかないといけません。一つひとつの仕事を通じてコツコツとですね。社名にふさわしく、令和時代の北海道の「夜明け」をどーんと支えられるようになりたいですね。

最後に、クリエイターへのメッセージをお願いします。

あまり気負い過ぎずに、ただ自分のやりたいことや好きなことを深掘りしていくといいのではないでしょうか。クリエイティブであろうとして、無理しているなあと感じることがあります。服装や髪型のことではなく、若手の作品や仕事を見ていると、奇をてらいすぎて外しているとか…。そういう時期が自分にもあったけれど、今は、あまり気負わないほうがいいと思っています。広告が好き、創ることが好き、人を喜ばせることが好き…、とにかく好きという気持ちが、成長の秘訣。好きなものにチャレンジすること、向上心を持ち続けることが大事だと思います。

取材日:2020年1月24日 ライター:一條 亜紀枝

株式会社ドーン

  • 代表者名:代表取締役社長 材木谷 智博、代表取締役 齊藤 栄太郎
  • 設立年月:2015年4月
  • 事業内容:広告・プロモーションの制作・プロデュース
  • 所在地:〒060-0031 北海道札幌市中央区北1条東1丁目6-16 NEW1 Bld 2F
  • お問い合わせ先:info@dawn-inc.jp

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