個々の“感性の引き出し”と“周囲の信頼”を蓄積し、「ゲームづくりで夢を描く会社」を創造する

大阪
クアドラソフトウェア株式会社 代表取締役社長
Takehito Ikeda
池田 孟史

デベロッパー企業として、企画からデザイン、システム構築、運用まで、一連の開発をワンストップで対応しているクアドラソフトウェア株式会社。
代表取締役社長の池田孟史(いけだ たけひと)氏は「ゲーム制作の醍醐味は色々な“種”をたくさん埋め込んでいき、ユーザーがそれを面白いと感じること」と語ります。
そんな池田社長は、大手建設会社に勤務していたという経歴を持ち、ゲーム業界の用語も分からない状態からスタートし、ただひたすら開発者としての実践的なスキルとテクニックを磨き上げ、会社の初期メンバーとしてを立ち上げを支え、現在に至ります。 人材育成と職場環境作りに注力している池田社長に、仕事上で大切にされていること、今後の展望などについてお話をうかがいました。

異業種への転職で待っていたもの

この業界に入られたキッカケを教えてください。

もともと勤めていた大手建設会社を退職しまして、その後、ゲーム制作を手掛けるITベンチャー企業で顧問をしていた知人から、デバック※をするのに人がたりないので手伝ってほしいと声をかけてもらい、バイトで入らせていただきました。

※プログラムなどのバグ・欠陥の発見、修正をする作業

もともとゲーム制作のスキルをお持ちだったのですか?

いえ、用語すら知らない未経験者でしたので、スタッフ同士で話している内容が全くわからなくて、仕事内容も理解できないまま、ひたすら目の前の作業をこなしていたのです。知らない用語が出てくるとその都度パソコンで調べるのですが、その場で理解しても実際に現場では結びつかないことが多く、とにかく必死でした。いつ仕事に慣れたのかも分からないくらいでした。

社名の由来は何ですか?

「クアドラ」は、四角の意味の「quadrangle」からきています。社内で会社のロゴを決めるときに、四角にコーポレートカラーをつけたシンプルなものにすればお洒落じゃないかという話になり、皆で色々意見を出し合った結果、四角とオレンジの組み合わせに決まりました。シンプルなロゴにして思わせぶりな含みを持たせました。

確かに印象に残りますね。社員の皆さんで意見を出し合える社風のようですね。

いや、ギスギスしていますよ(笑)。極端にいうと、社員の給料を安くしてこき使うだけこき使って、経営者自身の懐だけが潤うようにしていく、となると社員も辞めていく、その結果、永続的ではない会社経営になってしまうのです。この会社は僕が居なくなっても続けられるような環境づくりにしたいという思いがあって、皆が最後まで勤められることを目指した行動指針も作りました。

どのような行動指針ですか?

簡単にいうと 一.役職や立ち位置に関係なく「議論する」、 二.「主体的に行動する」、 三.一方的な指示ではなく、お互いモチベーションを高められるように「コミュニケーション」を図る、 四.社会の変化を感じ「挑戦する」ことのできる組織運営を行う。というものです。これは明治政府の基本方針となる「五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)」に感銘を受け、社名の意味が「四角」ということで、「議論する」「主体的に行動する」「コミュニケーション」「挑戦する」の四箇条にしています。

風通しの良い職場環境が求められる今にあった行動指針ですね。

時代とともに会社のあり方や求められることも変化していますので、それをいつも意識しています。働き方にしても、昔は時間に関係なく夜中でも自分の気の済むまで自主的に残って仕事をしていましたが、今は働き方改革に基づいています。正直、我々の職種は芸術職なので、サラリーマンを中心とした勤務形態に合わせるのには時間がかかりました。

ゲーム作りは信頼作りから

具体的な仕事の流れを教えてください。

事業全体の8割はゲーム制作で占めています。パブリッシャー(ゲームの販売企業)に売れそうなゲームを提案してOKが出た時点で制作に入り、それを納品するという流れになります。逆に、パブリッシャーから注文が入り制作することもあります。先方とテレビ会議で確認しながら一緒に作り込んでいくので、会社によってはほぼ毎日打ち合わせをする所もあります。

新規案件が多いのですか?

いえ、今一番多いのが制作後の運営案件です。例えば、よく5周年記念などでユーザー向けに打ち出すことがあるのですが、最初に制作したものがずっと続いているわけではなくて、運営していく中で何度もコンテンツを追加して更新していきます。そういった追加コンテンツの運営開発の仕事がほとんどです。あとの2割については、先方から他部署の仕事を紹介していただき、システム開発などもしています。

他部署の仕事も紹介していただけるくらい信頼関係を築かれているのですね。

先方から契約業務以外でも相談や依頼をされたり、こちらからも費用面での相談がしやすかったり、話を聞いていただいたりしているので、信頼関係は築けていると自負しています。

その中で無理なオーダーがきた場合はどのようにされているのですか?

弊社は無理ということはあまり言わないのですが、どう考えても本当に出来ないものについては、スタッフに「遠慮なく喧嘩して言いたいことを言ってこい!」と先方に行かせます。その後で僕が先方に謝りにいきます(笑)。言わないと伝わらないこともありますので、そのあたりは本当のことをキチンと説明しています。

信頼の蓄積がまた次の仕事につながる

仕事上で大切にされていることは何ですか?

常にスタッフにも言っていることですが「信頼」ですね。例えば先方からお願いされた仕様について「出来ます」と言っておいて実際出来ないとか。「この日までに完成させます」と約束しておいて、当日になって無理でしたって最悪じゃないですか‥…。出来ない事を出来ると言ってクオリティを下げてしまったり、予め先方と相談して完了することができるのかをきちんと伝えるべきです。時間を読み対応することは必須です。

時間的な約束を破ると信頼関係に大きな影響を及ぼす場合もありますよね

そうです。後はクオリティですね。期限内に提出しても、誰がみても全然面白くない、粗い仕事って思われるようなものだと契約の存続自体に影響が出てしまいます。また、メールの返信や折り返しの電話にしても直ぐに対応するべきことを、翌日に返すというのはないですよね。人として社会人として、基礎的なことを誠実に対応して信頼を得ることが仕事をしていく中でも生きていく中でも一番大事です。それは朝礼などで校長先生のように話しています(笑)。ただ、この業界って先方の担当者の異動などにより2、3年で入れ替わることも多いんです。

そんなに短いスパンで担当者が変わるのですね

日本って一つの会社に長く居続けることが良いとされるイメージがあるのですが、欧米では、自身のステップアップのために次々と会社をかえて経歴をつけていくスタイルが多いのですよね。最近では日本のゲームクリエイターの方もその様な方が増えているのでは無いかと思います。

ゲーム制作の醍醐味は“種植え” ⁉

ずばりゲーム制作の醍醐味は何ですか?

ゲームの中に色々と面白い“種”を埋め込んでいくことです。例えばシナリオでいうと、強い敵がいて「もうだめだ」という時に、今まで敵だった1人が助けに来るとか、そういう仕掛けをしていくことです。その種がユーザーにとってゲームの面白みになるんです。 ゲームの中に色々と面白い“種”を埋め込んでいくことです。べたですが、例えばシナリオでいうと、強い敵がいて「もうだめだ」という時に、今まで敵だった1人が助けに来るとか、そういう仕掛けをしていくことです。その種がユーザーにとってゲームの面白みになるんです。

その“種”はどのようにして出てくるのですか?

日ごろから自身の中に引き出しを作ってつめ込んでおき、そこから取り出していくんです。その作業をしておかないと、いざという時に面白いものは作れません。スタッフにもゲームだけに限らず、映画を観ることや小説を読むことで視野を広げるように言っています。「この映画の演出がすごかった」「このストーリー展開が印象深かった」と、引き出しをたくさん作ってつめ込んでいき、ここぞという時に出していくことが大切なのです。その繰り返しがゲームづくりの楽しさにつながっていきます。

作りたいものを作れる実力を身につけてほしい

そういう姿勢が、また信頼につながるのでしょうね。今後の展望について教えてください

今後増員し規模を広げていきたいので、まず社会人として、ゲームクリエーターとして育成面に注力できる体制づくりをしていきたいです。様々なキャリアを積めるような体制作りを目指してします。僕も経験があるのですが、入社して間もない社員がいきなり開発に入っても直ぐに色んな事が出来る訳ではないです。新人がベテランの仕事を見てもわからないと思うので、身近な2、3年目のスタッフを見て目標にして貰えるような環境を作れば、自分の仕事もわかりやすくなりますし、先輩スタッフも自分が通ってきた道なので教えやすいと思うんです

最終的にはどのような人材に育ってほしいと思われていますか?

この業界に入ってくる人は大きな目標を持っている方が多いです。実力をつけて自分が「作りたいものを作れる」技術を持ってほしいです。スタッフ全員の技術の底上げを図って会社全体でそうなっていきたいです。ですので、これから入ってくる人も含めて一人一人が作りたいものを予算も調整して力技で制作することができるように、自分たちが学んでいる技術を本当に自分のものにしてほしいと思います。

取材日:2019年8月20日 ライター:川原 珠美

クアドラソフトウェア株式会社

  • 代表者名:代表取締役 池田 孟史
  • 設立年月:2011年9月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:家庭用コンピュータビデオゲームソフトウェアの開発、 マルチメディアコンテンツの研究・開発、 コンピュータおよびその他関係機器による情報処理・提供サービス動画制作
  • 所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目6-20 パシフィックマークス西梅田501
  • URL:http://qdsoft.co.jp
  • お問い合わせ先:06-6344-7270

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